ローマ人の物語Ⅰ~ローマは一日してならず~を読んで
この本は著者の推察を含みながらもローマ人の成り立ちからどのようにして国が作られ、どのようにして勢力を広げていったのかを、時には地図を用いながら細かく書かれている。
タイトルからして堅苦しいと感じたが、読みやすい文章でユーモアがあり、どんどん読めた。
ローマ人は開放的な民族で、他の国に勝ち、征服しても基本的に兵力の提供を義務
づける等するだけで、厳しい縛りは重なったことを知った。
ただの強大な侵略国家だと思っていたが、その実像や成り立ちを知るにつれ、著者がよく書いていた「開放的な民族」という意味がだんだんとわかってきた。
そして、歴史は偶然性、必然が入り乱れて結果が生じるのだと改めてわかった。
ローマの意思決定は、市民集会、元老院、一年間で代わる執政官で複雑に交わった上で成されていたことを知った。
今までよくわからなかったローマ人らしさというものが少しイメージできるようになった。それは、開放的で元は農牧民族で、寡頭政、市民権を重視する人々で、何よりも名誉を重んじる人々という印象だ。
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