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【ライブ回顧録】RISING SUN ROCK FESTIVAL 2017 in EZO


 こんばんは。シリアスファイターです。


 全く懲りることなく、今回もライジングサンの思い出の続きです。


 この日も昨年と同じく2日間参加でしたが、とうとう初めてテントを張って会場泊することとなったこの年。
 初日は曇りでとても過ごしやすい気候。




 会場時間とともに、昔歴史の教科書で見た参勤交代の果てしなく長い行列を彷彿とさせるような入場列をくぐり抜け、入場。



 入場と共に、まずはテントサイトの受付をして、自身のテントを張る位置を決めるのだが、まずこれで1時間以上費やした。



 この時のライジングのテントサイトは、事前のチケット購入の時点で大まかな区画は決まっているものの、具体的な位置についてはその場で選ぶ仕組みだった。


 1つの区画につき、受付の窓口が1つ(2つだったかな?)しかないことや、その場で「うーん、どうしようー?」と考えて決めることになるため、とにかく時間がかかる、ということを全く理解していなかったため、この位置決めで既にちょっと疲れ気味。



 今でこそ、テントサイトの位置や区画は事前にアプリによる抽選が行われ、会場に着いたら割り当てられた位置に行くだけ、というシステムになったのは本当にありがたい。技術の進歩と運営様の努力による大改善に拍手喝采。



 そんなこんなで死に物狂いで決めた位置にテントを張る。
 比較的組み立てが簡単そうかつ、丈夫そうな物をこの日のために購入。
 しばらくは、このテントが相棒になる…かもしれない(実際なっている。)。
 未知のポールや未知のシートに戸惑いで未知未知していたけど、いざ理解すると組み立て自体は簡単。
 1時間もかからず終えられた。



 時刻は既に13時を廻っていた。
 ライブスタートは15時から。
 すっかり疲れた分、お腹の虫も我慢の限界ということでお昼ご飯。



 ラーメンを頬張りつつ、その後アイスも食べちゃう欲張り振りで身体に栄養?補給。



 この年の一発目はSUN STAGEにて10-FEET。
 最初の1曲を終えて、後は本人の宣言でアンコールとなる、この頃のフェスでは既にお馴染みとなっていた流れに笑いつつ、この後登場するB’zへのリスペクトを込めて「Easy come Easy go」のイントロを演奏するも、「難しい!」とすぐさま撃沈笑。





 後は、次から次へと曲を畳みかけるいつも通りの10-FEET。
 B’zを見るために待機していたであろう人も大いに巻き込んで、会場のエンジンをフル回転させるようなステージだった。



 そしてこの年の目玉アクトの1つであった初出場のB’z。
 私も好きだったので一目見たいと思いつつも、この後別ステージに登場するストレイテナーのことを考えると、数曲聞いてサッと移動したかったので、レジャーサイトの後方で見ることにした。


 スタンディングゾーンはビックリするほどの人だかり。
 さらにステージには、ビックリするほどに積み上げられたたくさんのスピーカー。



 定刻時間になると、ステージ左右のスクリーンに映し出される「B’z」の文字、次々と登場するバンドメンバー。


 登場時、スクリーンにはまだメンバーの姿が映っていなかったため、私の肉眼では松本さんと稲葉さんがステージにいるのか確認できなかったけど、1曲目、「さまよえる蒼い弾丸」が始まり、圧倒的にクリアなのにドカンドカンと大爆発を起こすような音圧のバンドサウンドに興奮し、イントロ明けの第一声を聞いた瞬間、どう考えてもそこにあの2人がいることを確信し、興奮はうなぎ登り。



 ちょっ…かっこよすぎる…!凄い…!



