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【ライブ感想文⑤】RISING SUN ROCK FESTIVAL 2024 in EZO@石狩湾新港樽川埠頭横野外特設ステージ 2024.8.17(土)~2024.8.18(日)
こんばんは。シリアスファイターです。
今回もRISING SUN ROCK FESTIVAL(以下、ライジングサン)で見たライブの感想文です。
今回で最終回。
今年のライジングサンもいよいよ終盤。
一切眠れるわけもなく、2日目深夜〜3日目の早朝までの駆け抜けた記憶です。
それでは。
⑦ XIIX(24:40~)
ピロウズのライブが終わり、いよいよ夜も深くなってきた時間。
私個人としては、見たいライブが一番競合し合っている時間で非常に悩ましい選択でしたが、当初心に決めた通りEARTH TENTへ。
ちょうど菅田将暉さんのステージが終わったばかりのテントにズンズンと侵入し、体力も徐々にキツくなってきた気がするこの時間から、気合いの1時間スタンディング待機が始まりました(途中で誕生日を迎えました、おめでとう私。ありがとう脚力。)。
2日連続の斎藤宏介さん(Vo&Gt.)と、私はおそらく去年の米津さんのワンマン以来(かなり怪しい…違う可能性高し…)お久しぶりの須藤さん(Ba.)。
リハから「LIFE IS MUSIC!!!!!」で、歌詞通りこの時間でもゾンビのような音楽狂いのエゾロッカーたちにめくるめくバンドサウンドを披露してくれると、早々に手も歓声も上がる客席フロア。
須藤さん
「みんな元気そうですね…!?」
斎藤さん
「XIIXです!よろしくお願いします!」
その通り、私は先ほどのRED STAR FIELDでのロックンロールにおいて覚醒を終えたばかりの音楽狂いの化け物。
お二人の至極楽しそうな様子を見て、この時間でもお目目も心もギラギラです。
開演時間になるとまずは須藤さんと、サポートのキーボード、ドラムの方が登場し、深淵なセッションから始まるライブは、突如軽快なビートを纏い始めると、白Tシャツに黒いジャケット羽織った斎藤さんがオンステージ。
そのまま「シトラス」を歌い始めますが、ハンドマイクで立ち回りを見せながら歌う姿はとても新鮮で、1番を歌い終えたところでの「こんばんは!ライジングサーン!」の快活な物言いはまさしく斎藤さんそのもの…!
すかさず斎藤さんがギターを構えると、イントロの甘い囁きに早くも五感を狂わされた「Stay Mellow」。
メロディの味付けは至極甘く、斎藤さんの歌声にはいつも以上に匂い立つ色香が漂う中、須藤さんのベースは上品かつ重厚な音色…深夜に食べてはいけない禁断の音楽の果実が勢揃い…。
うっとりしかけていると、今度はバキバキのデジタルロックとポップなサビが混ざり合う「アカシ」へ。
ロックバンドとともに演奏する姿を見ることが多い2人ならではの、華麗な音の乗りこなしと熱い演奏に、溶けかけていた気持ちがむしろ理性を取り戻すような心持ち…!
原曲ではギターのみで終わっていくアウトロで、全ての楽器がぶつかり合う様もまた熱い!
斎藤さん
「こんばんは、XIIXです!
普段、すってぃー(須藤さん)はもう寝てる時間でしょ?
須藤さん
「21時睡眠だね。」
斎藤さん
「じゃあ今はレム睡眠の時間だ!
生憎、僕は一番絶好調の時間です…!
XIIXは、夜に似合う曲がいっぱいあります!
音に浸ったり、踊りたくなったら踊ったり、最後まで自由に楽しんでください!」
別バンドと変わらぬマインドのMCから、文字通り深夜に聞くことで光と闇のコントラストがくっきりと浮かび上がるような「Light & Shadow」では中盤、斎藤さんによる唐突な「すってぃー!」コールからの、須藤さんのショートベースソロがナイス!!
