ユニバーサルデザインの強化書219 視力危機!ー 高齢者対応は小学生対応でもある
はじめに
視力の問題は、高齢者だけでなく、成長期の子どもにも大きな影響を与えています。
最近の調査によると、小学生の視力低下が急速に進んでおり、これが日常生活や学習に支障をきたしていることが明らかになりました。
文部科学省の学校保健統計調査をもとに、高齢者と小学生の視力に関する共通点や支援方法を探り、視力支援の重要性を考えてみたいと思います。
小学生の視力低下の現状
文部科学省の調査によれば、小学生の視力低下は急増しており、
裸眼視力が1.0未満の小学生は
2022年度に37.88%
に達しました。
これは、
1979年度の17.91%
から2倍以上の増加
を示しています。
そして、
黒板の文字が見づらい
子どもは6割以上
にも及びます。
スマートフォンやタブレットなどのデジタル機器の使用時間が増加していることが、近視の急増に大きく関わっていると考えられます。
視力の低下は学習能力や生活の質に直接影響を与えるため、早急な対策が求められています。
高齢者の視力低下と共通する問題
一方で、高齢者の視力低下も様々な問題につながります。
70代になると9割の人が白内障
になり、
視界がかすんだり色が見えにくくなります。
また
老眼はほぼ100%
の確率で発生します。
高齢者は文字が読みづらい、階段の上り下りが難しいといった日常生活での視覚的な課題に直面しており、生活の質が低下しがちです。
さらに、視力の低下は事故のリスクを高める要因ともなっています。
これらのデータから、高齢者と小学生が視覚支援を必要としていることがわかります。
視力低下がもたらす生活への影響や課題は年齢を問わず共通しており、世代を超えた視覚支援の必要性が浮き彫りになっています。
共通する視覚支援の取り組み
高齢者と小学生という異なる年齢層ですが、視覚支援においては共通点が多くあります。
まず、文字サイズや照明の調整が挙げられます。
大きな文字や明確なフォントを使用することで、どちらの世代においても読みやすさが向上します。
また、適切な照明環境の整備も非常に重要です。
学校では教室の照明基準を見直し、目の負担を軽減する取り組みが進められています。
同様に、高齢者のためには、家庭や公共施設での照明の工夫が求められます。
視力低下を防ぐだけでなく、生活の安全性も向上させる効果があります。
おわりに
視力低下に対する支援は、高齢者と小学生の両方にとって必要不可欠です。
共通の課題に対して、両世代を視野に入れた視覚支援の取り組みが、生活の質を高めるカギとなるでしょう。
文部科学省のデータを参考に、世代を超えた視力支援の重要性を再確認し、社会全体でこの課題に取り組んでいくことが求められます。
参考文献
文部科学省「学校保健統計調査」(2023年)
Think Universality.
Think Difference.
m.m
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