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日本にいながら英語を習得することは、海外で習得するのとは比較にならないぐらい難しい、というお話

日本で英語を習得するのは、海外の英語圏で習得するのとは段違いに難しい

何を今さらわかりきったことを、とお思いですか?

ではどうして、日本で習得することはそんなに難しいのでしょうか?

もしあなたが日本にいながらの勉強で英語を習得しようとしているなら、その前に立ちはだかる敵の正体を、まずはしっかりと把握しておきましょう。

誘惑との戦い

日本で英語を習得することがどうしてそんなに大変なのかというと、

理由はとても単純で、

身の周りに母語である日本語の誘惑が満ち溢れていて、その誘惑と常に戦わなくてはならないからです。

だってそりゃあ学習レベルにある英語でできることと比べたら、

自由自在に使いこなせる日本語で Youtube見たり、本や漫画を読んだり、ドラマや映画を(日本語字幕で)観たり、音楽を聴いたり、友達と話したりする方が楽しいに決まってます。

楽しいし、そして手軽ですよね。英語の場合はやはり勉強ですから、「えいや」というパワーが必要になる、でも日本語ではそんなもんいりません。

ハードルの高さが違いすぎるのです。英語は高いハードルを超えなくちゃいけなくて、日本語はひょいとまたぐだけ。

仕事から疲れて帰ってきて、ぐったりしている状態で、どっちを選びますか?そこで英語を選べるのは、すごい意志の強さの持ち主だけ。 

そういう、母語の強力な誘惑に背をむけて、英語に向かう時間を作らなくてはならない、だから大変なのです。

結局、英語が使えるところまでたどり着けるかどうかは、頭の中に英語が漂ってる時間を1日の中でどれだけ作れるかにかかっています。

その時間を増やすことが、英語圏にいる方が遥かに簡単だということ。そりゃそうですよね。周りを英語で囲まれているのですから。

→ いや、今はネットでアクセスし放題なんだから、海外にいたってやはり日本語に対する誘惑と戦わなくてはいけない、だから一緒だよと思われる方、もうしばらく読み進めください。

無理な条件での挑戦

日本語の誘惑に囲まれた中で、それに背を向けて英語に向かわなくてはならない、

それは言ってみれば、ビールがキンキンに冷蔵庫の中に冷えている状態で禁酒するようなものです。

冷蔵庫を開けるたびに、そのビールが目に入ってくる。今日は暑かったし、仕事の後で喉も乾いている。ここで一杯飲んだらそらウマいだろうな。

その中でその誘惑に背を向けて禁酒を続けなくてはいけない。

そんなことできると思いますか?

でもあなたがもし日本にいながら英語を習得しようと考えているなら、やろうとしているのはこれです。

どれほど難しいか、お分かりでしょう。

これがもし仕事の都合で、イスラム圏に行って生活しなくてはならなくなった、そこではお酒を入手すること自体が難しい。

さぁ、どっちが禁酒成功しそうですか?

