等(など)の一文字で誤魔化す行政4
等(など)の一文字で誤魔化す行政について、続きを述べていきます。
今回は、支援対象者の周辺を含めるための「等」についてにします。
女性等支援やLGBT等支援といった弱者等支援は、必ずと言っていい程、「等」がつきます。
今回は、女性等の支援等を事例とします。
女性等における「等」
女性等の「等」は何種類かある
女性等の「等」には、何種類かあります。
1つ目は、LGBT等を含めるための等。
2つ目は、女性等の配偶者等を含めるための等。
3つ目は、親等(おやとう)を含めるための等。
4つ目は、女性の上司や同僚を含めるための等。
すぐに思いつくだけでこんなにあります。
順に述べていきましょう。
LGBT等を含めるための等
行政における女性とは、「戸籍上の性別が女性である人」のことです。
「戸籍上の性別が女性である人」とはどのような人かというと、以下の三者です。
性的多数者の女性。
性別変更をした、出生時に男性の女性。
性別変更をしない、出生時に女性の性自認男性。
トランスジェンダーの人間が女性であるかどうかは、行政ではなく司法(家裁)が決めるのです。
行政が「女性等」や「男女等」を用いているのは、LGBT等を含める等の柔軟性を確保しておけるように、というのが近年ではあります。
女性等の配偶者等を含めるための等
次に、女性等の配偶者等を含めるための等。
「配偶者等」の等は、主に交際相手が入ります。
同居や別居の別を問いません。
内縁関係や同棲相手、或いは、ただの交際相手、さらには、元配偶者や元交際相手までも含めて、その全てを網羅するのが「等」です。
女性等及びその配偶者等に何か啓発をする際に、よく見られる文言です。
「女性等に啓発に努める等」という時、その時の対象者としての「等」には配偶者等が多いので、よく見られると思います。
事例としてのDV防止啓発
DV防止啓発を事例としてみましょう。
DV(ドメスティックバイオレンス)は、家庭内暴力のことだったのですが、現在では家庭内のみには留まりません。
配偶者等からの暴力は全てDVです。
婚姻、内縁、同居、同棲を問いません。
同居でない、同棲でない、ただの交際相手からのデートDVでもDVです。
ゆえに現在、DV防止啓発は「女性」ではなく、「女性等」に行われます。
被害女性等が声をあげられるように。
加害男性等がDVをしないように。
そのための等です。
※被害男性や加害女性も「等」ですけど。
女性の配偶者でない「配偶者等の等」も含めての啓発をするべきだ、という意見は、文言としては「女性等の等に含まれます。」で誤魔化せる、というわけです。
「女性等の配偶者等」は昭和の延長線
何故こんなに「女性等及びその配偶者等」としているのか。
行政が、昭和型標準世帯モデルの妻等と言いたいところを、取り繕ってきたから。
行政が、昭和型標準世帯モデルの夫等と言いたいところを、取り繕ってきたから。
行政として、あれもこれも盛り込みに盛り込みを続けて、取り繕ってきたから。
色々な側面があろうと思います。
けれども、私には、これだけは言えます。
本当は「妻等及びその夫等」と言いたかったのを誤魔化しているだろうな、ということです。
「女性等の配偶者等」は、手術前のLGBTの人のLGBTパートナーも含めて表現できる文言です。
けれども「女性等の配偶者等」は昭和の延長線で「妻等及びその夫等」の代替として、取り繕った文言ではないかな、と私は見ています。
次回も続きにします。