この後も、「まばたきの途中」→「ホロウ」と、静かな夜にぴったりのメロウな雰囲気の曲が続き、テントの隙間から吹き抜けるひんやりとした風がかつてない心地良さを纏い始める中、「Answer5」から再び攻撃的な展開へ。
終盤には各楽器隊による4者4様のソロ回しにそれぞれ大歓声が上がり、じわりじわりと熱を取り戻していくEARTH TENT。
一旦「No More」で多少のクールダウンを挟みつつ、その後目にも止まらぬ速さで楽器チェンジを終えると、一瞬の静寂の後、紫のスポットライトが当たる斎藤さんによる早口言葉のような鋭い歌い回しから始まる「月と蝶」から、真ん丸のお月様を突き刺すような美しい旋律と尖った演奏の応酬へ…!
始まりから歓声が上がった「あれ」では、ひっくり返りそうな声も自在に操りつつ、ヒップホップのような歌唱もクールに決めてみせる斎藤さんと、ファンキーなグルーヴを軽やかに、しかし盤石のプレイで下支えする須藤さん、お互いの持ち味を存分に味わうことができる至福の時間…!
ここで斎藤さんは再びハンドマイクに持ち替え、桜色の照明が灯るステージ前面まで出てきて、堂々たる歌唱を披露し始めるのは「うらら」…!
時には、キーボードの方にちょこちょこと足を伸ばして忍び寄りながら歌に興じる斎藤さんはとてもかわいらしいですが、ギターを持っていなくても「音」が溢れるセッションに参加するべく、アウトロではドラムの方と向き合いながら、「だっ!だっ!だっ!」と口から飛び出すパーカッションでセッションに参加…!
強烈な破裂音が抑揚の効いたビートに更なるカタルシスをもたらす…このライブ一番の高揚の瞬間…!!!
斎藤さん
「ありがとうございました!最後の曲です!」
イントロとともに晴れやかな挨拶を終えると最後は軽やかにしっとりと「スプレー」を披露。
深夜の瑞々しい石狩の空気に吸い込まれる、時に甘く、時にリズミカルに、時に狂おしいほどのロックンロールのグルーヴに魅了された50分。
1番絶好調な時間帯の斎藤さんのボーカルワークと、グルーヴを牽引し続ける須藤さんの軽やかなベースライン…この夜に、この音楽と共に溶け合ってしまいたい…。
禁断至福の音楽スイーツ、ご馳走様でした…!
セットリスト
リハーサル
1.LIFE IS MUSIC!!!!!
本番
1.シトラス
2.Stay Mellow
3.アカシ
4.Light & Shadow
5.まばたきの途中(途中まで?)
6.ホロウ
7.Answer5
8.No More
9.月と蝶
10.あれ
11.うらら
12.スプレー
⑧ Cody・Lee(李)(26:10~)
音楽のおかげでアドレナリンは無限に溢れていることは分かるものの、いよいよ自分が本当に元気なのか、げっそり疲れているのかよく分からなくなってきた深夜2時近く。
それでも軽いと思い込んでいる足取りでdef garageへ向かうと既にリハーサルが始まっていて、私の今年度を代表するフェイバリットアルバム「最後の初恋」からどんどんと曲を披露してくれるではありませんか!!
出会いこそたまたまYouTubeで聞いた曲ですが、今年のアルバムをきっかけにいよいよライブを見たくなったこのバンド。
10月のツアー前にまずはこの30分間、どんなものかとワクワクしながら待ち構えます。
SEとして「NOT WAR,MORE SEIKATSU」が流れ始めると、観客の手拍子とともに、こちらに満面の笑みを浮かべ気合い十分の原さん(Dr.)を先頭に、メンバーがオンステージ。
深く客席に向かってお辞儀する、力毅さん(Gt.)とニシマさん(Ba.)、軽く片手を上げて登場する高橋さん(Vo&Gt.)、そしてサポートメンバーの2人の計6人がステージに揃い、淡々と「異星人と熱帯夜」をプレイし始めますが、音が鳴り響けば深夜の石狩は、静かなのにどこか楽しげな歓楽街に様変わり…!
