貼り紙【エッセイ】一二〇〇字
コロナ禍で巣ごもりがピークだった時期、「閉店します」の貼り紙を街なかで目にすることが多かった。行きつけだったカフェも、そのひとつ。あのマスターが、どんな想いで貼っただろうか———。と、そんな切ない貼り紙じゃなく、(私らしく)トイレに張ってある“ほっこり感”と笑いを誘う「作品」をご紹介。3年前にアップしたものに「新作」を加えての再掲です。
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よく利用するゴルフ場のコース内にある売店のトイレに、このような貼り紙がある。「下着を用意しております。お声掛けください」と。利用するひとは稀だろうが、まさかの際には、とても助かる。
見かけてすぐ、売店のなじみの女性に(救いを求めるような表情で)「下着・・・、いいですかぁ」と、冗談で言ってみた。少しびっくりしていたが、マジな顔して、出してきた。私のより良いのではというぐらいの品。まだ、今のところ利用したひとはいないみたいだが、気の利いた貼り紙、と感心した。
その「下着の貼り紙」がきっかけで、トイレの貼り紙で面白いものがないだろうかと、利用するたびにチェックしていた。が、「きれいに使ってください」とのお願いや、「君のはそんなに長くない、もっと前に」なんて下品なものなど、昔から見かけるものばかり。そんなとき、鷲田清一さんの「折々のことば」(朝日新聞2019年10月7日)に、こうあった。なかなか詩的で、お洒落な貼り紙。トイレに入って思索し、ついつい長くなるかも、と思った。
そこで、検索してみた。鷲田さんが紹介したようなおシャレな「作品」はなかったが、こんなものを見かけた。
「トイレのかぎはしめないでください。こわれています。トイレからでられなくなります」
《なぜか、ひらがなとカタカナ・・・ほんと、こんなことあるのだろうか???》
「トイレには、トイレットペーパー(と涙)以外の物は流さないで下さい」
《カッコの部分はマジックで、誰かが挿入したようだ。これはなかなか》
「紙が無くなってもあわてないで!最終手段として、この貼紙があります!」
《おいおい、予備をしっかりおいてよー》
「もし、成功することが100%約束されていたら・・・自分の人生の中で何をしたいですか?」
《しばらく考え込んでしまい、なかなかトイレから出られなくなるよー》
こんなクイズを貼る居酒屋もあるようだ。
<クイズ1>
豚の夫婦があるものを食べたら離婚しました。それはな~に?
ヒントはお菓子
*答えは、最後に
直接的な表現でなく洒落た貼り紙のようだが、ひとの迷惑を気にしない想像力に欠ける人間に有効だろうか?
と思ってしまったのが、これ。
<クイズ2>
あなたがのんびりケータイをいじっている間に、どのくらいの人数が外で待っているでしょうか?
正解は外に出てからのお楽しみ!!
(貼り紙じゃないけど)ある店の看板
画像:与太さん
最後に、
「おう!よく来たな。まあ座れや」
冒頭に戻って、街中の貼り紙。その周囲に付箋やノートの切れ端に感謝の言葉を書いた「貼り紙」や、貼り紙に感謝の言葉を書き添えられてあるのを見かけると、おもわず立ち止まってしまい読み込んでしまう。
<答え> とんがりコーン(豚が離婚)
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