 その後、続けざまに大好きな「Liar Liar」を叩き込まれ、もうすっかりノックアウト。
 瞬時に気持ちを切り替えて、このステージを最後まで見届けようと固く心に誓った。




 ライブが行われた1時間、ド派手な音圧のバンドサウンドと、緻密なのにクリアで心地よい松本さんのギターと、異常な力強さで石狩の大地に轟く稲葉さんの歌声が、ずーーーーーっと気持ちよすぎた。



 ステージには前述のとおり、ド派手なスピーカーこそあったものの、それを除けば本当に、その音楽だけで、総制作費○億円の超大作アクション映画をその場で撮影しているかのような豪快さと贅沢さ。




 終盤にはあまりに好きすぎるゆえに全身で刻みつけた「ギリギリchop」に鳥肌を立て、あまりにもベタすぎるけど「Ultra soul」で「Hey!」と飛ぶことができたのはあまりに楽しすぎた。



 あまりの満足度にここで帰ってもおかしくなかったけど、興奮して足取りは自然と速くなっていた。
 無論にB’zによる興奮に後押しされた部分も大きかったけど、遠くのRED STAR FIELDから既にライブが始まっているストレイテナーの「Melodic Storm」が聞こえてきたので、尚のこと足取りは速くなっていた。
 急げ私!!



 すっかり夕暮れ時で暗くなり始めていた会場に響く「From Noon Till Dawn」は、これから迎え入れる夜明けに向けた興奮を高めるものであるとともに、この日一番のハイライトは「クラッシュ」



 まさか聞けると思っていなかったサプライズ的な嬉しさもあったけど、この時間に響くには説得力がありすぎる、美しいアンサンブルだった。



 よくよく考えたらこの曲も夜明けを迎え入れる曲だったけど、その時はそれは深く考えず、とにかく夕闇から漏れ出すような光の粒みたいな音楽が、残酷なほど綺麗で仕方なかった。


 そんなストレイテナーの余韻をふんわりと抱きしめながら晩ご飯を食べ、EARTH TENTでTHE ORAL CIGALLETS。
 元々客観的に分かりやすくという意味ではしゃいでライブを見るタイプではないけれども、テントには客観的に見てもまだまだ元気なお客さんが集結していて、エリア後方の方まで大きなサークルができるので、危うく巻き込まれそうになるほど、「狂乱 Hey Kids!!」たちの狂騒の宴だった。




 オーラルはその昔、山梨県のフェスの一番小さいステージでライブを見た時から、フェスでは何かとライブを見る機会が多いバンドだけど、着実に力を付けて、ライブを見る度に力強さと軽快さを増しているのが如実に伝わってくる。



 実際、この後にはJOIN ALIVEで大トリを務めたり、SUN STAGEでライブするようになるのだから、そのポテンシャルは計り知れない。
 おそるべしオーラル。
 そして、元気いっぱいのエゾロッカー。




 この日のラストは、そのままEARTH TENTでNothing’s Carved In Stoneで〆。



 鋭く激しいロックンロールが、このテントによく似合いすぎている。
 フェスの現場であっても、ロックバンドやライブハウスが好きだなあという自分の原点にある気持ちを思い出せてくれるステージ。



 この日はステージのトリ(厳密にはこの後、2日通し券を持つ人だけが観覧を許される打首獄門同好会のステージが残っていたけれど。) 
 ということで、アンコールとして1曲、「Diachronic」も披露。
 バシッと締まる思いで初日を終えた。



 この時の私は、打首さんのことはよく知らなかったので、そのまま初日を終えると、近くの水場で歯磨き等を済ませた後、テントの中でボディシートで身体をサッと拭き、さっさと就寝。


 翌朝早くにお風呂に入りに行くというミッションも控える中、翌日はなんと終日大大雨予報…果たして…!?




 目覚めると正確無比だった天気予報通りの大雨。
 正直私が参加する日のフェスの雨率は結構高い(50%は絶対超えている)ので、無論レインスーツをばっちり準備してきたものの、ライジングサンの会場は砂の大地。
 大いに道がぬかるみ、足を取られることが予想される環境下でのオールナイトのフェスは、相当過酷になることが私の頭の中で予測された。




 不安を抱えつつも、とりあえずお風呂へ。
 昨日はボディシートで軽く身体を拭くことしかできなかったが、しっかり身体を洗った上で浸かる暖かいお湯は恐ろしいほど、染みる。



