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狂犬病さわぎ - rabies scare -

日本では撲滅されて久しい狂犬病。日本語だと犬に特定した病気のような印象をうけますが、すべての哺乳類が感染する病気です。英語ではレイビーズ(rabies)。アメリカでも予防接種が普及して飼い犬の感染は少ないものの、野生動物の感染は珍しくありません。地元でも数年前、川でカヌー遊びをしていた女性が岸に戻ったところを、狂犬病のアライグマに襲われました。

義妹一家は我が家より車で1時間くらい離れた郊外に住んでいますが、この冬、子供たちが敷地の林で遊んでいたところ、様子のおかしいスカンクにつきまとわれました。野生動物は人の気配がすれば姿を隠すはずなのに、飛びかからんばかりの凶暴ぶり。連れていた飼い犬(牧羊犬)が噛み付いて応戦、子供達を守りました。通報後すぐに検査が行われスカンクは狂犬病にかかっていたことが判明。

(見出し写真:お手柄のマックスとマイロ。普段は鶏を守ってます。)

義妹の犬は予防接種を受けていましたが、スカンクに噛み付いた犬に触ったり舐められたりという接触をとおして子供たちの暴露の可能性があるとのこと。姪っ子も甥っ子も念のためワクチン治療を受けに病院へ走らねばならず、思いがけず面倒なことになってしまいました。

狂犬病といえばスティーブン・キングの初期作品の一つ『クージョ』(1981年)が有名です。セントバーナードのクージョは予防接種を受けておらずコウモリに噛まれて狂犬病にかかります。それまで温和だったクージョが脳を冒され恐ろしい怪物に変わっていく。クージョの立場で痛みが語られる箇所では切なさを感じました。

しかし、はじめから恐怖小説を期待して読むと肩透かしを喰らいます。焦点の「幼い息子を連れた母親がクージョに襲われ車に閉じこもって生き延びを賭ける」場面は物語半ばまで始まりません。いろんな人物が登場していろんな生活が描かれます。冗長となるどころか、さすがキング、読ませます。

オーディオブック(14時間)Read by Lorna Raver。ナレーションの声、好き嫌い分かれそう。私は苦手な声だったけど途中で慣れて最後には上手いなと思いました。かなり汚い言葉を使うキャラクターがいて、あんなに卑猥語を連呼させられてナレーターは女性なのに、と気の毒でした。

キングの作品は90年代以降は全く読んでいません。初期作品では『デッド・ゾーン』が一番好きです。舞台となった架空の町キャッスルロックが『クージョ』でも採用されていて、殺人鬼フランク・ドッドはブギーマンのような存在で描かれています。

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