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「100分de名著」で学ぶブッダ「真理のことば」 」4回目その2

1.前回のおさらい

自分というものは、形としてはあるものだけれども、瞬間瞬間移り変わるもので、実体のない空の存在である。
人の記憶や何かが、私というものが昔から続いている一つの存在であると思い違いをさせていると理解することで、死の苦しみから逃れることができるということを学びました。

出演者:
司会 --- 堀尾正明さん
アシスタント --- 瀧口友理奈さん
講師 --- 佐々木閑(しずか)さん

2. 客観的にものごとをとらえる

ナレーション:
空とは、自分が見ているものは、常に変化している仮初めの世界だと思えというブッダの教えです。
世の中を空と見るためには、客観的に物事を捉えることが大切だとブッダは説きました。
しかし、それは容易ではありません。
執着やうらみなど、さまざまな煩悩に捕われているからです。
では、どうしたらいいのか。
大事なのは心の持ち方だとブッダはいいます。

講師:

『ものごとは心に導かれ 心に仕え
心によって作り出される
もし人が汚れた心で話し
行動するなら
その人には苦しみが付き従う
あたかも車輪が
それを牽く牛の足に付き従うように』

外から我々はいろいろなものを認識します。
それを正しく客観的に認識できればいいのですが、必ず心が歪めて認識してしまう。
その歪んだ認識が結局は我々に苦しみをもたらします。
その歪んだ心でものを見るとその後に必ず苦しみがくっついてきます、という例えなんです。

司会者:
歪んだ心というのは、どういうことなんですか。

講師:
例えば、執着とか無明とか恨みとか、煩悩が一種のフィルターになって、物事を自分中心に作り上げてしまう、それが私の本当の、実際の世界だと思い込んでしまう。
これが、物事が心によって導かれてしまうということなんですね。

アシスタント:
心の持ちようで、すべて見え方が決まってしまうということなんですか?

講師:
そうですね。
ですから、心の持ちようを、どうするかによって、我々の心に苦しみが生まれるか生まれないかが決まってくるかということです。

アシスタント:
心を正しく持たなければいけないと思うのですが、どうすれば心を鍛えることができるんですか?

それは訓練です。
もし私たちが何の訓練も受けずに、生まれた赤ん坊のままで育っていたらどうなっていたか、何もものを客観視する力なく、ただ野生のままで育ってしまう。
しかし私たちは学校教育やいろんなところで、ものの見方を習います。
それが積み重なって、本当のものの見方をようやく身につけていく。
それが大人になっていくということです。

ナレーション:
ブッダは、心の持ちようを訓練すれば自分勝手な思いにとらわれず、苦しみから逃れることができると説きました。
それが世の中を空と見ること。
つまり客観的に真実を捉えるということなのです。
そうしたブッダの考え方は科学にも通じるといいます。

言ってみれば、科学者というのは、そういったものの見方を徹底的に突き詰めて、客観的に物事を見るためのプロですね。
それが科学と呼ばれる一つの世界を作っていると言えますね。

次回、ブッダの教えを科学的に見るとどうなるのか、認知脳科学者の藤田一郎さんから、お話を伺っていきます。

3.ここまでの感想

私たちは、何の訓練も受けないでいると、自分の都合の良いように解釈してしまう。
心の持ちようを訓練すれば、自分勝手な思いに捕らわれず、苦しみから逃れることができる。
それが、世の中を客観的に見ることだと学びました。

私たちは、多くの情報を受けて育ちますが、周りの人や一般通念の考え方を鵜呑みにして考えてしまっていることが多いと思います。

その意味で、世の中のことを知り、観察し、客観的にものごとを捉えることは、どう行動するかにも繋がることであり、大変重要なことだと思いました。

その意味で、世の中が因果関係で動いているなら、心の問題に捕らわれ過ぎず、結果に結びつく原因をどう作り出すかが重要なポイントであるという基本に立ち返ることができました。

※NHKオンデマンド、U-NEXTなどの動画サイトで、ご覧いただけるNHK番組「100分de名著」を元に、学んだり、感じたりしたポイントをお伝えしています。

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