 私にとって、日頃の生活だとお風呂は、「入らなきゃいけないけど、限りなくめんどくさい行為」に部類されるのだが、思う存分疲れ切って汚れきった今なら、むしろ積極的に入りたいと思った。
 そのくらいさっぱりした。




 会場に戻ると無論雨は止まず、お昼ご飯の入ったプラ容器にはたくさんの雨水が入ってくる状況にあったものの、この日の一発目は屋根のあるEARTH TENT。
 一端入ってしまえばこれといって気にすることもない。



 初めて見るフレデリック。
 1発目から「オンリーワンダー」で大いに踊らせつつ、「ライジングサンには色んな音楽好きのお客さんが集まってるから。」と、お客さんを信頼して中盤でディープに音に浸る選曲もしっかり聞かせてくれる、今と変わらないフェスでの闘い方を見せるステージだったが、それでもラストの「オドループ」が始まった瞬間のフロアの沸騰ぶりは尋常ではなかった。


 まだまだ「オドループ」がとにかく強すぎるという印象を抱くライブだったけど、後にも先にもそういう印象のライブは良い意味でこれっきりだった。
 前日のオーラルじゃないけど、こうして良いライブを積み重ねる中で、良い曲がどんどん増えてキャパシティも大きくなっていく、丁度その途上にあるライブだった。




 この後、雨の会場を大股で横断し、コロナ禍以降のライジングでは見ていない、RAINBOW-SHANGLIRAステージ。



 EARTH TENTよりも小ぶりだけど、こちらも屋根のあるステージなので雨の日でも安心安全。
 ここで見るのはフジファブリック。
 リハから「夜明けのビート」でテンションMAX。
 この日のサポートドラムは大好きなBOBOさん。
 力強いグルーヴでグイグイと引っ張ってくれる。


 外は雨かつもちろん曇りで、時間はまだ14時過ぎではあったものの、「若者のすべて」をやっている間はまるで夕暮れのような景色が見えたし、このまま晴れてくれと言わんばかりのエネルギーが爆発していた「虹」に私も爆発した。



 とはいえ、ミドルテンポの曲が異常に染みたことや、この後、会場を歩く度に想像以上のぬかるみへのはまり具合もあり、のほほんとしつつ、トホホとした疲れが想像以上に来ていた。



 SUN STAGEのWANIMAをがっつり見たい気持ちもあったが、遠くから何となく聞きつつテントで休憩し、この後のEARTH TENT、初登場のSUPER BEAVERに備える。



 渋谷さんはリハからお客さんに話しかけ、「会場でテントで泊まってるの?寒くないの?」なんて楽しそうにコミュニケーションを取って、ライブ前にも関わらずお客さんとの距離はどんどん縮まっていく。
 知ったのは「愛する」というアルバムだけど、その次に出た「27」というアルバムが私の生涯に死ぬまで影響して響き続けるアルバムだったからこそ、ようやくライブを見れるこの機会を本当に楽しみにしていた。





 肝心のライブは細部まで思い出せるわけではないが、大好きすぎる「人として」「秘密」をようやく聞けて感極まり過ぎていたことはよく覚えてるし、特に後者では現在のビーバーのライブでもよく見られるコーラス部のコールアンドレスポンスをこれでもかと拳を突き上げて、ここで声を枯らしてきってやるくらいの勢いで歌ったことを覚えてる。


 ステージが進むに連れ、お客さんが溢れかえるテント。
 この数年後にはメインステージをパンパンにしてしまうほどのバンドになるけど、当時から目の前のあなたであり、私に向けて鳴らされる音の説得力は絶大で、それをようやく肌で実感することができた。



 大満足でビーバーのライブを終え、そのまま雨の会場内を蹂躙してdef garageでeastern youth。
 これが…屋根のあるステージなのに雷に打たれたような衝撃…。



 雨の湿気、乾いた熱気、全ての要素が手を取り合いながら喧嘩している(なんじゃそりゃ)ような状態で鳴らされる轟音のパンクロックは、屋根があるステージなのに何度も雨風に曝され、雷に打たれたような感覚に陥るとてつもないものだった。


