【ライブ感想文②】RISING SUN ROCK FESTIVAL2023 in EZO 2023.8.11(金)〜8.12(土)
こんにちは。シリアスファイターです。
今回は、ライジングサンで見たライブ感想文の続き、2日目〜朝日が昇るまでの記録です(フル尺で見たライブに限ります。)。
どうせ長くなります!
前置きなしで早速!
いきましょう!
12:00〜The Muddies
ライジングサン恒例のオーディションによる出演枠。
かつてはサカナクションがこの枠で出演した後どんどん規模を拡大したり、昨年は参戦した2日目の鈴木実貴子ズに衝撃を受けすぎてCDを衝動買いしたりと、1mmも侮ることが許されない枠を勝ち取ったこのバンド。
出演が決まってから聞いてみたら、ドスの効いた歌声に合いすぎる、ソウルやブルースを基調とした王道コテコテのロックンロールバンド。
私の中の「かっこいい…!!!」エンジンがフル回転した段階で、どう考えても2日目はここから始めるしかありませんでした。
この日も相変わらず快晴で暑すぎる石狩の大地に、お揃いのスーツ姿で登場した4人は、挨拶とばかりに、いきなりジャーーーーン!!と威勢のいい一発で、2日目のライジングサンを覚醒させてくれます…!
「俺たちが、ロックンロールバンドThe Muddiesだ!」
ギターのISSEIさんが渋く挨拶をキメる間、ボーカルFUTAさんのしゃがれたシャウトが響き渡ります…「Wahhhhhh!!!!」
その後はひたすらに強靭なグルーヴと歌声で、純度100億%のロックンロールナンバーをひたすら投下し続けます…!
グルーヴィなベース捌きを決めながら、何度も櫛で髪型をクールに整えるKOMEIさん。
常に何かと戦っているような鋭い眼光でこちらを睨みつけながら、その小柄な身体から出ているとは思えないパワフルな打音でバンドの屋台骨を支える、ドラムのURARAさん。
ライジングもロックフェスと言えども、ジャンルは年々多岐に渡るラインナップとなってきた中、30分間自らのロックンロール一本で貫き通す姿勢は潔すぎて、ロックンロール大好きエゾロッカーのハートを抉り倒してきます…!
最も圧巻だったのは最後の「Revolution」。
原曲よりもグッッッとテンポを落として、泥の中に力強く足を突っ込んでいくように、叩きつけられるロックサウンド…!
そのロックンロールに確かに宿る熱い魂を存分に叩きつけたステージ。
今日もとんでもない1日になる気がすると同時に、この場にいることができた数少ないエゾロッカーとして、将来自慢できる30分間になりました。
14:10〜カネコアヤノ
昨年はコロナによる出演キャンセルだったため、名目上はリベンジとも言える日ですが、私にとっては特に、今年頭から始まったカネコアヤノ総決算のような日。
あの声とバンドサウンドで、この大地の空気が震える瞬間を想像しただけでドキドキが止まらなかった訳ですが…とうとう真っ赤な装飾の大きなステージに、カネコアヤノさんが姿を現しました。
昨日サンボやエレカシを見ていた時は、このステージでもフェス共通の出囃子SEが流れていたはずですが、それは一切なく普段のワンマンと変わらず無音のまま静かにステージに登場したカネコさんとバンドメンバー。
「カネコアヤノでーす、よろしくー。」
緩い挨拶から間髪入れずに林さんの耳をつんざくようなギターのノイズ、ハウリング…!
少しずつ他の楽器の音が重なる中、sakashitaさんのスティックカウントから一曲目はホールツアー同様「タオルケットは穏やかな」。
…やはり…!
今のカネコバンドが鳴らす轟音とノイズは、石狩の大地を飲み込みすぎていました。
良すぎて涙が出たホールツアーから一転して、この音が石狩の快晴の空を、木々を、空気を揺らす様はただただ痛快で、思わず笑みが溢れます…!
そこから一転、ロックンロール魂炸裂の「アーケード」では、カネコさんもマイクに齧り付きそうな勢いで気合の入った力強い歌声を披露し、曇り空どころか晴天の石狩の空を軽やかに撃ち抜いてきます…!
