【ライブ感想文③】JOIN ALIVE2024@岩見沢 2024.7.13(土)
こんばんは。シリアスファイターです。
今回は、北海道で毎年恒例の夏フェスの1つ、JOIN ALIVE(1日目)のライブ感想文③です。
いよいよ初日も最終盤。
サーカス小屋とメインステージでトリを務めた2組について書きました。
それでは早速。
⑥ GLIM SPANKY(19:10~)
今回のタイムテーブルが発表になった時、その出番順に一番興奮したのがグリム。
初めてジョインで見た時も、このサーカス小屋でライブをしていた2人。
このステージが自分たちに似合っていることを自覚しすぎた渋いロックンロールとブルースを響かせていたので、当然今回もサーカスだと思っていましたが、何と言ってもトリ…!
リハからがっつり、「褒めろよ」→「The GoldMine」→「こんな夜更けは」(ちょっとだけ)と、バンドサウンドだけでなく、同期やアコースティックの音色も隈なくチェックし、ここ数年で生み出された多様な楽曲の披露が期待されます…!
昼間の暑さの影響でドーパンまで蒸し風呂状態だったフロアも、陽が落ちたことで涼しさと落ち着きを取り戻し始めている中、いよいよ19時10分。
「Intro: Walking On Fire」がかかると、満場のクラップとともにメンバーがオンステージ。
レミさん(Vo&Gt.)の第一手はハンドマイクの様相…!
レミさん
「こんばんは!GLIM SPANKYです!!」
一曲目はこの曲に生で痺れる瞬間を渇望した「Fighter」で、亀本さん(Gt.)のギターは想像を軽々と超えるザラついた太い音色で痺れさせてくれます…!
んーーーーー!
もっとやってください!!
いつもの如く、特段お客さんを煽るでもなく、特別な演出が入るでもなく、ただただロックンロールとブルースの力でファイティングポーズを取り続けるストロングスタイルのライブですが、そんな音楽の力を信じているオーディエンスが集ったサーカス小屋には、それさえあれば十分とばかりのクラップや歓声にら溢れます…!
レミさん
「ジョインアラーイブ!!」
イントロが爆発する瞬間のレミさんのシャウトも、前曲から続く亀本さんのギターリフの凶暴さも、6年前に全く同じステージで聞いた時の比ではないくらいにアップデートされた「怒りをくれよ」は、怒りの原点を残しつつも、圧倒的に目の前のお客さんに届く力が増しています…!
レミさん
「6年振りの出演で、その時と同じベルベットサーカスに、しかもトリで出させてもらって嬉しいです!
私たちの曲で、「MIDNIGHT CIRCUS」って曲と、「Velvet Theater」って曲があって、(このステージと)間違えそうになるんだけど、今日はスムーズに言えました笑」
6年前からの変化は、レミさんから攻撃的な姿勢とともに、柔らかい雰囲気も見られるようになったこと。
そんな空気を纏った「美しい棘」は、傷つきながら進み続ける決意はそのままに、そんな決意を込めた姿に優しく寄り添うようなグルーヴが心地良く響きます。
レミさん
「ちょうどいい気温になってよかったですね!
今日、さっきのボウディーズでゲスト出演したんだけど、一曲歌っただけで息上がっちゃって。
大丈夫かな!?って思ってたんだけど、これくらいの気温なら…皆さん楽しめますね…!?」
心地良い初夏の夜の風がサーカス小屋に吹き抜ける中、「こんな夜更けは」ではイントロから自然と優しい手拍子が起こり、リラックスした空気に包まれます。
レミさん
「私たちは生まれが長野県で海に憧れがあって、その夏の景色を歌った曲です。」
穏やかなモードそのままに「ラストシーン」を歌い始めると、ステージ頭上のミラーボールが一面に広がる海の光景を想起させるようにキラキラと輝き始めます。
爽やか…!