飾り気のない高橋さんの歌声も相まって、異国情緒すら溢れる音世界なのに、ふらっと立ち寄って楽しんでも大丈夫そうな雰囲気に満ちています…初対面なのに居心地よし。
曲終わりに力毅さんによる激しいギターピッキングが始まり、ここから何が聞けるかって…まさか30分尺のライブで聞けると思っていなかった、歓楽街で悪酔いしたのかと勘違いされてもおかしくないほどの昭和を感じさせるシンセサイザーとギターリフは間違いなく「ストロベリーエンジェル ~Don’t Say Goodbye~」…!
間奏では弦楽器隊3人がステージ上手の前面に揃って、朴訥とした表情でドライブするようなギターソロを披露すると、すっかり音楽を聞きすぎて悪酔いしているに違いない多方面のエゾロッカーから歓声が飛び交います…!
それでも平和で、それでもとってもロックな空間…全く嫌いじゃない!!
個人的なハイライトはこの後、さらに盛り上げにかかると見せかけて、ここで音楽と心中でもするのかという勢いでカオスを産み出す「烏托邦」という本当に攻めた選曲…!
この数日散々音楽を浴びたことによる音楽酔いは覚めるどころか、更に身体中に廻り、巡る音楽。
一心に各々のプレイを静かに爆発させる6人の演奏と音に圧倒されていると、ニシマさんによるベースソロから間髪入れずに「DANCE扁桃体」とくれば、散々身体中に入り込んだ音楽を糧に踊り出すしか道は残されていません。
あまりにも振れ幅が大きすぎるのに、次々と流れ込む音楽への愛が止まらない中、更なる歓声を持って「我愛你」が迎え入れられます…!!
淡々としていた高橋さんのギタープレイとボーカルでしたが、最後のサビ前にはとうとう「石狩ー!」と叫びだし、アウトロではギター後ろ向きで頭に抱えギターソロを披露する縦横無尽ぶりで、お客さんと共に沸きに沸いたこの時間。
30分とは思えない振り幅の音楽を浴びきった果てに、最後はパンクロックバンドが激しく暴れ出す「When I was cityboy」!!
高橋さん
「深夜2時にここに集まってるあなたたちは、浮かれてると思います!
そんな浮かれたあなたたちと、またここで会えることを願ってます!
ありがとうございました!!」
深夜2時のdef garageに集いし「浮かれたあなたたち」に捧ぐ、混沌と踊りに満ちた音楽存分に聞かせてくれたこのバンド…やはり最高に好き!!
続きの10月のツアー、存分に期待してます!!
このライブの様子は、公式にダイジェストが上がっていたので、これが1番雰囲気が伝わるはず!↓
セットリスト
リハーサル
1.悶々
2.涙を隠して(Boys Don't Cry)
3.真夏のジャイガンティック
本番
1.異星人と熱帯夜
2.ストロベリーエンジェル ~Don’t Say Goodbye~
3.烏托邦
4.DANCE扁桃体
5.我愛你
6.When I was cityboy
⑨ クリープハイプ(28:00~)
コーディーリーのライブ終盤から少し雨がパラつき始めて、終わりと共に一瞬本格的に降り出したためテントに避難しつつ、止んだのは午前3時頃。
今年の日の出を見届けるため、ゆっくりと歩いてSUN STAGEに向かい、ふと空を見上げると、どことなく雲の輪郭が見え始めていました。
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雨も降っていたため、空には分厚い雲がかかっていると思われましたが、今年はどんな朝の景色が見られるのか。
4人揃ってのリハーサルが始まったのは定刻の約30分前。
ほとんど照明の当たらない真っ暗なステージ上で何曲か演奏しながら、淡々と真剣に音を合わせる4人。
尾崎さん(Vo&Gt.)
