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等(など)の一文字で誤魔化す行政5

前回の続きを述べます。
今回は、親等(おやとう)を中心に述べます。

親等(おやとう)という概念

親等(おやとう)というキーワード

前回、女性等の「等」には、何種類かありますと述べました。
1つ目は、LGBT等を含めるための等。
2つ目は、女性等の配偶者等を含めるための等。
3つ目は、親等(おやとう)を含めるための等。
4つ目は、女性の上司や同僚を含めるための等。

このうち、前回は、1つ目と2つ目について述べていきました。
そして、「女性等の配偶者等」は昭和の延長線で「妻等及びその夫等」の代替として、取り繕った文言ではないかな、と私は見ています、と述べています。
昭和型標準世帯モデルが未だに根強いからです。
女性に「妻として」や「母として」を求めていた昭和の名残りですね。
では、最も広義の配偶者等(交際相手等)が、いない女性はどうでしょうか。
それを読み解いていくためのキーワードとして、親等(おやとう)があります。

親等(おやとう)とは何か

まず、親等(おやとう)とは何か、です。
親とは、一親等(いちしんとう)の直系尊属である人です。これが親です。
親、及び、親がいない場合は親の代わりとなっている人、これが親等(おやとう)です。

行政が、親等(おやとう)という、通常は用いない、聞き慣れない単語を用いる文書は限られます。
親等(おやとう)と、親等(しんとう)が、紛らわしいからというのもあるでしょうけれども、通常では用いません。

親等(おやとう)が用いられている文書

親等(おやとう)が用いられている文書は、概ねは、未婚の成人男女を対象とするものです。
未婚の成人男女は、昭和型標準世帯モデルの想定から外れているので、所謂「制度の狭間」です。
昭和型標準世帯は「成人男女の夫婦、及び、その夫婦の未成年の子」を想定していますから。

婚姻率が高かった頃は、制度の狭間である状態の人間が少なかった。また、制度の狭間である状態が短かった。そのため、行政は誤魔化してきたのですが、明らかな婚姻率低下によって、いよいよ誤魔化せなくなってきました。
ゆえに生じた取り繕いの文言が親等(おやとう)。

本当は「保護者等」と言いたいんだろう、というのが透けて見えるのが親等(おやとう)です。
成人男女の親は保護者ではないから、取り繕って親等(おやとう)としているのでしょう。
ゆえに、親等(おやとう)の等は、保護者等における等とほぼ同一のものと捉えて構わないでしょう。

官製婚活における親等(おやとう)

行政が誤魔化せなくなった理由の最たるものは、官製婚活の開始です。

未婚の成人男女の増加、そして、増加により看過や誤魔化しがもう出来なくなってきていたこと、どちらも昭和末には既にありました。
それでも行政は見て見ぬふりが出来たのです。
官製婚活が開始されるまでは。

官製婚活には、国のカネがつくため、地方行政は計画を策定して、そのカネを狙います。
その際に、今まで看過してきた未婚の成人男女の親については、親等(おやとう)としています。

憲法上、婚姻に親は要りません。
婚活にも要らないのです。
けれども、行政はごちゃごちゃと理由をつけて、相談業務に親等(おやとう)を入れます。
行政は「本人の相談」のみだと高齢者等の接待が出来ないので「親等の相談」を入れるのです。

高齢行政の高齢首長、高齢議員、高齢幹部。
こういう高齢者及びその予備群(高齢者等)が、何か一言挟むと、そうなるのです。

親として心配している人間はどうなるんだ。
偉いさんがこう言ってしまったら、忖度公務員や忖度委託事業者は、高齢者用相談業務の開始や、その充実を図ります。
その際、高齢者等と言わず、保護者等も言えず、「親等(おやとう)」となるのです。

「親等の相談」にも対応しています、というのはシルバー民主主義のシルバー相談業務です。
いつまでも保護者等でいたい前期高齢者に向けて行政が接待している、と私は見ています。

私が冒頭述べた、配偶者等がいない成人女性は、官製婚活においては、いつまでも「娘として」が求められ続けてしまう。
婚活には保護者面談も三者面談も要らないのに。
私はシルバー行政のシルバー瑕疵だと思います。

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