レミさん
「ジョインアライブ…一緒に踊りましょう…!」
「Glitter Illusion」の静かに突き刺すようなグルーヴから、また少しずつ熱を帯びていくフロア。
亀本さん
「今日はこの後イエモンもありますもんね?
見ますか?
あ、僕たちのライブはは最後まで見てってくださいね!?
これで帰るのかな?どっちでもいっか!」
緊張の糸が解ける亀本さんの緩いMCですが笑、このステージにいるお客さんを捉えて離さないのは、この人懐っこさと、そのギタープレイの鋭さゆえ。
不穏な空気を運ぶようなゴメスさんのピアノが響き渡る会場。
何が起こるのか…不安と焦燥を駆り立てられる中、ピアノのフェードアウトとともに亀本さんの不穏なギターが産声を上げ始めます。
少しずつ重なり、音圧を上げるバンドサウンド。
メンバー全員が中央に集まった瞬間、ドラムのスティックカウント4発から、亀本さんのギターが空間をビリビリに引き裂いた「愚か者たち」…!
あまりにもダーティで、クールなのに暑すぎる…!
このサーカス小屋特有の怪しい雰囲気も相まって1000億点!!
心の音楽額縁に一生飾っておきたい歴史的名演!!!
レミさん
「私たち、今年でデビュー10周年なんですけど、結成はもっと前で、学生の時に、自分でこのバンド名を付けてずっとやっています。
その時に作って、ずっとやっている曲をやります。
きっと、今日ここにいる音楽好きのみんなに寄り添ってくれると信じて、今日も歌います。
「大人になったら」という曲です。」
スポットライトに照らされる中、歌い始めるレミさんの歌声や表情は、6年前に同じ会場で見た時より柔らかくなりましたが、その瞳の奥にある輝きや闘志が失われることはありません。
それは、何度ライブで聞いてもその都度、私の中の大好きなものを貫くための信念に深く届く、ギラついた演奏と歌唱であることが、本能レベルで伝わってくるから。
アウトロで、後ろに反り返って恍惚の表情を浮かべる亀本さんの、渾身のギターソロが忘れられません。
この日も私に寄り添い続けてくれた、優しくてギラギラしたロックンロール。
最後は「ワイルド・サイドを行け」で大団円…!
このハングリー精神はいつまでも変わらないから、安心して着いて来いと言ってくれているような頼もしい音が鳴り響いていました…!
最後には、「らぶ。」と言って両手でハートマークを作り、去り際ギリギリまで、指で作ったたくさんのハートマークを客席に振りまいて帰ったお茶目なレミさん…!
変わらぬチャレンジ精神と聞き手への愛が十二分に伝わりすぎたブルースとロックンロール…まだまだ聞かせてください!
⑦ THE YELLOW MONKEY(20:20~)
今年の4月に復活し、そのうちライブを見る機会が訪れるといいな…という気持ちは当然ありましたが、まさかこんなにも早く、しかもジョインアライブのトリという華々しい舞台で会えるとは…!
GLIM SPANKY終わり、少し早歩きでローズステージまで戻ってくると、まだ前方のスタンディングエリアに入れる!割と余裕がある!
するするすると…エリアの中腹くらいまで来れてしまった…肉眼で4人が視認できる…き…緊張…。
ライブの開始はもうすぐそこまで迫っていて、開始1分を切った頃には、どこからともなく手拍子が広がり始めます…高まる期待…!
かくして20時20分、ステージが暗転するとともに大歓声!!
静寂に包まれたままの真っ暗なステージ上、下手からANNIEさん(Dr.)とHEESEYさん(Ba.)が姿を現します。
ほどなくして、ANNIEさんにスポットライトが当たり、力強いスネアとタムの響きを軸としたドラムのビートが展開されると、待ち切れないフロアでは手拍子の嵐。
そこに生き生きとしたベースが合流すれば、HEESEYさんにもスポットライトが当たります。
残るは…と構えていると、ステージ上手から満を持してEMMAさん(Gt.) とLOVINさん(Vo&Gt.)が登場…!