「よろしくお願いします。」
一言だけ客席に言葉をかけて去っていく尾崎さんに、この時間を待ち焦がれていたスタンディングエリアから歓声と拍手が…!
午前4時、これで聞き納めとなる共通SEがすっかり名残惜しくなる中、ゆっくりと火が灯るようにステージに照明が当たると、静かに登場する4人。
いよいよ最後のライブの幕開けです。
尾崎さん
「特別な夜も…もう終わりですが、ギリギリ滑り込みで間に合ったんで……危険な夜遊びをしましょう。」
冷静に真顔で、音楽で「キケンナアソビ」をしかけ始める悪いバンドマンだこと…!
何だか怪しいグルーヴが身体にまとわりついて、「せっかくの大トリだから「キケンビ」でも遊んであげる」という尾崎さんの言葉にますます歓声が上がり、とてもたくさんのお客さんがいるステージとは思えないくらいの濃密な関係を築き上げていきます…!
小泉さん(Dr.)による力強くもゆったりとしたリズムを奏でるドラムが始まると、口を開くのはカオナシさん(Ba.)。
カオナシさん
「目に見えない言葉の刃が突き刺さる時代ではありますが、この場では音楽が突き刺さるように精一杯演奏します。」
誠実な言葉から、目に見えない音楽の力を信じて鳴らされる「火まつり」は、カオナシさんの気合いの入った冷静なボーカルワークももちろんですが、尾崎さんによる超高音のコーラスもいつも以上の勢いで耳に飛び込んできます。
そんな気合いさながらに、バチバチの照明演出で白と黒が反転し続けるステージ上で、血気迫る言葉の応酬と切れ味鋭いギターリフの応酬を仕掛けるのは「身も蓋もない水槽」…!
一切の「怒り」をひた隠しにしない尾崎さんのボーカルに、やり切れない思いを抱えて眠れなくなった深夜のことを何度も思い出して沸々とし続ける演奏…!
尾崎さん
「ばーか!!!!」
こめられた怒りはいつまで経ってもそのままに、スポットライトが当たる中、ジャキジャキのギターストロークを奏で続けて、行き着いた先に大歓声で迎えられたギターイントロは「社会の窓」…!
うわあ!本当に何年振りだ…!!?
2番のBメロ終わり、先ほど同様登場する「ばか」。
原曲では静かに、この日は先ほど同様鋭く言い放った尾崎さんに呼応するように、「こんな日々」でも、生きていれば愛しいと思える瞬間があるからこそ自分の日々が続いていくことを信じて、この瞬間ばかりは私の中にあるやり切れない気持ちを全て吐き出させてもらいました…!
社会の窓の中で事務
昼は退屈過ぎて 最低です
社会の窓の中でイク
夜は窮屈過ぎて 最高です
最後にお客さんに預ける「最高です」のフレーズは、2015年のライジングで聞いていた時以上に、このステージに響き渡りました。
あの時のステージが悔しかったことは、ライジングに出るたびに本人が語っているところですが、9年を経てバンドがたどり着いたこの景色…本当に最高です…!
小川さん(Gt.)による鋭く遊ぶギターフレーズが鳴らされ始めると、なんと続けざまに「社会の窓と同じ構成」まで聞けてしまうサプライズ!
前の曲と「なんか似てる…?」…そんなことはお構いなし!
このソリッドな音作りが、メロディが、ボーカルがただただかっこいいロックバンド…!
苦しかったつらい夜は一旦ポケットにしまって、ただただかっこよくて大好きなロックバンドの音に心躍っていました…!
尾崎さん
「残ってくれてありがとう。
最高の景色ですね。」
この瞬間に限らず、MC中には普段ポーカーフェイスな尾崎さんから何度も笑みが溢れていたことから、バンドにとっても本当にいい時間になっていることを再認識させられます。
尾崎さん
「朝帰りは1人か2人でするものだったから、数万人とできるのが楽しくて。
朝帰りと言えばこの曲を。」
やっぱりやっちゃいますか…!
