こんなに想いの詰まった一言は聞いたことがない
こんな感動したことは30年生きてきて初めてだったかもしれません。
「お前さんに会えてよかったよ」この言葉を私にかけてくれたのは、退職して6年たった今でも時々電話をかけてくれる元職場の先輩です。
この先輩は、私の父さんと同じくらいの年齢ってこともあり、第二の父さんだと思っています。
高校卒業して会社に勤めることになった私は、社会のことや大人の事なんて全くわからない状態で、知らない大人達の中に飛び込みました。
そこは、北九州市で防水工事という建設業を営む会社です。
北九州市って聞いてどんなイメージですか?
その北九州市の建設業って聞いたらどんな風に感じますか?
北九州市ってちょっと怖いとか、それに加えて建設系といえば職人さんが頑固で怖いとか、そんなイメージがあるのかなと思います。
そんな環境に高校卒業したばかりのガキンチョが飛び込んだんです。
ちょっとやそっと尖るだけではやっていけないっていうのが第一印象からわかりました。
事務所の周りに集まってくる職人さん達はみんな強面な人ばかりで、何にも知識のない子どもが「今日からこの現場は僕が担当で管理させてもらうので、よろしくお願います」って言ってくるのです。
今思えば、現場監督さんとの打ち合わせ、施工状況の進行、材料の管理、現場全体の管理、写真や書類の管理、など前知識もない高校卒業したばかりの子どもに現場を任せたくない気持ちも分かります。
本当に職人さん達もよく耐えて育ててくれたと思います。
2年くらいは大変なことが多くて、尖っていました。
尖っていないとやっていられなかったんです。
態度が気に入らないからって職人さん達にも沢山怒られたし、自分に都合のよくないことを言われて良くない態度をとる事もありました。
若いからっていう理由で舐めた態度を取られて、バカにされて、話すらちゃんと聞いてもらえず、最終電車で泣きながら電話をして帰ったこともあります。
本当に多くの人に育ててもらいました。
19歳の頃の自分を知ってて、11年経った今でも時々電話をかけてきてくれて、「お前さんに会えてよかったよ」って一言をくれるはその人だけです。
これからいろいろな人に出会うだろうし、色々と環境は変わると思いますが、この繋がりは一生大切にしていきたいと心から思います。
そして、「君に出会えてよかったよ」
そんな風に自分も言える人たちとの出会いを大切にしていきたいです。