そのままいつものようにMCなしで、今度は「栄えた街の」→「序章」と、快晴の空の元、ふかふかのベッド、ないしはハンモックで包まれているような暖かい…、外は暑いけど…、あくまで暖かい心地に包まれる選曲が続きます。
「退屈な日々にさようならを」は、フェスという非日常で響くからこそ、一歩一歩階段を踏みしめて登るような終盤のグルーヴは、ここから先の日常へ続く祈りのようにずっしりと響きます。
いつになく吐き捨てるように終盤のフレーズを紡いだ「気分」は、それでも上手くいかないことが圧倒的に多い日々の中で、何とか踏ん張って生きてやるんだという決意すら感じられて、「こんな日に限って」の濃厚なロングセッションは、ホールツアーで聞いた時よりも、そんな日々への決意や葛藤など、全ての感情が溢れ出して叫び出したくなるなるような凄絶さ…!
楽しかろうが、苦しかろうが生きていたくて仕方ない気持ちは、そのまま雪崩れ込むように始まった曲と同時に歓声が上がった「わたしたちへ」に、最後のバトンを渡します。
ホールツアーの時以上にたっぷりと繰り広げられた後奏のセッション…!
変わりたくても変われない、代わりがいない1人の人間のまま生きていく意志と力が宿る一音一音に、確かな力を受け取った50分間。
「ありがとうございました〜。
水分たくさんとって、この後も楽しんで下さ〜い。」
フェスの会場でも気付けば、聞いているうちに自分の内面と向き合わされていることに気付き、ハッと目が覚めたような午後15時。
相変わらず強烈な日差しの下で、じんわりと生きている実感が確かに残る時間でした。
16:10〜UNISON SQUARE GARDEN
衝撃のカネコアヤノさんの余韻にじっくり浸るように、RED STAR FIELD→SUN STAGEまでの実に30分近くかかる道のりをゆっくりと歩いた先に、再び強推しのロックバンドが待っているという贅沢…贅沢が過ぎる…!!!
もうここ数年はこれでもかとライブを見ているユニゾンですが、ライジングで見るのは個人的に2016年以来。
フェスでユニゾンを見れるのはすっかり貴重な機会となっているので、この日も変わらぬ熱量でどんなライブを派手に打ち出してくれるのか…!!
真っ先にリハーサルに登場した鈴木さんは、早速力強いドラムビートを響かせると、既に集まっていたエゾロッカーから拍手や歓声が起きます…!
へへへっ笑と言わんばかりの仕草が可愛かったのは鈴木さん笑、微笑ましい笑
それでもいざ本番になると、ゆったりと登場する鈴木さん、いつもの準備体操ばっちりの田淵さん、颯爽と現れステージ中央で大きく手を掲げる斎藤さんと、ワンマンと何一つ変わらないUNISON SQUARE GARDEN…!
緊張の一曲目は………
ライブの一曲目として意外すぎる選曲から、ユニゾンのライジングサンのストーリーは再び幕を開けました…!
ワンマン同様カラフルな照明は、まだまだ陽射しが強いこの時間でもばっちりと映えていて、何より本日もクールな出立ちから繰り出されるド派手な音像が変わらずたまらないロックバンド…!ワクワクが止まりません!
「UNISON SQUARE GARDENです!」
斎藤さんの挨拶から不穏すぎる同期とバンドサウンド…まさかの「サイレンインザスパイ」…!?
いきなりユニゾン狂の私の心を抉り取ろうとする血気迫るサウンド…生のライブで聞くのは初めて…!
これは初めてユニゾンのライブを見た人は相当呆気に取られる展開では…!?
そこからまたキラキラとド派手に戻って「10% roll,10% romance」…もう情緒が…情緒がおかしくなりそう…!
ここからは田淵さんも大いに飛び跳ね、走り回り、ベースを弾き倒すいつもどおり熱量が突進してくる暴れっぷり…!!
こんな暑さでも斎藤さんのクールかつ暑いボーカルワークも絶好調で、鈴木さんはもうリハから言うことがないくらいキレッキレです…!
今日も近年のワンマン同様MCはなく、ここで「City peel」でリラックスタイム。
もう少し涼しくなってたらもっと気持ちよかっただろうな…!と思うほど風通しの良いアンサンブルにじっくり浸ったところで、鈴木さんの豪快なドラムイントロ…おおおおおお!
まさかの「何かが変わりそう」…!これは嬉しすぎる!!
前述の「サイレンインザスパイ」然り、今日は「Catcher In The Spy」(どちらの曲も収録されているアルバム)大好きです大会ですか!?
