仏教に学ぶ生き方、考え方「抑止力」
本日八月九日は、長崎に「原爆」が落とされた日です。
それから「七十八年」の月日が流れてもなお戦争が行われ、「新たな悲しみ」が生み出されていることに胸が痛みます。
とはいえ「平和への想い」はほとんどすべての人が持っているでしょう。
誰だって戦争に巻き込まれるのは「嫌」だと思います。
でも戦争を起こさせないために「まことしやか」に唱えられることに「抑止力」の考えがあります。
つまり「戦争を仕掛けた人は、それ以上の仕打ちを受けますよ、だからやめたほうがいいですよ」という考え方です。
もっと簡単に言えば「やったら倍返し、三倍返しするからね」というメッセージです。
でもそれってどんどん悪い方に膨らんでいく考え方ですよね?
真宗の開祖「親鸞聖人」は、比叡山での二十年に渡る修行の後、「法然上人」の教えを受けました。
その法然上人の父親は、「押領使」(警察官)をされておりましたが、敵の夜襲にあい非業の死を遂げられます。
その臨終に際して九歳の勢至丸(法然上人)に「決して仇を討ってはいけない」と遺言されます。
その言葉に勢至丸はじっとこらえて出家し、やがて多くの人が救われる教えを残されたのです。
仇は仇を生み、悲しみや苦しみは「果てしなく」続いていく。
それならば「抑止力」に頼るのではなく、心に「制止力」を持ち「忍辱」と「精進」を実践していくほうが、はるかにいい未来になるのではと思っております。
☆今日の一句☆
倍返し
それでは抑止は
できません