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9月からも夏服を着るから盆明けセールも悪くない
アパレル大手の三陽商会が、今年からは9月の間も夏物を販売するそうです。
NHKの昨日付(8月23日付)のニュースです。
今回は、夏服の盆明けセールについて述べようと思います。
夏物販売期間の延長
NHKの昨日付(8月23日付)のニュースのリンクを載せておきます。
大手アパレルメーカーの「三陽商会」は、年々暑い時期が長くなる傾向にあることから、これまで3か月間だった夏物の販売期間を5か月間に延長しています。
これまでは季節を先取りする形で、8月には秋物の販売に切り替えていましたが、ことしは9月にかけても夏物を販売することにしています。
秋物販売期間だった8月と9月が、夏物販売期間に今年から変わるということですね。
このNHKのニュースを拝読して、私が思ったのは「今年から?」です。
引用して思ったのは「これまで3か月間だった?」です。
数年以上前から、9月も夏服を置いているのを見ていますから、「今年から?」となります。
毎年毎年、猛暑が恒例となっているためです。
また、「これまで3か月間だった」ということは、5月、6月、7月が夏物販売期間だったということになります。
夏日のある4月が夏物販売期間ではなかったのかと思いますね。
アパレルは春夏と秋冬の2つになっていますから、4月を春物のみとすることは無いと思います。
春夏の中から夏物も置いてあるはずです。
三月末から「ほぼ夏日」がありますからね。
夏物販売期間の延長論者
夏物販売期間の延長論者として、私の知る限り、最も生活実感や体感温度に基づいて合理的であると私が思えたのは、南充浩さんです。
南充浩さんは以下のように指摘しています。
散々書いてきたように、カジュアルでもビジネスでも夏服着用期間は最大半年間に延びている。となると、7月下旬や8月10日に秋物を立ち上げたところで、さほど動かない。
ビジネスとしては「見せる」という行為も重要だから否定はしないが、秋物を立ち上げたところで動きにくい店がほとんどということになると、その動きが縮小するのは極めて当たり前といえる。
秋物の後倒しは必然であり必至です。
ゆえに、「今年から?」と疑問符がつきます。
昨年まで至っていなかったのが不思議なぐらいに毎年毎年欠かさず猛暑ですから。
私は夏物販売期間の延長論者である南充浩さんに強く賛同します。
盆明けセールをどう見抜くのか
私は今年の6月上旬に、こう述べています。
八月のファイナルセールは今年の夏服のセールであるということ。
それゆえに、去年の夏服のファイナルセールではないということ。
これを強調しておきたいのです。
勿論、去年の夏服が置いてあることもあります。
ただ、去年の夏服の値引き率は、六月と比べて、八月でも大差がありません。
同じ価格であることもザラです。
セールを狙うならば、新作が出始める頃以降で、旧作を買えば良い。
いつでも良いのです。
店舗側が、旧作の在庫をセールで捌いて、新作を置きたい時期なら、いつでも良いのです。
この、「新作が出始める頃」が変わってきます。
7月下旬から、「夏後半の新作」を出すメーカーが増えていくからです。
夏前半の新作を大値引きするわけにもいきませんけれども、誘客としての大値引きはあります。
昨年夏の旧作と夏前半の新作で値引き率が違う、というのが「盆明けセールをどう見抜くのか」に直結するコツになります。
夏後半の新作がウェブチラシ掲載品にあっても、誘客としてのセールです。
その隣に、昨年のクリアランスの残り(キャリー)が大値引き以上の超値引きであるかもしれないのが盆明けセールなのです。
盆明けセールはかつて損と言われた
盆明けセールはかつて損と言われていました。
それに対して、南充浩さんはこう呈されます。
そうなると、これまでファッション指南系の人々が唱えてきた
「8月のお盆明けに値下がりした夏服を買うのは損」
という理論が成り立たなくなってきたのではないだろうか。
盆明けから一月程度もすれば秋服を着れる気候になっていたから。
盆明けは秋服を並べるものという習慣があって、夏服の供給が途絶えるものだったから。
ゆえに、気候と供給の両面から秋服を買うべしと「かつては」なっていたのです。
「かつては」です。
「盆明けの夏服は損だ、秋服を買うべし論」は、気候と供給が変化した現在、成り立たないです。
夏服を買って悪いことはありません。
賞味期限が伸びた
気候と供給の面でもう成り立たないのみならず、流行の面からも成り立たないのです。
南充浩さんはこう仰います。
おまけに当方が着用しているメンズカジュアルでいうと、マストレンドは5年間くらいほとんど変化していない。「ファッションの鮮度が落ちる」ことを指摘するファッション指南系の方もおられるが、その「鮮度」も成り立ちにくくなっているといえる。
私も昨年の服でも構わないと思っています。
私は上記拙稿の後、下記拙稿をつくっています。
私は以下のように述べています。
食料品も、そして、衣料品も、最も新鮮な状態が一番良いですが、それはそれ。
食料品は、値引きシールを貼られた直後ぐらいが値段的にお得です。
流行の服も、値段的にはそうなのです。
賞味期限の難しさはそこにあります。
私は、新鮮を追い求めなければ、値引きシールで選んで構わないと思っているのです。
南充浩さんはこう仰います。
7月セールでの値下げ品が少なくなってきたとはいえ、逆に期末には売れ残り品は必ず値下げされるのだから、7月セール終了後にさらに値下げされた夏服を買うというのは、気に入った色・柄・形が残っているのなら、結構お得な買い方といえるのではないだろうか。
そして、夏の期間が長くなったこと、供給側も夏服を長期間引っ張るようになったことで「セール明けは秋物を早く買うべき」という論調は成り立ちにくくなってきたといえる。
そんなわけで、当方は8月も9月もさらに値下げされた夏服を買うことになるだろう。
私も同感です。
シルバーウィークで夏服を買うのが普通です。
私の場合には10月でさえも夏服のクリアランスを探すことがあるぐらいです。
盆明けセールで夏服を買っても良いか。
良いに決まっています。
ヨイカ!ヨシ!です。
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