あまりに切なすぎるのに、あまりに輝きすぎているメロディとアンサンブルが、まだまだ青空が眩しい石狩の地に降り注ぎます…なんてロマンチック!!
そこから今度は「桜のあと(all quartets lead to the?)」。
季節は大きく飛び越えるものの、人気のシングル曲で疾走感をさらに加速させた先に何が待ってるかというと、鈴木さん渾身の「ワンツースリーフォオオオオオーーーーー!」
SUN STAGEに天井はないけど、いくらなんでも天井知らずにほどがあるだろ!「場違いハミングバード」!!
短距離走を爆速で駆け抜ける狂気のロックンロールバンドの猛攻に、私も嬉しすぎて拳が止まりません…!!
曲を知らない人は相当呆気に取られる展開だったように感じます(デジャヴ?)が、これがフェスでも一切媚びず、自分たちのやりたいことを、信じているロックバンドを貫く私の大好きなユニゾンの姿だと、私は勝手に胸を張っていました…!(どの立場?)
それでも外さない「シュガーソングとビターステップ」…!
間奏のセッションでたくさんの歓声が上がり続けるのはフェスならではだと思いましたし、ラスサビ前には敬礼しながらゆっくりと会場を見渡す鈴木さんの姿が楽しくも愛おしかったです…!
いやあ今日のライブもやっぱりユニゾンは最高だった…いやホントにこれで終わりでもおかしくないと思ったら、間髪入れずに始まるトラップビート、そして両腕を大きく上下左右に広げる田淵さんは、さながら大魔王降臨の様相…!
たくさんの楽しいも、情緒不安定も、全部飲み込んだ先に全部持っていたラストスパートは「カオスが極まる」…!
なんじゃそりゃ!!!
そんな繋ぎあるのか…!の連続でしたが、シュガーソングの大団円感からの不意を突かれた一撃にもうたまらない興奮の坩堝へ…!
ロックバンド最高…!
「ラスト!」
そこからもう何転したか数えるのをやめました笑。
最後は「春が来てぼくら」で爽やかに締め。
「UNISON SQUARE GARDENでした、バイバーイ!」
いつも通りのユニゾンが、楽しいロックバンド体験をいつも通り届けただけのライブ。
だからこそ、こんなに信頼できるし大好きなんですと改めて確信を深めた時間でした。
(勢いだけで書いてる気がするこの感想文笑)
18:00〜加藤修平とカネコアヤノ
正規のタイムテーブルには載っていないこのプログラム。
PROVOというDJブースや古着、BARや食べ物の屋台が集うエリアに組まれた小さなステージに、今度はアコギ片手に現れたカネコアヤノさん、そしてエレキギターを持ったNOT WONKの加藤さん。
名前のアナウンスのみで何が行われるかは当日まで不明でしたが、結論ほぼ全てカネコアヤノさんの曲の弾き語り。
加藤さんはゆったりとしたギターの音色で、カネコさんの楽曲に優しく寄り添いつつ、時には自身も歌います。
お互い目の前の譜面?のようなものをめくりながら、これやる?いける?というようなやり取りをしながら持ち時間いっぱいに曲を演奏していく、予定調和一切なしの自由なスタイル。
そんなこともあり、フレーズを間違えてしまったり、加藤さんが歌い出すも、イントロのフレーズをカネコさんが1人で弾いていたのに俺が歌うんかい!?とセルフツッコミを入れて曲を中断して、2人で朗らかなに笑い合いながら、少し打ち合わせして曲を再開したりと、まるで友だち同士、音楽で遊んでいる様を覗き見させていただいているような気持ちになります(とても贅沢すぎる時間…!)。
夕暮れの美しい空を見上げながら、そんな柔らかい空気を纏った2人が紡ぐ「明け方」は、絶品…!
最後には時間がない中、後1分で一曲やっていい!というスタッフさんからのGOサインの下、どうするどうする?高速で行く?と、2人で爆笑しながら文字通りの速さで「恋しい日々」を披露…!
