ユニバーサルデザインの強化書 233 D&Iという言葉を使うべきか?
D&Iという言葉を使うべきか?
D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の施策を職場で実行する際に「D&I」という言葉を使うべきかどうかは、職場の文化、従業員の理解度、そして施策の目的によって異なります。以下の観点を考慮するとよいでしょう。
1. 職場の理解度と文化に基づくケース別判断
◼️D&Iの概念が浸透している場合
「D&I」という言葉を明示的に使うことで、施策が企業の理念や戦略の一部であることを強調できます。
例:
「D&I施策の一環として新しい教育プログラムを導入します」と伝えることで、全体像を共有しやすくなります。
◼️D&Iがまだ浸透していない場合
用語自体が馴染みのない場合は、「D&I」という言葉よりも具体的な施策の目的や意義を中心に説明した方が効果的です。
例:
「多様な背景を持つ従業員が働きやすい環境をつくるために~」といった言い回しに置き換えると、従業員が理解しやすくなります。
2. 具体的な施策にフォーカスする
・「D&I」という言葉より、行動が重要
「D&I」というラベルに頼りすぎると、従業員が「また流行りの言葉か」と捉えてしまう可能性があります。
そのため、D&Iという言葉を使うか否かにかかわらず、具体的な施策や行動を通じて成果を示すことが重要です。
例:
・「フレックスタイム制を導入し、働き方の選択肢を広げます」
・「意見交換の場を設けて、多様な視点を生かします」
これらを通じて「D&I」という言葉の意味が自然と伝わるようにします。
3. リーダーシップの発信と姿勢
・リーダーの発信力が鍵
リーダーが「D&I」という言葉を適切に使い、その意味や重要性を繰り返し発信することは、D&Iを文化として根付かせるのに有効です。
例:
社内イベントや全体会議で、リーダーが「D&Iの取り組みが私たちのイノベーションを支えている」と明言することで、従業員にとっての「D&I」の意義が明確になります。
4. 言葉の選択が逆効果にならないようにする
・用語が分断を生まないように配慮
「D&I」という言葉が一部の従業員にとって「自分には関係がない」と感じさせるリスクもあります。全員参加型の施策であることを強調するために、「共に成長する職場をつくる」など、親しみやすい表現を組み合わせるのも一案です。
結論
「D&I」という言葉を使うかどうかは場面に応じた柔軟な判断が必要です。
・言葉で理念を伝える:
理解が深まっている場では「D&I」を強調する。
・具体的な行動で示す:
言葉よりも行動で理念を実践する。
最終的には、「D&I」という言葉を使うかどうか以上に、
施策そのものが
従業員にとって意味があり、
職場全体の信頼と一体感を生む
ものであることが成功の鍵
となります。
Think Universality.
Think Difference.
m.m