カオナシさんのベースラインで全てを悟る「HE IS MINE」。
お子さんもいる会場ですが…今の時間だけは眠っててくれるといいな…。
そんなことをうっすら思いつつ、深夜3時すぎのSUN STAGEに轟いた「SEXしよう」の咆哮は、先ほどの「社会の窓」の比ではありませんでした。
恥ずかしさも欲も全て曝け出しきって、見事な朝帰りを達成。
いよいよ、空が明るくなってきました。
尾崎さん
「夏の歌を。」
カラッとポップに、全てを夏のせいにする「ラブホテル」ですが、最後のサビの前で演奏を中断し、尾崎さんのMCに突入するのはいつものこと笑
尾崎さん
「今日は飛行機が4時間も遅れて。
せめて、ハサミのせいじゃなくて、夏のせいにしたいので力を貸してもらえますか?
それにしても4時間は長すぎか笑
せめて2時間くらいになったらな笑」
今日ここまでの全てのトラブルも心配も、全てを「夏のせい」にするため振り切るような最後のサビで、思いっ切り手を挙げさせていただきました…!
橙色の照明が映える「オレンジ」が鳴り響く頃には、朝の輪郭がだいぶくっきりしてきましたが、予想通りの曇天模様。
それでもこの曲が描く微かな希望みたいな色の輪郭は、ハッキリと私の心を灯してくれます。
ここで尾崎さんはギターを下ろしハンドマイクに。
「朝が夜に変わる瞬間を見たかった。」という尾崎さん。
思わず止めた最低の場面
出会った夜に言った台詞は
ブラは外すけどアレは付けるから全部預けて 空は飛べないけどアレは飛べる
愛とヘイトバイト 明日もう休もう
二人で一緒にいたい
ふらふらとステージ上を歩き、時折り空を見上げながらアカペラで、一言一言噛み締めるように言葉を紡ぐところから始まったのは、このシチュエーションで絶対に聞きたかった「ナイトオンザプラネット」。
夜と朝が、何の隔たりもなく地続きで切り替わっていきます。
その事実だけで見ると特別な感情はないはずなのに、確かな夜明けを感じる静かで美しいメロディと言葉に、どこまでも身体に染み込むような朝の匂いがするこの場面は、いつまでも忘れないことだけははっきりしていました。
小泉さんの軽快なドラミングから始まり、カオナシさんのベースが合流、そこからテケテケテケテケとしたギターが行進すれば始まるのは「イト」で、イントロと共に満面の笑みで上手袖へ前進してくる小川さんがとても可愛らしかったのが印象的!
身動き取らなければこのまま人形だ
踏み外しても転がる意思
多幸感溢れるメロディと演奏は、続く「栞」も同様。
「ちょっといたい ずっといたい
もっといたいのにな」
ここ数年のクリープハイプにおける定番のフェスアンセムの2曲ですが、あまりにも終わってほしくないけどしっかり終わってしまうフェスを思って心底寂しくなると同時に、栞を挟んだところから、また人生の続きが始まるんだと思うと、少しうんざりする気持ちもあるけど、こういう大好きな音楽が身近にあるなら、また次の一歩に踏み出してみてもいいかもしれない…くらいには思えていたところで語られたのが、次の尾崎さんのMCでした。
尾崎さん
「高校時代、音楽雑誌で見たのがこのフェスで、音楽やってると奇跡みたいな瞬間があるのかなと思ってバンド組んだんだけど、全然うまくいかなくて、そんなものはなかったし、今でもそう思ってる。
でも、続けてるとたまにいいことがあるから辞められなくて。
だからこれからも、地続きの日々の中で生活して、ちょっとでもポケットに残ってるような音を鳴らし続けていけるようなバンドでありたいと思ってます。
本当にありがとう。」
これからも続く生活で、前に進むために、常にポケットに入っていて、何も言わずとも見守ってくれているような優しい音楽。
不思議と私が抱いていた想いと重なるような尾崎さんのMCから、「最後の曲」と言って演奏し始める曲はすぐに察しがついて、なんてことのない人生がまた始まるだけなのに、不思議と涙が止まらなくなりました。
あーなんかもう恥ずかしい位
いける様な気がしてる
ずっと誰にも言わなかったけど
今なら言える
歩く速度よりも落ち着いたテンポでじんわりと広がっていく音は、どこまでも分厚い雲のかかった空に、じんわりと溶けていくように広がっていきました。
演奏後、「一つ言い忘れてた」と言って、今年中に15曲入りのニューアルバムを発売することを宣言して静かに去って行った尾崎さん。