登場早々、緑色の大きなジャケット風の衣装を羽織り、大きく両手を広げてアピールするLOVINさんに、歓声や手拍子が一層大きくなる中、そのまま一曲目の「ソナタの暗闇」へ。
歌謡曲の懐かしいメロディに仄かに漂う怪しさ、という印象の曲でしたが、ライブで聞くと想像以上に歪んだロックンロールである印象に変わるのは、EMMAさんの歪んだ色気のあるギタープレイの影響が大きいようです…(私の感覚)!
準備運動は万端。
続けざまに景気良く鳴らされるぶっといギターリフに大歓声が上がったのは、「SPARK」…!!
サビで歌い上げるフレーズは、歌うというより叫んでいる印象が強かったLOVINさんのボーカルワークは、バンド自身もこの時をどれだけ待ち焦がれていたかを表しているようでした。
閃光の如く2曲を駆け抜けると、フロアからはメンバーの名前を呼ぶ歓声が止まないのですが、その熱量と声量は今日見てきたライブの中でダントツ!!
待ち焦がれたこの瞬間、一気に溢れ出した感情がローズステージいっぱいに広がっていきます…!
LOVINさん
「初めまして!イエローモンキーです!
イエローモンキーとしては北海道のフェス…初めてです!結構緊張してます!笑
この緑の衣装も今日初めてなんですけど、暖かいお客さんが迎えてくれたんで、最後までよろしくお願いします!
楽園に行きましょう!!」
EMMAさんのドライブするギターフレーズに、漏れなく天に召されるような開放感を覚える「楽園」。
もうこの時には、復活の瞬間に立ち会う緊張は皆無で、長年のバンド活動で培われた圧巻のグルーヴに身を委ねるばかりになっていた私。
LOVINさん
「だ〜れ〜のかたにと〜まるかな〜?」
どれにしようかな?と歌うように、こちらに指先を向けながら怪しく言い放つLOVINさんの導きから、ハードな「天道虫」へ。
この曲もやっぱりギターが好きすぎて、虫が蠢くように細かく、でも鳴りはあまりにも太いアルペジオが、気持ち悪くて気持ちいい…!
それを支えるように、というより一緒に蠢くようにブルブルと動き回るHEESEYさんのベースラインも、本人のノリノリの動きと併せて味わうことで、たまらないものになっていきます…!
こうして4曲を終えた頃、聞こえてくるのはピアノのフレーズ。
コード感で、次の曲を察した人が多かった前方エリア。
きっとこのステージで、この曲を聞けることを待ち侘びた人がほとんどだったと思います。
LOVINさん
「今年、バンドは35周年を迎えました。
途中、解散とか再結成を挟んでるから、少しズルなんですけど笑。
この年月の中で、本当にロックを続けられなくなるようなこともあったけど、今ここにいるメンバーと、スタッフと、ここにいるみなさんのこれからが!…バラ色の日々であることを願って…歌えるなら一緒に歌ってくれー!」
歌えるに決まっているフロアから、祈りを込めるような一人一人の声が響く大合唱…ビューティフル!!!
今朝、会場入口のゲート付近にあるバラ園に咲いているバラは、去年私が見た何倍も力強く咲いていました。
そんな姿と、今目の前で輝くロックバンドと、これからも輝こうと転がり続ける熟練のロックンロールのグルーヴが、あまりにも咲き誇りすぎて…誇らしすぎた時間でした…!
すっかり咲き誇った気持ちを止めるものはもうありません!
