「喫茶ランドリー」2号店が、田園都市線・宮崎台駅近く、「ティップネス宮崎台店」の1階にオープン!まちと接続できる1階を持つことで、真の「健康」に寄り添うフィットネスクラブへ。
「喫茶ランドリー」の2号店が5月にオープンすることが、今日正式にプレスリリースされました。場所は、東急田園都市線・宮崎台駅から徒歩2分のフィットネスクラブ・ティップネス宮崎台店の1階です。
きっかけは1年前の一通のメールから
きかっけは、ちょうど1年前のあるメールでした。当時はオープンから4カ月目に入ったころ。連日、デベロッパーや医療福祉系の方々、お坊さんに全国のコミュニティカフェ関連の方々、台湾や韓国からも視察団が、その段階でトータルで何百もの視察の方がいらしていたときでした。
メールを開くと、一瞬、あれ!?と思いました。
「ティップネス」とあるのです。
しかし、その丁寧なメールを読み進めるにつれて、あぁ、そうか、フィットネスクラブは、グランドレベルや「喫茶ランドリー」と親和性があるなぁと直感で感じました。田中に興奮気味に、「フィットネスクラブのティップネスの方からメールをいただいたよ!」と話したことは、今でも覚えています。
メールを書いてくださたのは、ティップネスの小宮さんという方でした。多くの視察の方は、写真を撮っては「参考にさせていただきます」と帰られていく中、小宮さんは、きっちりと「喫茶ランドリー」とは何なのかということを完璧に理解されていました。そして、その先に次の時代のフィットネスクラブの在り方を重ねて見ていらっしゃいました。
言わずもがな。当時私たちの最大の関心のテーマであった「健康とは何か?」という話で大いに共感し合い、盛り上がりました。お互い、肉体的な健康と精神的な健康、それでもたりないもう一つの枠「社会的福祉の状態にある」というところに興味の焦点があったのです。
そして、小宮さんは、その後も、何度も喫茶に通ってくださり、たくさんお話をさせていただきました。
世間では健康志向ですから、私たちは、フィットネス業界は潤っているのかと思っていました。そうではなく、業界内でお客様を奪い合い、依然フィットネスというものに、多くの人は敷居の高さを感じている状況が、そこにありました。
これからのフィットネスクラブはどうあるべきなのか?
1階を介して地域との新しいつながり方を持つことは可能なのか?
そんなことを考えながら、ある日、いくつかのティップネスを拝見させていただきました。
どこも施設内は、実にいきいきとしています。ひとりで黙々と鍛えるひとも居れば、さまざまなプログラムを友達と一緒に楽しむ女性の姿も数多くありました。
ただ、観察を続けていると、運動を終えると着替え、次々と退店していきます。入店する際も、常連さんはスタッフと挨拶を交わしていますが、基本数秒の出来事です。
なるほどなと。やはり1階がただのロビー空間だと人の滞留時間はほぼゼロ。ジムをやりながら、いつものアノ人がいるなと思っていても、話しかけるきっかけが、そこには生まれ得ません。非健康的空間が、コミュニケーションの完全な機会損失を引き起こしていました。
最後にうかがったのが、宮崎台店でした。そこはバブル時代に作られたのだと思われる1棟の大きなビルでした。あらゆる設備が、ほぼ揃っていて、さらに中には学童施設までもがありました。すばらしい!!ただ、やはり1階のロビーは……
これまで何度かカフェが入っては退店していったというロビーは、なんとも寂しい感じでした。しかし、ガラス面も大きいし、街からは見えるし、いい場所だなぁと、田中と共に妄想がはじまりました。
外から眺めてみると、こんな素敵なテラスまで付いているのです。田中は小宮さんに、この1階は「喫茶ランドリー」のような場所が合っていますね、と自然と話はじめていました。
その後、私たちは企画書をつくり、提出させていただきました。
そこから、さまざまな議論が行われていったのですが、当初は正直なところ、果たして企業が主体となり、「喫茶ランドリー」のような非常に人間的な場所作りをどこまで実践できるのだろうかとう不安はありました。
ところが、小宮さん以下、そこで組まれたティップネスのチームの皆さんが、また素晴らしかったのです。「喫茶ランドリー」に対する理解と愛と、新しいカタチのフィットネスクラブをつくるのだという想いの下、プロジェクトは着実に一歩一歩進んでいきました。
ティップネスの皆さんとの多くの時間を「喫茶ランドリー」という場で過ごすことで、その共有の深度はどんどん深まっていきました。
そして、先日、田中は日々宮崎台店で働く従業員の皆さんにも、「喫茶ランドリー」のお話をさせていただく機会をいただきました。それを踏まえた最後の支配人の方の従業員に対するメッセージには、感動するものさえありました。あぁ、これはやれるかもしれないと、大きな確信へと変わった瞬間でもありました。
このような対話を経て、本日のプレスリリースとなったわけです。
補助線のデザインを重ね、オーナーシップを譲り続ける
今回、きちんとお伝えしなくてはいけないのは、宮崎台の事業者はあくまでティップネスということです。
働く方々も、宮崎台の周辺に住まう方々です。
(日々、面接を行っているのですが、ここでの感動体験は、また後日に。ちなみにアルバイト募集は、予定に反し、すぐに募集が停止となりました)
私たちがつくるのは、あくまでも「器」であり、その中でティップネスのチーム喫茶ランドリーの皆さんが躍動し、またその中であまねく人々が躍動する姿を創出することが目的です。
私たちグランドレベルが行うのは、あらゆる階層において、人々の「能動性」を引き出すために、投げかける言葉一つから、空間のディテールに至るまでの、すべての「補助線のデザイン」です。
実際の設計は、「喫茶ランドリー」と同じく石井大吾さんに協力いただいていて、また、「喫茶ランドリー」のママスタッフたちも、今後最大限のサポートをしてくださると心強い言葉もいただいています。
「喫茶ランドリー」についての理解が深い方は、今回の宮崎台店が、森下・両国の「喫茶ランドリー」とは、全く同じものにはならいことは、もうわかってくださっていると思います。
ティップネスや、宮崎台店で働きはじめる地元の方々による新しいオーナーシップの中で、あまねく市民の能動性が発露されれば、フィットネスクラブとまちのエッジで、何が起きるのか。フィットネスクラブという存在は、どう変わることができるのか。
私たちの「喫茶ランドリー」がそうであったように、メニューもサービスも、そこで起きる出来事も、あらゆることが変わり続けていくことになるでしょう。
この1年、私たちが体現してきた森下・両国の「喫茶ランドリー」とは別の、もうひとつのストーリーが立ち現れていくと考えると、本当に楽しみです。
オープンまで、あと1カ月、頑張っていきたいと思います。
というわけで、今日はこの辺で。
1階づくりはまちづくり。
大西正紀(おおにしまさき)
ハード・ソフト・コミュニケーションを一体でデザインする「1階づくり」を軸に、さまざまな「建築」「施設」「まち」をスーパーアクティブに再生する株式会社グランドレベルのディレクター兼アーキテクト兼編集者。日々、グランドレベル、ベンチ、幸福について研究を行う。喫茶ランドリーオーナー。
*喫茶ランドリーの話、グランドレベルの話、まだまだ聞きたい方は、気軽にメッセージをください!
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