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「まだ着れる」は男女で違う

「まだ着れる」は男女で違う、という話にしようと思います。

前回、女性の鞄は麺類の具みたいなものである、という話をしました。
女性は麺もスープも変えるオシャレ星人なので、補足をしておこうと思います。

異文化理解としてのオシャレ星

前回、私はこう述べています。

「オシャレは足元から。」
オシャレ星人の女性は、ほぼ必ず言います。

嘘です。

オシャレ星人が人にダサいと因縁をつける時に、足元「から」評論をするから、そう思われているだけなんです。

実際には違います。
足元(靴下や靴)は、ベースの服に対しての追加装備なので、微調整と最終調整です。

足元「から」でない。
足元の最終調整「まで」がオシャレ、なんです。

上記拙稿より筆者引用。

オシャレ星人の文化ではそうなっているんです。
異文化理解なので、良いも悪いもないのです。

「まだ着れる」は男女で違う

今回、私が述べたいのはベースの服のほうです。

「まだ着れる」は男女で違うのです。

男性の「まだ着れる」は、実用品として着れるかどうかの意味合いしかありません。
(オシャレ星人を除く。)

けれども、女性は違います。
装飾品として着れるかどうか。
この側面が大なり小なり入ってきます。

流行、気分、体型、肌質、髪質。
これに合うかどうかまで含め、「まだ着れる」、もしくは、「もう着れない」があります。

異文化なのに同じ言葉

「まだ着れる」は、異文化なのに同じ言葉です。
ゆえに、意思疎通や共通理解には一手間が必要になってきます。

「お好み焼き」ぐらい違う、と言うと分かることだと思います。
麺や餅に相当するのが、流行や気分。
「まだ着れる」はそういう言葉なのです。

また、「清潔感」も同様です。
洋服の耐用年数に対する文化の違いがあるので、女性は流行から外れた服を「清潔感とか」という言葉で表現します。

異文化であるため、一手間かけないと伝わらない言葉ですが、女性は女性同士でも男性に対しても言ってしまいます。

「女性の断捨離ブーム」

「女性の断捨離ブーム」を思い出してください。
断捨離ブームは、何系の雑誌が中心でしたか。

女性用ファッション雑誌なんです。
(仏教用語なのに。)

「まだ着れる」と「もう着れない」に敏感である女性に向けて、「もう着れない」服を手放せ、と言っていたのです。

売るもヨシ。譲るもヨシ。捨てるもヨシ。
とにかく手放せばヨシ、というものでした。

何故、女性用ファッション雑誌がそういう主張をしていたのか。
タンスが埋まっていたら、新しい服を買おうとはしなくなるからです。

断捨離ブームは、新しい服を買わせるための戦略なのです。
洋服下取りセールが、新しい服を買わせるための戦略であるようにです。

コンサルタントによる悪用

「もう着れない」と「女性の断捨離ブーム」とを悪用したのが、コンサルタントです。
(特にマナーコンサルタント。)

「もう着れない」服は「まだ着れる」。
けれども、断捨離ブームで処分しよう。

女性向けメッセージとして成功します。
流行から外れた過去の服を手放すからです。

けれども、男性向けメッセージとしては大失敗。
流行の変化が急激でないからです。

男性の場合、「もう着れない」服なんて女性ほど多くないのです。
「まだ着れる」服は「まだ着れる」。
断捨離で処分しよう、とはなりません。

コンサルタントによる連発

そこでコンサルタントが飛びつくのが「清潔感」という言葉。
「とにかく清潔感だ」が連発されました。

「清潔感が無い」という女性文化の言葉を使ってしまえば、ドヤ顔でドヤッと言えるからです。

汚れた服はダメです、とでも言い放っておけば、行政がカネを出すので、その場凌ぎが出来ます。

表面的な成功はしますが、根本的には失敗です。
異文化理解を欠く、上っ面の言葉だからです。
「清潔感」は、「清潔感」ではないのです。

異文化の言語なのに、賢しらぶって「清潔感」を連発しているようでは、大失敗は確定です。

「まだ着れる」は「まだ着れる」?

こういった前提を踏まえた上で、男性の服の話に入ります。

「まだ着れる」は「まだ着れる」なのか。

本人がまだ着れるか迷うぐらいに流行から外れているなら、着ないほうが賢明でしょう。

マナーコンサルタントが連発する清潔感なんて、そんなものに基準を置くべきではありません。
清潔感がどれだけあろうと、清潔感が無いという誹謗はあるからです。

まずは、異文化の言葉を知ることです。
また、服の耐用年数に対する文化の違いも知っておくこと。

男性は物持ちが極めて良いので、良いからこそ、清潔に着てきた服でも誹謗の対象になり得ます。

清潔かどうかでなく、流行や気分も含めた言葉であることを知っておくのが大事ですね。

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