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人に教えるという事
やってみせ 言って聞かせて やらせてみて
誉めてやらねば 人は動かじ
人事の業務の中で大きなウエイトを占めるのが、教育です。会社によっては別の部署があったりしますが、大きくは人事の仕事かと思います。
外食の企業の場合、教育の多くはOJT、則ち現場で営業中に行うことになります。これがこの業界の離職率の高さと無関係ではないと思います。
営業中に、店舗の社員が教えることになりますので、どうしてもお客様が優先です。そうすると、忙しい時間には新人さんはほったらかしになりがちで、場合によっては邪魔者扱いされることもあります。
そう言った環境で教えるのが常なので、基本的なスタンスはみて覚えろ、となります。忙しいんだから自分で仕事を探してできるようになれと。
そりゃ辞めますわな。
とはいえ、店舗の事情を考えれば致し方ない面もあります。教育する人がオペレーションと別にいる訳ではないのですから。
教育担当部署の必要性
そこで、企業としては教育担当を人事やそれに隣接する部署に置くことになります。それによって、集合で研修をしたり、店舗に出向いて実地で教育して理します。それ以外にも社内試験を行ったり、e-Learningを活用したり、マニュアルビデオをみられるようにしたりと、新しい人が学べる環境を提供します。
これで離職率が大きく下がるはず・・・
と会社は思うのですが、実は大して変わらなかったりします。
なぜか?
それは、研修などで教わる事は、理想だからです。表現は悪いですが、実際の現場では環境が違ったりしますし、結局そこでわからない事が発生すると、直属の上長に教えてもらうしかないのです。しかし、そこが「見て覚えろ」のスタンスで変わっていないのです。
結局そこの教える立場の人の意識を変える事と、環境を整える事が重要ですね。
結局教えるのは直属の上司
そこで出てくるのが冒頭の山本五十六の言葉です。教える立場の人はまず「見本」でなければいけません。次に「理論」を持っていなければならない。その上で、相手を受け入れる器の大きさが求められるのです。
これを教えるのはなかなか難しい。今は教える立場にいる人たちも、彼らが育った環境が「見て覚えろ」だったのです。やはり人は自分が経験した事しかwからないのです。意識して勉強していかないと、そこから抜け出す事はできません。
自分が人の人生を左右する事
人のせいで自分の人生を変える事
の是非
教える人によって、相手が職をかえる事になりかねません。それは、則ち相手の人生を変えてしまう事です。それだけの責任を負っている事を頭に置き、目の前の人と相対して行かなければいけません。
逆に、教わる立場の人は、その環境のせいで職を変えるならば、自分の人生をその人のために変える事になって本当に良いのか、よく考える必要があると思います。自分の人生ですから、誰かのせいではなく自分で責任を持たなければいけませんからね。
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岡本昌巳