 この日の「砂塵の彼方へ」のイントロの凄絶さは本当に忘れられない。
 もう何度もライブを見ているはずのeastern youthでここまで食らってしまったのは本当に初めてだった。



 よほど食らってしまったからなのか、この後文字通り晩ご飯を食らってホッとしてしまったからなのかは分からないけど、なんと私はこのまま仮眠タイム。
 本当は21時から[Alexandros]を見ようと息巻いていたけど、テントサイトの位置からも微かに音漏れが聞こえたこともあり、一端夜に備えて寝ることに。




 かくして少しの仮眠で大分スッキリした夜の部は、TK from 凛として時雨のライジングサン初出演ステージから。
 この日はBOOM BOOM SATELLITESの中野さんとのPANDASというユニットでの演奏との合同ライブ?で、まずは2人の演奏。
 どういった形で繰り広げられるライブになるか謎が謎を呼ぶ状態だった中で、目の前に置かれた機械を操作しながら、デジタルかつ浮遊感のある音楽を鳴らし続ける2人はさながら科学者のような風貌。



 「実験的な」という言葉が似合う音楽空間を数分間創造し続け、「PANDASでした。」とTKさんが一言残して退場。
 数分間、真っ暗なステージを見つめながらTKさんの再登場を待ちます。



 まもなくバンドメンバーとともに再登場すると、ここからはTK from 凛として時雨のターン。
 すっかり夜も深まり、深い蒼がゆったりと広がるような曲から、キラキラギラギラの煌びやかな曲、真っ赤な命が飛び交うような曲まで、TKさんの楽曲により想像のイメージが深まるような時間。
 今ならこの音楽に乗ってどこまでも旅行できそうな、そんな美しくも激しい音楽体験だった。



 ライブが終わるとそのまま、泥濘んだ真っ暗な会場を歩いて、少しなら見れるかもと思ったマキシマム ザ ホルモンのステージに遅れて合流。
 この雨でももの凄い人。
 この日は数曲しか聞けなかったけど、遠くからでもガッツリお腹いっぱいになれるグルーヴにすっかり満足して脱力…。


 なんで…かというと、正直もう眠かった。
 というかもう満足感が凄すぎたことや、寝床があることが分かっていたことも手伝って、もう…寝たかった。



 と言いつつ、大トリのくるりは聞きたいな…それまでには起きるか…と思ってテントに戻り就寝…。


 …目覚めると、外は明るかった。


 あ、寝過ぎたなこれ。



 時計を見ると、既にくるりのライブは中盤戦。
 まさしくこの朝のシチュエーションで聞きたかった「Morning Paper」がテントの中から聞こえた。
 音漏れとはいえ中々ガッツリ聞こえてきたので、すっかり楽しくなっていたものの、相変わらず降り続いている雨に辟易としていたため、もう外に出る気力は残っていなかった。
 このまま、テントの中から楽しもう。




 こうして最後の最後の「ロックンロール」まで、漏れ聞こえてくる音と共に楽しんで今年の全アクトが終了。
 雨で体力を削られたけど、やっぱり良いライジングサンだったなあ…という幸せな余韻と共に、昼の12時までに撤収すれば大丈夫と知っていたのでもう少しだけ眠りについた。




 こうして8時すぎに起きると、雨は止んでいた…撤収のチャンス!




 今年は寝ていた時間が長かったのですっかり元気な状態でテントを片付け、自分の家への配送手続を終え、無事帰路についたのであった。


 初めてのテント泊での参加ということだったけど、雨が降った時の逃げ場がある安心感は計り知れなかったし、多分これがなかったらもっと早い段階でギブアップして、楽しめるライブはもっと少なかったと思う。



 予定よりも見逃したライブは多く、苦い思いもあったものの、総じて次の年の参加形態をまた検討する上で視野が広がった経験になったし、何より「このシチュエーションだからこそ」というライブの場面をたくさん見られたことが本当にかけがえのない宝物になった。
 これだから、ライジングは止められないのだ。




 今回は以上です。
 ライジングの回顧録は次で最終回です(まだ書くんかい。書くんやで。わいは。)。


 最後まで読んでいただいたそこのあなた、本当にありがとうございました。

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