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ほとけさまのおしえ「真実を観るということ」

 仏教では「真実を観る」ということが大事だと言われます。

 「そんなこと言われなくてもちゃんと現実を見て生きてますよー」と言われてしまいそうですが、「真実を観る」ということと「現実を見る」ということは実はかなり違うのではないでしょうか?

 私たちは「現実社会」を生きています。

 時々は「夢物語」に憧れたりしますが、すぐに現実を見ては溜息をついたりします。

 でも実は今ここにこうやって存在するということは、必ず終わりを迎えます。

 つまり「命を終える時が必ずやってくる」ということこそ、現実なのです。

 アンチエイジングが極まれば、理論上は「五百歳」くらい生きられる未来が来るかもしれません。

 でも永遠に生命を続けることはできないということを「実感」している人はほとんどいないと思います。

 そういう私も例に漏れず、明日命が終わるなんて「思ってもいません」し、来月や来年の予定を「考えたり」します。

 つまり「真実を観る」とは、この現実が「現実でなくなる時が来る」ということに気づくことに他なりません。

 そしていよいよそうなる時に、初めてそのことに気づいて後悔することも多いのです。

 そして「財産」があってもなくても、「地位や名誉」があってもなくても、「幸せでも不幸」でも、そんなことに関係なく命は強制的に終了するときがやってきます。

 その真実を「逃げずに、また遠ざけずに」しっかりと観ていく。

 このことを仏教を学ぼうとする心の「芯」に置いておきたいものです。


☆今日の一句☆

 限りある
    生命をそのまま
          観ていこう

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