散々続いていた癒しの時間も、最後は大いに盛り上がりあっという間の40分は終了。
清々しい表情でステージを後にした2人を見送った後、再度空を見上げるとこれ以上ない美しい夕暮れ。
忙しないフェスの中で、ゆっくりと流れる時間に浸りつつ、ここからの夜の部に向けて少しの間、心と身体の休息に入ります。
21:40〜FLOW
長いインターバルの最中、涼しい会場を散歩したり、ご飯を食べたり、21時前に上がる恒例の打上花火を眺めたりしながら、この後見るバンドについて考え続けていた私。
この時間帯の各ステージは、強豪校が文字通り競合し尽くしていたため、ギリギリまで悩み狂いました(これは前日も発生した)が、最終的にはおそらくこれを逃したら中々ライブに行く機会はないだろうということで、知ってる曲は豊富なのにライブを見たことがなかった5人組の立つdef garageへ。
全くフロアに収まりきっていない、エゾロッカーでパンパンに膨れ上がるdef garage。
SEとともに、前方エリアは嬉々としたエゾロッカーがとてつもない密度で前方に攻め込みすぎるライブハウスのような熱狂…!
元気いっぱいの5人が姿を現すといきなりの「GO!!!」…!
もう盛り上がるしかありません!!
前方やや後ろで見ていた私。
嬉々として一緒に歌い倒す人、「bang!」の合図で飛び跳ねる人、曲中、KEIGOさんの煽動で横から横へ、前から後ろへウェーブする人、誰も彼も笑顔で楽しそうで…と客観的に書いていますが私もその1人…!
KOHSHIさんもKEIGOさんも当時と変わらぬ瑞々しい歌声。
決して熱心に聞いてきたとは言えないものの、間違いなく私の知っているFLOW…!
続けざまに演奏される「COLORS」も、主題歌だったアニメを観ていた訳でもないのに何度も聞いていた、とっっても切なくてワクワクする大好きなロックナンバー!
夜の野外にピッタリすぎる「流星」、パンク調カバーの「贈る言葉」など、ご存知すぎるFLOWを惜しげもなく大放出する姿は、このフェスの舞台で連戦連勝の記録を次々と更新していきます…!
この日はベースのGOT'Sさんが療養中であり、サポートベースのHALNAさんを加えた編成。
エネルギー溢れるグルーヴを牽引する見事なベースプレイ…!
「俺ら、ライブ大好きです!!
ここにいる人としか作れないライブ、作りましょうよ!!」
少し声を枯らしながらも、ライブ中に何度もエゾロッカーに宣言していたKEIGOさん。
アニメの主題歌を歌っているバンドという印象しかなかった人にも、このバンドが地道なライブ活動で叩き上げていた力が存分に伝わっていたんじゃないでしょうか…?
少なくとも私には大いに…伝わっていました…!
バンドのグルーヴがこの日1番高まってきたところで繰り出される「Sign」で沸点知らずの盛り上がりを見せ、締めは「GOLD」…!
ラスサビ前には全てのお客さんを座らせて、「ライジングサン1番のジャンプを見せてください!」というフェスやライブでの王道展開…!
この王道を行くロックバンドに魅せられた時間の最後…やらないわけにはいきません…!
数刻前の光景のように一斉に打ち上がるジャンプの花火!!!
たった30分のステージの中で、FLOWのロックサウンドがずっと自分の血肉にあったことをひしひしと感じて、驚きと興奮が止まりませんでした…!
23:20〜SUPER BEAVER
この週の初めまで、渋谷さんの喉の不調により出演予定のフェスの欠場やライブの延期が続いていたビーバー。
年間3桁、何事もないかのように全身全霊でライブをやり続けるバンドだからこそ、この状況は心配で仕方ありませんでしたが、
この深夜のステージに立った4人の姿はいつもと変わらず、特に渋谷さんが登場し、しゃがんでじっくりと客席に真っ直ぐな視線を送る様から滲み出る貫禄に、無意味な心配は不要でした。
SEが止み、藤原さんのドラムが刻み始めた時…瞬時に一曲目を察して胸の鼓動が止まりませんでした…!
最初のワンフレーズを歌い終えた渋谷さんから、両腕を掲げた渾身のガッツポーズ…!
「もはや終わればと思った!挫折もあったよな!!」のフレーズはいつもよりも激しく叩きつけるように叫び出され、それでも何一つ終わってない、今日も自ら選び取ってこのステージに来たビーバーを、そしてライブを見ている自分自身を、こんなにも誇っていいのかと思えるはじまりのロックンロール…!
「ちょっとお休みいただいていて。
決めたことができないっていうのは本当に恥ずかしいことだけど、これからのライブでどれだけあなたと一対一で向き合えるかにかかってると思ってます。
今日はなんか違うな…とか少しも思われたくない!!!
