等(など)の一文字で誤魔化す行政3
等(など)の一文字で誤魔化す行政について、続きを述べます。
今回は「男女等」にします。
男女等とは
男女等って何?
まずは「男女等」から述べていきましょう。
「男女等」とは何か。
「男女等」とは、男性及び女性、そして、LGBT等を加えたお役所仕事のお役所言葉です。
私は、「人間」で良いじゃないか、と思います。
けれども、お役所仕事は「男女等」という言葉を好みますね。「等」が余程好きなのでしょう。
LGBT等の等とは
お役所仕事が「等」をどれだけ好きか。
LGBT等とまで言っている時点でわかります。
性的少数者はLGBTだけとは限らないため、というお役所仕事の理屈は、ありはします。
LGBTQ+やLGBTQIA+ではいけないんですか。
私が推察するのは、行政の板挟みです。
前期高齢者と当事者団体の板挟みになっていると見受けられます。
厳密に言うなら、前期高齢者や当事者団体だけに限りません。前期高齢者等と当事者団体等です。
ただ、典型例は前期高齢者と当事者団体です。
前期高齢者は、「英語で言われても、何のことかわからん。」と言ってしまいます。
高齢議員もそうですし、高齢議員の高齢支持者もそうです。ゆえに、LGBTQ+やLGBTQIA+とは、前期高齢者に対して言えない。
啓発冊子では言えても、議会では中々言えない。
では、議会を通すために、性的少数者等にすればいいかというとそうでもない。
当事者団体が少数者という言葉を嫌うからです。
言い出せない当事者を含めれば、もはや少数者と呼べるほど少数でない、という理屈です。
ゆえに性的少数者等とも言えない。
LGBT等とは、前期高齢者等と当事者団体等との、双方の板挟みにあった行政による、お役所仕事のお役所言葉と捉えると良いでしょう。
お役所言葉の最たるもの
では冒頭に戻ります。
「男女等」は何故「人間」ではいけないか。
行政が板挟みだからです。
男性も女性も、男女がともに、と行政が言いたい時に、男女等が用いられる。
カネは欲しい、議会は通したい、そういう時には「男女等」で誤魔化しておくと行政の都合が良いのです。
特に、内閣府や厚労省のカネを狙う時には便利になることでしょう。
内閣府や厚労省には、昭和型の標準世帯モデルが未だに根強いですから。
昭和型の標準世帯モデルを前提としたカネを狙うには、夫婦や両親といった「男女」を押し出したほうがカネがつきやすい。
けれども、夫婦間暴力が「配偶者等からの暴力」と呼ばれているように、夫婦でない男女も対象にしてカネを狙いたい。
しかしながら、夫婦でない男女、としてしまうと、性的少数者の当事者団体から苦情が来る。
けれどもカップルやパートナーにしてしまうと、前期高齢者の理解は得られない。
そんな板挟みの行政が生み出した、お役所言葉の最たるものが「男女等」です。
予算と議会のための言葉なんですね。
何故「人間」ではいけないのか、きちんと説明ができる公務員がいますか。いないはずです。
ゆえに、私は「男女等」という文言を嫌います。
計画のための計画で、実務のための計画でないと見做しています。