断捨離【エッセイ】六〇〇字
エッセイの文字数は、六〇〇字にこだわる。二年近く通った早稲田オープンカレッジ「エッセイ教室」の講師H氏の教えが、大きい。
H氏は、朝日新聞社出身。「天声人語」をはじめ、新聞のコラムは、四六〇字から七〇〇字で、六〇〇字前後だからか。いや、簡潔な表現力、読みやすい文章の書き方を学ぶには、短い方が良いようだ。究極は、俳句や川柳の十七音であろうが。それまでの文章が、いかに無駄が多かったかと、痛感した。
小説家や、俳優、アイドルなどの著名人が書くなら、どんなに長くても読むだろうけども、(私のような)名のない者が書いたものは、家族・親族や友人以外に、誰も読まない。六〇〇字だと二分、電車のなか、一駅もかからない。新聞などの投稿欄や公募などは、文字数制限があるので、その訓練にもなる。
「私はエッセイを学んでいる」と書くと、「私は」はいらない。「私」が書いているわけだから、となる。二字省略できる。「梶井基次郎の小説『檸檬』」の「梶井基次郎の小説」は、削除。教科書でも紹介される作品なので、知っていて当然ということで、八字、節約。「アメリカに渡米」のような重複する重言は、「渡米」。(あ、「重複する重言」も「重言」だった・・・)。削った分、内容を濃くする。
生意気に「エッセイの書き方」のようなこと書いてきたが、師匠に添削されたら、夏井先生よろしく、「これいらんでしょ」と、バッサリと、赤線を引かれるかもしれない。