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【読書メモ】なぜ私は私であるのか: 神経科学が解き明かした意識の謎アニル・セス

本書は、「私がある」という感覚は錯覚であるという。
脳は知覚情報をもとに世界を常に「予測」しており、この予測の一部として私を生み出している。

錯覚という強い言葉を使ったが、錯覚であるから、私は無いという結論では無いと思う。
様々な科学の知見から見えてきたリアルな「私(意識)の存在」という事態を、特別な魔法や神様の助けなしに理解することで、自己の可能性と限界を知ることができる本だと感じる。

本書の考え方では、意識は知性とは別のものであり、人間だけのものではなく、動物などにもある(であろうこと)ことが自然に導かれる。

また、錯覚は、もしそれが錯覚だとわかっても、錯覚してしまうことを避けられないということを、アルデソンのチェッカーボードで示されていて、意識がもし錯覚であっても、錯覚を錯覚として認知できない(難しい)ということは、面白く(意識の在りようの奥深さ)感じた。

これについて別書であるが、悟り(諸行無常、諸法無我)を得るためには、手段として身体技法(座禅)の必要性があるということについて思い出した。

また、錯覚(ラバーハンド錯覚など)をうまく使って、VR体験を向上させる、技術的な可能性を感じ、楽しみになった。また、ボディスワップ面白そう、やってみたい。

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