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ほとけさまのおしえ「えきそば」

 駅にはその土地々々で様々な「うどん屋さんやそば屋さん」があります。

 名古屋駅にはきしめんの立ち食いがホームにあり、何番線のそばが一番美味しいかで食べ比べしたりする人もいるそうです。

 また、「塩尻駅」には入口が半間ほどのお蕎麦屋さんが改札横にあります。

 その狭さを感じながら信州蕎麦をすするのもなかなかおつなものです。

 そんな中、先日姫路駅のホームで「えきそば」なるものをいただきました。

 駅の蕎麦で「えきそば」なのかな?という一般的な想像とはほど遠く、いい意味で裏切られたような不思議な美味しさがありました。

 まずはえきそばの「店舗スタンド」が、列車のラッピングで色鮮やかだったのが印象的でした。

 そして中に入ると玩具博物館の紹介のために飾られた「ミニチュアフィギュア」が透明の箱に入れられて飾られております。

 それを眺めながら立食で食するのですが、麺が蕎麦ではなく「白いストレート麺」なのです。

 どちらかというと「少し太めのそうめん」を食べている感じで、喉越しが最高に滑らかです。

 そしてお出汁は甘めの和風だしでおあげも甘くてとても美味しくいただきました。

 えきそばの発祥は昭和二十四年にまで遡るそうです。

 戦後の混乱期、蕎麦粉が不足している中で配給物資で練り上げた白い麺を、和風出汁に合わせて提供されたのだとか。

 そしてその独自性をしっかりと守り続けて姫路の名物にまでしてこられた方にも頭が下がる思いです。

 工夫して様々なものを生み出すことも大切だと思います。

 でもそうして生み出されたものを信じて「受け継ぐ姿勢」があってこそ、名物が出来上がるのではと感じております。

 そういう精神は仏教を受け継ぐ私も「見習わないと!」と思いながら姫路駅を後にいたしました。


☆今日の一句☆

 駅そばに
    教え伝わる
        出汁かほる

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