あなたはあなたのままでいいよ
「あなたはあなたのままでいいんじゃない?」
1ヶ月前に彼からさらりと言われたこの言葉を、
わたしは一生忘れることはないと思います。
それは、とてもシンプルだけれど、
この世にある言葉のなかで、
わたしがいちばん欲しかったものだったからです。
わたしはずっと、
「社会からの評価が私のすべて」
と、思いながら過ごしてきました。
そのきっかけは、おそらく小学生のとき。
いわゆる"女の子らしく"いることに何だか抵抗があった私は、
服も、持ち物も、言葉遣いも男の子っぽくて、
『ちゃお』や『なかよし』のヒロインとは真逆のような子どもでした。
それは、私なりに自分らしくいようとしていたからです。
でも、
「そのままの自分では、好きな男の子には認めてもらえない」
と、体感的に分かっていて、
「私は個性として認められないんだ」
とも感じるようになったのだと思います。
そして、小学校卒業時、
それまで塾に通っていたこともあり、
テストの成績が一通り優秀だったわたしの寄せ書きには、
「天才!!」「これからも勉強を頑張ってね!」
といったコメントばかりで、
「ああ、私には勉強以外に何も無いんだな。」
といった思い込みも、
ここで刻まれたのだと思います。
そうして、
”私が価値ある存在になるためには、
自分らしくいるよりも、
「女性らしい」「勉強ができる(点数がとれる)」
といった、
「社会から望まれる存在」
にならなきゃいけない”、
という価値観を固めていきました。
実際、
テストの点数が高ければ褒められたし、
男性が望む彼女像(キュンとさせるテクニックとか)に自分を当てはめられたときは、パートナーとの関係もめちゃくちゃ円滑になって、
私自身を評価された安心感が、
そのまま自信に繋がっていきました。
「社会から提示されている、あるべき姿」
=「私がいちばん素敵でいられる姿」
これが、私の生き方そのものでした。
でも次第に、
その姿が窮屈に、そして苦しくなって、
パン!と弾けて身軽になったのが今のわたしです。
ただし、長い間信じてきた方程式はわたしの心の支えにもなっていて、
「社会の目」を気にする癖を捨てきれたわけではありません。
そんなわたしに、彼がさらりと言った言葉。
「あなたはあなたのままでいいんじゃない?」
それは、
「だって、あなたが有りたいままの、今の姿、とっても素敵だもの。」
とも言われているようで、
これからのわたしと小学生の頃のわたしの頭を、
ゆっくり撫でてくれたような、
外れることのなかった足枷(あしかせ)が
するりと取れたような、
そんな気持ちになりました。
そして、
ありがとう、と感謝を伝えることも、
着たい服を着るときも、
美味しい料理を食べるときも、
一層自分らしさを感じて、
その時を大切に思えるようになりました。
「わたしはわたしのままで、
あなたはあなたのままで」
これは、非常に単純で、
でも、ありのままでいることの魅力をこぼさず掬い(すくい)とってくれる、
あたたかい魔法の言葉です。
この記事を読んでくださったあなたにも、わたしから言いたいです。