今度は「太陽が燃えている」で、LOVINさんは何度もサビの歌唱を目の前のビリーバーに託し、全て完璧に応えるビリーバー。
その真っ赤に燃える音像に、声だけでなく多幸感に満ちた手がいくつも上がります。
LOVINさん
「愛とはー!…あなたのためだー!」
多幸感に満ちているのは観客だけでなく、バンドも同じく。
「LOVE LOVE SHOW」では特にLOVINさんの弾けぶりが止まらず、歌い出しと同時にスポットライトすら当たらない上手のギリギリ端まで歩いていき、鉄骨を跨ごうとして「危ねっ!」なんて言ったり、近くのステージライトに触って「熱っ!」と言ったりしながら、完全にローズステージで遊んでいます笑
無論、根底にあるのはその音楽愛に溢れ、何だか色気のある歌唱であることに変わりはありませんでしたので、見て、聞いているこちらはそうやってこの4人がまた音楽を楽しんでいる様子が、心底嬉しかったのです。
ここで、初めましての方も多いであろうフェス会場ということで、LOVINさんからメンバー紹介。
ANNIEさん
→ミスタータンクトップ!
1000枚は持ってて、今日は夏仕様!
(タンクトップを伸ばしながらおどけるANNIEさん笑)
鶴谷さん(サポートKey.)
→2016年の復活からサポートしてくれてる、真面目な音楽男!
外国の音大出てます。
EMMAさん
→ミスタータンクトップの実兄!
実在するロックスター!ロックギタリスト!
昨日も朝5時まで飲んでました!
(おどおどするEMMAさん笑)
動揺しないでよ!
ロックスターなんだから堂々としてて!
HEESEYさん
→今年62?…61才!
(茶色のふさふさパーマは)地毛です!
(LOVINさんのこと)紹介してもらっていい?とバトンタッチ
LOVINさん
→時々会場の名前を間違えたりします!
…今日は大丈夫でしたね!
世界が誇るロックスター!
ロックボーカリスト!
概ねこんな感じでしたでしょうか?笑
笑えつつも、初めての方にも、各々が各々をリスペクトしていることしか伝わらなかった自己紹介。
ここまで来てすっかり気持ちが昂っているLOVINさんは、ジャケットの中に来ている白いシャツに、自身の乳首が透けていることを唐突に猛アピールしてきます!笑
カメラさんも全力で乳首に寄る始末笑
LOVINさん
「この乳首は罠だ!
ニューアルバム「Sparkle X」から「罠」!」
どんな曲振り!?と思ってるうちにクールにドライブし始める新曲は、始まってしまえばかっこいいロックンロールが溢れ出すばかりなので安心していましたが、何とびっくり。
至って淡々と演奏を終えると、退場していくメンバー笑
えっ!?終わり!?これで終わり!?
流石にちょっと動揺する幕切れですが、それでもこの枠は大トリ!
頼むアンコール!!!とばかりに手拍子や歓声は収まりません…!
ほどなくしてメンバーが出てきて何だか安心…安心してしまうアンコールがあるとは笑
LOVINさん
「本当にありがとう!
来年は出ませーん!笑
分からないけど笑、交渉次第かな?
ありがとうございました!
グッドナイト!!」
こうして始まる本当のラストナンバーに、少し震えるような感覚を覚えた「JAM」。
LOVINさんの声は、先ほどまでの本編でほとんど出し尽くしたかのようにガラガラにしゃがれていました。
それでも振り絞るように、何度も眉間に皺を寄せながら、その喉を震わせ、言葉を届けるLOVINさん。
そんなボーカルに優しく寄り添うように音を重ねる楽器隊。
これからもこのバンドにとって、自分自身にとって、大切な誰かにとって、バラ色の素敵な日々がありますように。
そんな祈りが静かに広がる余韻で満たされながら、ジョインアライブの初日は幕を閉じました。
最後にイベント主催の山本さんが出てきて言っていましたが、「交渉次第では」来年以降もあるんですよね…!
期待してます!!
今回は以上です。
これにて初日終了。
2日目の感想はまた明日!
ここまで読んでいただいたそこのあなた、本当にありがとうございました。
初日の前2回分の感想文はこちらから↓