当然、後者ですよね、まぁちょうど禁酒しようと思っていたし、好都合だな、ぐらいなもんです。

そうなんです、日本にいながら英語を身につけるということは、冷蔵庫にキンキンにビールが冷えた状態で禁酒をするようなもの。

あるいは大のスイーツ好きが、冷凍庫にハーゲンダッツ全種類揃っている(しかもチョイ溶けの)状態でダイエットに挑もうとするとか

ともかくそういう強力な誘惑と、ずっと戦い続けなくちゃいけないということ。

だって街中日本語で溢れていて、意識しなくても日本語が目から、そして耳から入ってきてしまう

日本語での理解のプロセスは、英語とは違って完全に自動化されていますから、

聞きたくなくても耳から入ってきて、読みたくなくても目から入ってきて、理解できちゃうんです。

でもこれが英語圏で英語を学ぶなら、周りは英語で溢れています。だからやる気にさえなれば、英語漬けの中で学ぶことが可能です。

もちろん英語圏にいたって、寂しさから、日本語のコミュニティーにどっぷりと浸かって、日本語での楽しみに逃げる人はいて、そういう方は英語を習得できません。

ですから行けば誰でも英語が出来るようになるわけではありません、でも覚悟さえしてしまえば、比較にならないほど有利であることは間違いありません。

そしてその覚悟も作りやすい。

払ったコストの大きさ

なぜならそこに行くまでに、すでに大きなコストを払っているからです。

例えば休みの日に、映画館にまで映画を観に行くとします。そしてその映画が面白くないな、と途中で思ったと考えてください。

でもわざわざ休みの日に、身だしなみを整えて外出し、そして電車を乗り継いで時間をかけて映画館まで来てしまったわけですし、

そしてその映画のために1800円払った、そのお金ももちろん返って来ません。

そういう思いから、「もしかしたらここから面白くなるんじゃないか」と、ズルズルと最後まで見続けてしまう、これは十分にありえることですよね。

でも同じ映画を家でNetflixで見ていたら、つまんなかったら、すぐにそこでストップをして他の映画を探すでしょう。

違いはなんですか?そこまでに自分が支払ったコストが大きいか、小さいかです。それはお金だけではなく、時間や手間も含まれます。

映画館まで行ったケースではかけたコストが大きい → 簡単には諦められない

家の中でNetflixで見るケースではコストが小さい → すぐ次へ

これをサンクコストと呼びます。こうやって自分が払ってしまったコストが返ってこないとなった時に、その元を取ろう、という意識が生まれる、

それによって判断が鈍り、やめ時を失ってしまう、というネガティブな意味で使われるものですが、

逆に継続という意味においてはこれはプラスに働きます。

「もう後戻りできない」という意識

そうやって海外まで行かれた方は多大なコストをすでに払ってしまっている、

それはお金だけではなく、航空券などの手配、さまざまな手続きなどの手間もそうですし、実際に飛行機に十時間以上乗ってたどり着いた、部屋を借りるのに苦労した、あるいは人間関係など大きなものを犠牲にしてまで行っている方もいらっしゃるかも知れません。

それらは戻ってこないんです。

そうやってそこまでに費やしたものを考えると、もう後戻りできない。こういう気持ちが「もうやるしかない」と、自分を追い込むのです。 

だってそこでやめてしまったら、そこまで捧げたものをすべて無駄にしてしまう、ということですから。捧げたものが大きければ大きいほど、簡単に手放すことはできなくなります。

いつでもやめ放題

でも日本での勉強は違います。面倒だったらいつだってやめられます。だってほとんどの方は、そこまでのものを捧げていないから。

だから投げ出すこともまた簡単で、そうなると続けること自体がそもそも難しい。

ちょっとやってみたけど英語やっぱ向いてないな、よし、じゃあ次はこれやってみようかな、と

このいつでもやめ放題、というのも、取り組みを甘くする大きな要因です。その「もうやめちゃおうかな」という誘惑とも戦わなくてはならない。

このように、日本にいながらだと、まずは日本語での大きな誘惑に打ち勝って、英語が頭の中で漂う時間を作らなきゃいけない、

しかもきつかったら、いつでもやめ放題

そんな状況の中で、自分を勉強に向かわせなくてはならない。それも「毎日」「数時間」。だから大変なんです。

敵の強さを知ること

まずは日本語という、英語からかけ離れた言語を母語にする私達日本人にとって、英語の習得は簡単ではないということ(それだけ時間がかかるということ)、

それに加えて、日本にいながら英語を身に着けようとしている方は、海外で英語を身につけるよりも、遥かに大変な環境で挑戦しようとしてるんだということ。

この事実を受け入れ、留学して英語を学んでいる方「以上」に努力を積むことが大切。だって遥かにきつい条件で学んでいるのですから。

でも多くの英語学習者は、自分が挑戦しようとしてる相手がどれだけ強大かを知りません。 

だから近所のコンビニに出かけるぐらいの感覚で気軽に始めてしまう。それぐらいの感覚で始めた人が、富士山の山頂に立つことはありません。

そして英語学習は富士登山よりも遥かに大変。富士山は行ってしまえば95%は登れますから。英語で「使える」ところまでたどり着けるのは、学習者の数%でしょう。

「英語学習は誰でもできる、でも英語が使えるところまでたどり着ける人はほんの一握り」

ここから目を背けてはいけません、自分がとんでもなく強大な相手と戦おうとしてることを。

この意味で、英語はスキル界の大ボスです。英語が習得できたら、ほかは何も怖いもんありません。 

それぐらいの強敵。


ここのところ、厳しい話ばかりが続きました。でもこれは立ち向かおうとしている相手の強さをちゃんと知るために、どうしても必要でした。

その大変さをしっかり受け入れて初めて、ではどうしたら太刀打ちできるか、を考えることができるのですから。

さぁ、いよいよここからが本番です。

敵の強大さを改めて確認した上で、ではどうやってそいつと戦って、そして勝つか。

次回からその攻略の話に入っていきます。お見逃しなく。


ここまでのお話、このマガジンに入っています。

そしてこちらから、自分が33歳からやり直した道のりが読めます。まずはこれを読んで、「本気の取り組み」とはなにか、その予習をしておいてください。

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