休んでたとかそんなこと知ってても知らなくても、19年目にして、今日が1番!最高の夜にして帰りますのでよろしくお願いします…!
一言だけ言っていい…?」
ステージに立つ以上、いつも通り過去最高を更新するために楽しく戦い続ける4人の勇姿を、今日も心に焼き付けようと私も気合を入れ直して、力いっぱいの「愛してる」を歌い叫ばせていただきました…!!!
「人生何があるかわからないけど、最後はあなたと笑い合いたいだけ。」
ドラマチックな柳沢さんのギターに導かれるように始まる「グラデーション」、そして、「儚くない」と、今年リリースされた人間讃歌が立て続けに披露され、渋谷さんの歌唱もメンバーの演奏もますます熱を帯びます…!
いつ死ぬかなんて分かりませんが、ただただ今は生きていたい。
そんな実感を深めるような歌唱と演奏を受け止めます。
名場面が多かった「青い春」では、イントロから頭を振り乱したり、座って足をバタバタしたりしながら軽快なベースプレイを見せる上杉リーダー!笑
間奏部ではステージ中央のお立ち台に座る渋谷さんを挟むように立って楽しそうに演奏に興じる柳沢さんと上杉さん…!
渋谷さんが笑って一言。
「バンドっていいね…!笑」
…本当に…そうですね!!!!
今日も目の前の「あなた」と楽しいを作りたいという渋谷さんは、真夜中の夜空剥き出しのSUN STAGEで披露される「東京流星群」で、いつも以上の覇気でコールを煽ります…!
「そんなもんですか!!??」
まだまだ!と言わんばかりに「東京流星群!」のフレーズを届けます…!
「最高…!」と呟く渋谷さんから続く最後のサビは、光って光って仕方ありませんでした…!
そのまま続く「ロマン」が個人的なハイライト。
暗い深夜の会場を、灯台の灯りで照らし出すようなギターとベースの静かなかけ合い、ステージいっぱいの橙色の照明。
じっと聞き入るエゾロッカー。
頑張ると言う言葉がこんなにもグッとくる、一足早い夜明けを思わせるような時間を噛み締めました。
「あなたにドキドキワクワクしてもらうために、まずは自分が楽しくありたい。
持ちつ持たれつがいいな…!
助けてくれよ。支えてくれよ。
バンドマンとして貰った恩義は倍以上にして返しますんで、これからもよろしくお願いします。」
最後のMC時、号泣してるファンの方がふと画面に映って私も貰い泣きをくらいながら、最後の「東京」。
気付けば、今日も過去最高のビーバーのライブ。
こんなにたくさんの愛とドキドキを貰ったからには、いつまでも愛されていてほしい。
優しくも熱い余韻を感じながら、気付けば日付を跨いでいました。
25:40〜Vaundy
昨年の藤井風さん登場の際も、この時間とは思えないほどSUN STAGEのスタンディングエリアはパンパンに埋まっていましたが、今年もこの時間まで(この時間だからこそ?)目をギラギラに輝かせた、元気いっぱいのエゾロッカーの期待で満員御礼の深夜1時過ぎ。
3月の病み上がりワンマンを見ている私からすると、これはただのリベンジ出演で終わるどころか、このポップスターに石狩の大地が飲み込まれる未来しか見えていませんでした。
真っ白い照明が真っ暗な石狩の大地を照らし出し、今にも大スターが登場するかのような雰囲気に会場が盛り上がる中、暗く淡い青の照明に。
SUN STAGE横の左右の巨大モニターはアーティストロゴを写すばかりで、スタンディングエリアの真ん中よりやや後ろで見ていた私にはメンバーの姿はお米ほどにしか映っていませんでしたが、それでもエゾロッカー歓喜の声により、本人がステージに現れたことを知覚しました。
SEが鳴り止み一瞬の静寂から一曲目…
「いくぞぉぉぉ!」
切なくも淡いメロディと、このド深夜の時間帯でも見事な歌声を聞かせるVaundyさん、そして一曲目から一緒に歌う人が続出するスタンディングエリア…!
化け物級の存在感を早々に発揮します…!
曲終わりと同時に、たくさんの拍手と歓声が鳴り止みません。
「…なんだい?(エゾロッカーの歓声や反応を受け取る)………元気だね!?いいねえ!!…踊ろうぜ…!」
もう深夜2時近く。
普段はほぼ100%の確率で寝ているこの時間に、とろけそうなダンスミュージック。
心躍らずにはいられません…!
