【エッセイ】睡眠不良の履歴
朝起きて、壁掛け時計を見つめる。
「針は12時を回ったところか……。」
昨晩は朝6時までミステリー小説を読みふけっていたので
1日のギリギリといったところか、と脳内で睡眠量をはじき出す。
ここ最近は午前中はろくに動けないことが多い。
社会人となってから10年くらいはまだ普通だった。
とは言っても。
夜勤やらなんやらで睡眠不足となった日には
調子が悪いときはたまにあったが
有休消化もせず(あるいはできず)に日々働いていた。
若さって素晴らしい。
そんな体質のはじまりは、小学校4年頃にさかのぼる。
小学生時代
校長先生の朝礼が長いのはどこも同じだろうか。
ある日、立ちんぼで聞いていたら、目の前が、白くなっていった。
異常に気付いた先生に保健室に連れていかれて休んだ。
その後は特に問題もなく回復し
作文をやらなくてラッキーとさえ思っていた。
もちろん、原因は睡眠不足だ。
「朝早く起きればゲームをして良い。」という
家庭内ルールがあり、これが悪手だったように思う。
普段は自由に遊べないゲーム機をその時間だけは
干渉を受けずに遊ぶことができた。
味を占めて、どんどんと早く起きることになる。
こうして、寝不足となった私は貧血を起こしたという訳だ。
中学生時代
中学でも朝礼の貧血はたまに起きていた。
それに加えて授業が眠くて仕方がなかった。
特に歴史の授業にて。
歴史の先生は雇用されている男性(25才前後)だった。
少しお調子者で、自身の名をつけた宗教を冗談で布教していた。
私もそれに乗っかるような生徒だったりしたが、
よくあるような普通の関係だったと思う。
ある日、突然に黒板が強く叩かれ、先生が教室を去った。
私は居眠りしていたので「何が起きたか」すぐ分からなかった。
要約すると、居眠りしていた人間が複数いたことに先生がキレた。
つまり、話を聞かないなら、もう板書だけで十分だろうと
その日の授業内容を書くだけ書いて去ってしまった。
リーダー格の女子から寝ていた何人か(私含む)が指名され
職員室に謝りにいってその事件を納めることはできた。
(その後も居眠りには抗えなかったが。事件は一度きりだった)
他の話としては
朝練に力を入れている体育会系の部活に居たのだが。
しかも、部長になった立場にも関わらず
どうしても朝練には出れなかった。
起きれないことが多かったし、
起きたとしても両親の時間や感覚とズレてるので
朝食を食べずに家を出ることが難しかった。
高校生になっても授業の居眠りは続いた。
よく卒業できたな……。
部活の合宿(という名義の旅行)で
悪い先輩につかまって眠いのに夜通し遊びにつきあっていた。
翌日の調子は悪かったし、生活時間や体質が違うなと強く感じた。
ある日オンラインゲームにはまり
夜の睡眠時間はどんどんと削られていった。
さらに従量課金の通信料がひどいことになり
親にこっぴどく叱られた。悪循環な話だ。
ちなみに叱れらたとき
Q2通信料(ほぼ詐欺)でも同じことあったなと思い出した。
大学生になると、座学はほぼ寝ていた。
高校時とは別のオンラインゲームにはまっていたこともあるが
順調に睡眠時間は減り、時間帯は偏っていたと思う。
(この頃は通信定額制が広まっていたので通信料は大丈夫)
飲食店バイトをしていた時期もあったが
仕事の要領が悪いときは遅くまでやっていた。
ある程度回せるようになると、それはそれで地獄だった。
AM2時までのシフトのあとに翌朝シフトを入れられることも
ザラになった頃、ある日寝不足で体が動かなくなった。
店長に電話するも信用されず呆れられた。
大卒後、すぐには就職する気もなくニートだったが
1年半後には契約社員ながらも職場についていた。
路銀がつきてヒマだったし、肩身も狭かったので仕方ないね。
夜勤がメインのシフト勤務だったが
生活時間の偏りには慣れていたので割と適正あるかな?
と思いつつ(日勤への切り替えがきつかったが)
体調重視で立ち回っていたので特に大きな支障はなかった。
さらに数年後、別の職場にいた。
仕事の継続性を考えて
日中帯で生活がしたかったので転職した。
最初のうちは問題がなかったが、
仕事が増えていくにつれて睡眠時間は削れたし
たまにある不可避の夜通し作業もあって
自分の体質にあう職場ではなかった。
区切りのいいタイミングで後腐れがないように
勤務地を転々とした。結局、定年退職まで勤められるような
安住の場所はついに見つけられなかった。
そして冒頭の状況、今に至る。
仕事や電話や時間に追われない日々となり
自由に寝て、自由に生活することで
これでも比較的に状態は安定している。
(こんな状態ではサラリーマンの責務を負えるはずもない)
そしてようやく、小学生の頃からの生活習慣が
今に響いているのだなと思い至るようになった。
現状の問題点を挙げてみる。
①横になってもすぐ寝れない
脳が疲れ果てないとダメな感じ。
運動をしたり、日光を浴びてメラトニンを確保したり、
Y1000を飲んだりしても、大きく改善することはない。
TVでみた自律神経を良くする体操を
1ヶ月続けたりもしたが効果が感じられずやめてしまった。
②長く寝れなくなった
老化のせいかカフェインのせいかわからないが
メラトニンの貯蓄量が減ったか作用してないのかもしれない。
夜勤シフトなどのころは9時間以上も眠れることもあったが
最近では5~6時間寝れば良い方で、二度寝できれば二度寝している。
二度寝とはいっても、
眠れない時間30分、あきらめて飯を食ってから寝る
という感じに時間を挟んでいたりする。
③すぐ起きたくない
起きようと思えば起きられそうだが……
それをしていいのか不安があり分からない。
地震の誤アラートで飛び起きることはできたが
毎回それをしたら……というのもあるし
なるべくなら眠っていたい(まどろんでいたい)気持ちがある。
交感神経を働かせようと思えばできる気はするとでも言うのか。
副交感神経(リラックス)させる方が弱いのかもしれない。
④そんな状態の奴に仕事はねぇ!
もともと就活時も転職時も精神的ストレスが半端なかったし
SEやらのIT系の仕事をやってたわけで
痛勤電車に乗らなきゃいけないんですよね。
ほんとうは事務職に転向したかったのに
「あなたの能力をそこに使うのは勿体ない」とかで拒否られまくって。
日本の型通りにしかならない転職事情はほんとつらい。
個人事業(ゲーム制作)なら健康状態にも合わせられるかなぁと
目下修行中の身でございます。
あとがき
長々と書いてしまいました。
一般的には睡眠は重要とされる反面
あまり眠らずに活動するビジネスマンがいたり
全く眠らない人がテレビで紹介されたり
ペンギンの特殊な睡眠方法が判明したりと
睡眠にはまだまだ分からないことも多く
他人への理解もされづらいと思います。
ただ、理解されるまでいつも眠い眠い言っていれば
「睡眠障害なのかな?」と分かる人にはわかってもらえるでしょう。
今月の話のネタにと書きましたが、
自身がこういう状態であると書いたり話したりするのは
自身を理解してもらうには重要なコミュニケーションと思えてきました。
私のこの体質は医者で治したとして
もはや次の仕事ありつける気はしないですし
活動できる時間は普通にあるので
現状で出来ることで何とか生活していきたいと考えています。