
「盆地内」でなく「山越え」を予防的通行止めにしろ
前回は、東日本と西日本の「予防的通行止め」について述べています。
今回は、「予防的通行止め」への不満について、(厳密には不満が爆発していることについて)述べていきます。
予め述べておきたいのですが、私は今回のような「予防的通行止め」に対して大賛成です。
私は「積雪休暇制度」の新設を主張しています。
「予防的積雪休暇制度」もあって良いぐらいだと思っているぐらいです。
ネット上での不満
今日になってから拝読したのですが、高速道路の「予防的通行止め」に対するネット上での不満が下記で取り上げられていました。
いっぽうネット上では、移動ができなくなることに対し、不満の声がすでに爆発しており、文句のコメントが殺到。デモ状態になっています。
大手ニュースポータルサイトのコメントには「ちょっと早すぎやしないかい?何とか19時くらいまで…帰宅難民になってしまいます」「全然通行止めしなくて大丈夫やろ」「通行止めする必要ある?」などと、不満の声が。
詳しく見ていきましょう。
高速だけにしろ
上記リンクはこう続きます。
多いのが、通行止めは高速道路だけにとどめるべきだというもの。「国道8号線を通行止めしたら他の県道に迂回されて逆に大渋滞起こってしまう。国道に除雪車で除雪することの方がマシではないか?」「いくらなんでもちょっとやり過ぎ!高速はまだ理解するけど国道まで…」「野洲川の手前(栗東)で通行止めは、やり過ぎだと思います」「やり過ぎ。せめて8号など国道は通行止めにするべきではない」といったコメントがあります。
高速だけにしろ。国道8号までもか。
こういう意見が多かったようですね。
国道8号とは、新潟から京都に至る国道です。

確かにやり過ぎのように思えますね。
県道が渋滞してしまうからという理由ではなく、生活道路であるからです。
危ないのはあくまでも「山越え」です。
盆地内の生活道路を閉鎖してしまう意味や意義は私には分かりかねますね。
※上記画像は地形がわかるようにGoogle mapではなくGoogle mapsを用いています。
悪いのは通行止めでなくセンター
上記はさらにこう続きます。
さらにネット上も含めると「また無能な行政職員が定時で退社する為に通行止めするのか」「雪予報の度にこれするのか…?」「仕事するなってか…」「また迷惑通行止するんかい」
またトラック業界の現場と思われるコメントでは「運送日の調整そんな簡単にできひんのよ。もう少し努力してくれ。スタッドレス履いてるトラック、車だけでも運行できるように」「僕の勤めている運送会社にも連絡がありました。大型トラックが、夜からしか動かないの通行止めになると荷物の到着がずれていきます」という声も。
止めるならほんまに物流も止めて。今なら帰れるのに、発送が17時からで22時30分頃出発やから帰れないの確定やしほんまやめてくれ、止めるなら物流も止めて頼むわ」と、悲痛な叫びを延々と国土交通省あてに返信している人もいました。
これはセンターが悪いですね。
物流センターや配送センターが運送日を調整しておくべきなのに出来ていないのです。
物流業界のラストワンマイルの人が困るだろうと思える心ある長距離運転手さんは悪くないです。
が、センターの心無い命令によって国土交通省に不満が行っています。悪いのはセンターなのに。
過信は禁物
ただ、運転手による過信は禁物です。
なお、前回に引き続いて国土交通省は「冬用タイヤの大型車でもスタック事案が多く確認されています。冬用タイヤであるから大丈夫と過信することなく、タイヤチェーンの携行も必ずお願いします」と強調。
あわせて「大雪が予想される地域への外出自粛(出控え)をお願いします」とも警告していますが、「それでも行かなければならないんだ!」「自分は大丈夫だ!」というトラックや一般車が殺到した結果が、2023年と2024年の大規模な滞留発生と言えるでしょう。
たとえば2024年の場合、関ヶ原IC付近でトラックが立ち往生したのが発端で、トラックを中心に「最大渋滞長5.5km」「滞留車約500台」という未曾有の滞留が発生しました。自衛隊も救援に駆け付けるなか、現場では150人体制で食料や燃料の支援が行われ、簡易トイレも用意され、3名を救急搬送、約130名による人力除雪を行うなど、もはや「災害」状態になってしまったのです。
変な使命感も過信も大規模災害になります。
岐阜滋賀間、美濃近江間は古代からの境です。
想定以上ということが起こりうるのです。
もっと山越えを通行止めにしろ
今回、国道8号に私がわかりかねると述べるのは、盆地内の通行止めであるからです。
山越えはもっと通行止めにすれば良いのです。
実際に、「予防的通行止め」が「実施中」でなく「可能性」だった新名神は、やっぱり滞留です。
滞留が生じたことによって、「実施中」になったという悪いおまけ付きです。
盆地内でなく山越えの部分にこそするべきだったことが新名神でよくわかることだと思います。
「予防的通行止め」は国道8号の盆地内の部分より山越えの国道1号と新名神にこそするべきだったということです。
もっとも一番良いのは、雪国ではない県に大雪があれば、「物流業界を含めて」積雪休暇を出してしまうことだと思っています。
悪いのは道路でなくセンター。
悪い省庁は国土交通省でなく厚生労働省です。
休暇制度をとっとと変えれば良いのです。