そのままピンク色の横一直線の照明が愛らしかった「そんなbitterな話」はライブで聞くのはお初。
もうすっかり仕上がっている鉄壁のバンドメンバーによる演奏は、ゆったりと聞こえながらも力強い音像。
その上をなぞるように紡がれる美しい裏声は芸術品を見ているかのよう…。
はっきりと正体は分からないけど、見とれてしまう感じ…でしょうか…。
「こんばんは。Vaundyです…!
みんな(こんな時間だから)眠くないの…?(眠いー!の声が飛び交う笑)
眠いのかよ!笑
俺は眠い笑
でも今日は17時まで寝てたから、まだまだいけるよ…!」
これで翌日(というかこの日)の夕方には千葉県でロッキンのステージのトリもつとめるということで、もう凄すぎて笑っちゃうしかありません笑
続く「Tokimeki」は生で聞けたのは初めてで、宣言通りまだまだ元気どころかパワフルさを増す歌声。
そして何度聞いてもライブのハイライトになってしまう「しわあわせ」。
心臓の鼓動を刻むように明滅する白い照明に照らされながら、一転して消え入りそうな裏声で歌うVaundyさん。
サビで開放されたようにステージを包み込む光の照明、切実な歌、BOBOさんの力強いシンバルの連打が扇動する、落ちサビのカタルシス…!!!
切なくても、苦しくても、思い出せなくなるその日まで、いつまでだって思い出すこの深夜の光景、音、歌を刻み込みます。
「まだいけるかい…!?」
そのまま今度は「裸の勇者」の勇猛果敢なビートで石狩の大地を駆け抜けます。
「まだ半分もきてないぜ…!」
ここからさらに加速するライブの先陣を切るのは、相変わらず冒頭から破壊力がすごいBOBOさんのドラム…「不可幸力」。
…が盛り上がるのは当然の如くでしたが、驚きは次なる曲のイントロ…!
「うおー!!」
「まじかっ!!」
「やばいやばい!!」
近くにいた若いお客さんからも嬉々とした声、悲鳴が上がっていたこの曲はまさしく藤井風さんの「何なんw」!
「お返しだぜ!藤井風ぇ!!」
昨年急遽代打出演となった藤井風さんへのサプライズ恩返し。
軽快にメロディを繋ぐバンドの演奏に乗って、ステージを左右に歩き回りながら、軽快に歌いこなすVaundyさん。
受けた恩を倍以上の喜びで石狩の地に還元する姿に、こちらも思わず笑顔が溢れます!
ここからはヘヴィなロックパート。「CHAINSAW BLOOD」では、比喩でもなんでもなく本当に1サビ終わりまでステージ全体が客席から一切見えなくなる大量のスモークが焚かれ、流石に凄すぎて笑ってしまうと同時に、演奏が大丈夫か本気で心配しましたが、1mmも支障なくチェーンソーは鋭くエンジン全開…!
夜空に昇っていく煙を眺めながら、どこまでも飛んでいけそうな高揚感…!
その高揚感は、緑色の照明がバチバチの「泣き地蔵」でも継続。
辛く苦しくも、落ちサビで爆発する気持ちはやはり抑えきれませんでした。
「もう終わっちまうな…
(やだー!えーっ!の声が飛び交う)
…やだ?…困ったな…」
めずらしく少しうろたえるVaundyさん笑
「でもやるぜ…!」
そのままラストスパートとしてまずは「花占い」を一発!
そして、この時間にこの曲を聞けることを待ち望んでいた「怪獣の花唄」…!
深夜2時30分。
もうすっかり疲れてきているのに、ついつい大声で歌う私。
まだ終わって欲しくないけど終わってしまう…!
でもまだまだ眠くない…!
何気なく初めてサブスクで再生した瞬間、これまで行ったライブ、1人で不安な夜、様々な場面で聞いて1人の夜を越え続けた先に、訪れてほしかった眠くない夜が、ここにありました。
今日も凄すぎるライブだった…あれ…まだ終わらない…?
「……終わらないな………
あっ!そうだった、忘れてた………
この後撮影入るんだった…
好きに踊ってくれ…!」
なんとまさかの最後に未発表の新曲として、スケールの大きいミドルテンポのロックチューン(歌詞は英語?)を披露…!
