長編小説#2
第三章【γ】
私は、何をしていたのだろう
強く頭を打ったような痛みを感じた。
「私、、なにしてたんだっけ?」
いつも見ていた街路樹横のベンチに横たわっていたみたいだ。
体を起こすと辺りに人は誰もおらず、やけに周りが静かだった。
耳を澄ますと、遠くの方から私を呼ぶ声が聞こえてきた
「あ!いたいた!サク~!」
一人の女性が私のもとに近づいてきていた。
その女性は
ダボっとした黄色の服に下はクリーム色のカーゴパンツ、
顔は整っていて、万人受けしてそうな印象的な人だった。
「なにぼーっとしてるの!昼礼始まるよ!」
その女性は私にそう伝えた。私は何が何だか分からず答える。
「え、昼礼?それより、あなた誰?」
そう私が答えると
「何寝ぼけてるのw?ツバキだよツバキ!いつもあなたの面倒見てるツバキ!ほらいくよ」
そういって私は腕を引っ張られてどこかへ連れていかれた。
ツバキに連れられてきた場所は学校?大学?の様な場所だった
ツバキについていきながら建物の周りを見ているとどうやら学校ではなく
研究所のような場所だとその時は感じた。
ツバキは私にこう言った
「今日も大変だけど頑張ろうね」
そういって私を001という部屋に入るよう促された
笑顔で彼女は見送った。扉が閉まる直前ツバキの表情が不気味な笑みをこぼしたような気がした。
しかし、私は好奇心が先行していて
何かの研究で私はここに居るんだろうな
と、わくわくしながら椅子に座る。
「Project A. Specimen 001 to start」
何かのアナウンス始まったと同時に辺りが煙で充満している事に気づいた。
私はその煙が何かまずいものだと察して息を止めた。
が、間に合わなかった。
目の前の景色が真っ白になっていく。
真っ白になっていく視界に目の前で叫ぶ私の姿が見えた気がした。
「あの姿を私は見たことがある。なにか見落としている?」
私は答えを見つけようとしたが、床に倒れた。
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