こういうこともまた、音楽バカである私が明日以降の日々を踏み出す理由の1つになるのです。
大トリの舞台でも音楽で危険な夜遊びを仕掛けてきた悪いバンドマンは、曇天の空模様を晴らす訳ではなく、これから続く地続きの生活に寄り添ってくれるような、信頼できる音を存分に奏でてくれました。
クリープハイプにしかできない、狂おしいほど、愛おしいほど続く日常に繋がるライブ。
この余韻と音楽は、いつまで経っても私のポケットに残ったままです。
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セットリスト
リハーサル
1.愛の標識
2.大丈夫
3.手と手
本番
1.キケンナアソビ
2.火まつり
3.身も蓋もない水槽
4.社会の窓
5.社会の窓と同じ構成
6.HE IS MINE
7.ラブホテル
8.オレンジ
9.ナイトオンザプラネット
10.イト
11.栞
12.二十九、三十
ライジングサンの感想文は以上です。
今年は日の出とともに年も重ねた(厳密に生まれた時間を考慮すると数時間先でしたが)ため、「初」日の出の実感がより強い年になりました。
果たしていつまでこうしてフェスで音楽を楽しめる人生なのかは分かりませんが、仮に行けなくなる年があったとしても、行ける限りは、行ける年は参加していきたいですし、一生ライジングサンします宣言は揺るぐことはありません。
おまけ
以下はおまけ。
感想をまとめる中で使わなかった当日の写真です(主に会場で食べた物。)。
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昨年も一食目に食べて忘れられなかったので、今年もこの甘辛いタレとお肉とご飯の力を借りて2日間のスタートダッシュを切りました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/152169189/picture_pc_f3ef8b7470e3f6b703ee448f17b2e8bd.jpg?width=1200)
この後2日目にまた10回回すのですが、今回はタイテの都合で見たくても見られなかったバンドばかり出てきて、タイテの変更を無意識に促されている気持ちになりました笑
クリープハイプだけダブってしまったので、そのうち好きなフォロワーさんにお会いできる機会があれば進呈します笑
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涼しくなってきた気持ち良い気候の中、複雑な気持ちを抱えて挑んだライブは…感想文②を参照してください。
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とにかく野菜が美味しい出店で、ここも例年必ず足を運びます。
とうもろこし、初めて食べましたが、これ生なんです、茹でてない。
でも噛んだ瞬間甘みがじゅわっ…!至福…!
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これは「スイカエール」。
一瞬お酒であることを忘れてしまう甘さですが、飲んで30分くらいはちょっとふらついたので間違いなくお酒笑
これを飲みながらベンチでのんびり座ってみた花火、綺麗だったなあ…。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/152170625/picture_pc_b7b91fd99836365d1b487b97615dfac0.jpg?width=1200)
この後XIIXで石狩の大地と溶け合いました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/152170738/picture_pc_c1e829d6359f9cb844f33c81499b8a97.jpg?width=1200)
この後、深夜に浮かれ切った音楽狂いの巣窟に。
というわけで、本当の本当に以上です。
最後まで読んでいただいたそこのあなた、本当にありがとうございました。
そして、あけましておめでとうございます、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
初日〜2日目中盤戦までの感想文はこちら↓