1時間で13曲の大ボリューム。
予想通りリベンジどころか、この1年で更にスケールアップしたポップスターに魅せられたところで、深夜2時40分。
いよいよ夜明けの時が近づいてきました。
28:00〜マカロニえんぴつ
長かった…わけもなく今年もあっという間に夜明けの瞬間が訪れました。
昨年に出演時は、是非夜の野外でも聞きたい…!なんて感想を漏らしましたが、まさかこの「夜と朝のあいだ」から朝にかけての時間帯、こんなに早くマカロニえんぴつを見る夢が叶うとは…!!!
この時間に聞きたい名曲だらけのバンドが、このフェスをどう締め括ってくれるのか…涼しい夜風を浴びながら、その時を待ちます。
「こんな若輩者ですが、大トリを任せていただいたからには、音楽で一つになることだけを目指してやってまいりました…!」
リハから謙虚なMCとは裏腹に、「ハートロッカー」や「未発表曲?」で、集まったエゾロッカーのマカロック熱を存分に高めるバンド一同。
少しずつ空が明るくなる兆しを見せ始めた午前4時、いよいよ出番です。
いつものSEに乗って、早々にタオルを大きく掲げて登場する高野さんを筆頭に、清々しい表情で登場するメンバー、そして最後には覚悟のようなものも滲み出た神妙な面持ちで淡々と登場したはっとりさん。
SEが鳴り止むと同時に先陣を切って勇敢なるフレーズを奏でるのは長谷川さんのキーボード。
この曲を、この夜明け前の時間に聞くことをどれだけ妄想したか分からない一曲目は「hope」…!
はっとりさんの絶唱が轟いた瞬間、突風が吹いたように景色が塗り変わります…!
どんなに小さな願いや祈りだとしても、そこに込められた思いの計り知れない強さを受け止めながら、夜明けを待ち焦がれる気持ちを高めていきます。
私にとっては昨年12月以来のマカロニえんぴつのライブでしたが、シャウトの決まり具合や安定感から、この日のはっとりさんのボーカルの好調ぶりが窺えたのは嬉しい限り…!
じっくりとマカロニえんぴつ色に空気を染め上げたら、ここからは自由に解放するしかないとばかりに、ギターもキーボードもドラムもベースも、無邪気の扉を最大解放する「鳴らせ」…!
最高の流れ…!
そこから続くチャーミングな「レモンパイ」→ハードな展開に雪崩れ込むラストで田辺さんのフライングVが本領を発揮する「恋人ごっこ」といった、一筋縄ではいかない鉄壁のポップソングも絶好調で、石狩の地は一気にマカロック一色に。
そのまま「愛の波」→「愛のレンタル」とラブソング(マカロニえんぴつの曲は全て広義の意味のラブソングですが)を立て続けに披露。
前者は海に近い港で聞くからこその、まるで波音が聞こえるかのような錯覚を起こすメロディと感情を揺さぶる歌声に、後者は、正直そろそろ立っているのが辛くなっていたこの時間でも、思わず身体が疼いてしまうような軽快なドラムとギターの音色に、心と身体の振動を止めることはできません…!
いよいよ明るさを増してきた空。
「おはよ~ございま~す。
(ギターのコードを言いながら)○○で、
おはよ~~ございま~~~~す…!!」
2000年のライジングサン、同ステージの大トリを務めた奥田民生さんをオマージュした挨拶で、ライジングさんへの、民生さんへの愛情を感じさせるはっとりさん…!
(元となった民生さんの挨拶は下の動画の冒頭を参照↓)
そこから「洗濯機と君とラヂオ」→「STAY with ME」と、もうひと盛り上がりしない訳にはいきません…!
すっかり明るくなってきた空に、満点の星空を思う「星が泳ぐ」。
私は昨年、夜に聞きたいなんて思ったりして、それは今も変わらずですが、朝の光の粒がキラキラと綺麗に泳ぐ様が私には見えるようで、何度も空を見上げながら浸らせていただきました。
さらにこれも聞きたかった「リンジュー・ラヴ」!
これが最後の夜でも、朝でも、後悔なく今、この音楽を楽しみ尽くしたいという想いを、はっとりさんの終盤の熱の入ったボーカルワークに勝手に載せさせていただきます…!
ステージを見ていた目線をふと真っ直ぐ左に向けると広がっていた風景は、太陽が昇りかける真っ赤な空。
高浦さんのドラムと田辺さんのギターが爆発する「愛の手」で感じる熱い気持ちを存分に掻き立ててくれるような光景。
それでも、快晴だったこの2日間が嘘のように、明けた空には厚い雲が多く、綺麗な朝日とはいきませんでした。
それでもところどころ覗く青空を見上げながら、「愛の手」から繋がるように力強いカウントから披露された「ミスター・ブルースカイ」。
やりきれないようで、届かないようで、どこまでも飛んでいけそうなグルーヴと、飛んでいけ!と強く願う私の思いは、この地で、この時間にしか味わえないエモーションに満ち溢れていました。
「みんな「自分なんか…」とか言ってない!?
自分のことかっこいいって、好きだって思える時まで、ずっと側で寄り添えるような音楽を鳴らし続けたいと思っています。
君といるときのぼくが好きだ…!」
言葉に表しきれない思いを、全てこの空に解き放つように鳴らされる1サビ終わりのアンサンブルは、そのまま空に溶けていきそうなくらい美しかったです。
「どうでした?僕ら大トリで良かったです?
(満場の歓声と拍手!!)
正直大トリは荷が重かったけど、WESSの若林さん(このフェスのプロデューサーの方)と呑みに行った時に、「今、新しい世代としてマカロニえんぴつは輝いてるから、トリをやって欲しい」と言われて、嬉しかったし、やるしかないと思いました。」
改めてこのステージへの思いを口にしたはっとりさん。
4月の大トリ暴露の件にも言及していましたが、それの是非はともかく、今の若い世代にも、このフェスで感じる思いを受け取ってほしいという願いを、新世代代表として託されたマカロニえんぴつがここまでやってきたライブを見れば、このステージにふさわしすぎたことは、大部分のエゾロッカーに伝わったのではないでしょうか…?
「何度も言いますが、あなたが1番かっこいい!
家族で来てる人も…ビューティフル!
最後に、絶望を希望に変えるこの唄を。」
私含め周りの方もこのMCで最後の曲を悟りましたが、分かっていてもポロポロと溢れるものは止まりませんでした。
マカロニえんぴつが大トリをやることが分かった時、真っ先に浮かんだ曲。
2日間のライジングサンを締めくくったのは「ヤングアダルト」でした。
この2日間、感情が昂ぶってたくさん零してきましたが、すっかり昇りきったお日様のおかげなのか、マカロニえんぴつのくれたおっきな愛のおかげなのか…。
きっとどちらもだと信じてるし、その他諸々の感情も含めて、零れてくるものはとても暖かい心地がしました。
最後には昂ぶったはっとりさんがバスドラムの上に乗ってギターをかき鳴らし絶叫&大ジャンプしてフィニッシュ!
「バイバイ!」
誠実すぎる歌と演奏で、夜を越えるための唄がこれからも死ぬまで私の中で生き続けることを全力で証明してみせたマカロニえんぴつ。
完璧な朝日でなくとも清々しい朝の風景は、今年もかけがえのない宝物になって、明日から、もはや今日から生きる力をくれるものでした。
ライジングサンの感想は以上です。
イベント事になると本当に長文となってしまい恐縮ですが、流石の暑さで記憶が飛んでいる部分が多かったものの、焼き付いて離れない瞬間がたくさんあった2日間。
久しぶりの通し参加だったため、疲労感と身体へのダメージは中々のものでしたが笑、得られた感情は死ぬまで一生付き合い続けたいものになりました。
改めて、参加されたエゾロッカーの皆さん、出演者の皆さん、そして何より炎天下にも関わらず、ゴミの分別や会場内の動線確保等、至る所で尽力いただいたスタッフの皆さん、本当にありがとうございました…!
お疲れ様でした…!
あけましておめでとうございます…!
そしてこの場では何より、私主観の感想文に最後までお付き合いいただいたそこのあなたへ。
本当に、本当にありがとうございました!
※おまけ
以下はヘッダーや記事の中で使っていない思い出写真の一部(解説付き)です。
もう音楽は1ミリも関係ないので、興味なければブラウザバック!
各々の活力溢れた生活にお戻りください!笑
以上です。
こんなところまで読んでくださったんですか?
本当にあなたはいい人すぎます…ぜひ幸せになってください…!(?)
ありがとうございました!!
初日の記録はこちらから↓