自分なりの「決め方」を持つ(2/2)
【ポイント】
正解のない問題に直面することの多いビジネスの世界では「決め」が重要である。ところが、決めにはリスクが伴うため、誰も決めようとはしない。
この現実を打破するのは「納得」しかない。「正しいか」を「正しいと納得できたか」に置き換えると話は違ってくる。リスクに勝る納得感を手にした時、人は躊躇なく決めることができる。
決めるには6つの方法がある。どの方法で決めるにせよ、自分なりの決め方(=決めるパターン)を持つことで迷いは軽減し、決めることに納得感が生まれる。
さて、今回は「決め方」の2回目です。
前回の内容を簡単に振り返っておきましょう。
私たちは地位が上がるにつれて「正解のない問題」に直面する機会が増えます。しかし、正解のない問題を解くのは容易ではありません。なぜなら、正解のない問題には正解がないばかりか、効果的な解法すら示されていないからです。つまり、他人と合意形成しようにも説得材料に乏しいわけです。
この時代、自分だけ、気心の知れた仲間だけではビジネスを前に進めることはできません。多くの人たち(=ステークホルダー)を巻き込むしかないのです。そこにきて説得材料が乏しいわけですから、正解のない問題は私たちのビジネスにとって相当な難敵です。
私は今回、正解のない問題を解くためのヒントを「決め」に求めました。
「決め」とは、すなわち決めることです。
正解のない問題を前に進めようとすれば、リスクを取って決めるしかありません。ところが多くの人たちは決めることを嫌います。リスクを取りたくないからです。皆さんの上司を思い浮かべていただくときっと納得いくはずです。
さて、話を前に進めましょう。
決めや仮説が正しいかは結果が出てみなければわからないわけですが、正確には、結果が出た後もわかりません。なぜなら、正解のない問題には答えや答えに到達するための手段は無数に存在し、私たちはその中からひとつを選択するしかなく、他の手段を試せないからです。
考えれば考えるほど、正解のない問題を解くのは難しくなってきました。
ところが「正しいか」を「正しいと納得できたか」に置き換えると話は違ってきます。「正しいと納得できたか」は、結果を待つまでもなく、今、判断できるからです。
スポーツ番組などで、選手が「これまでやってきたことは間違いではなかった」と言うのを耳にしますが、果たして彼の選択が最良だったのかは神のみぞ知るところです。しかし、「間違いではなかった」と納得ができるのは素晴らしいことです。
話が複雑になってきたので、ここまでの内容を整理すると、
「正解のない問題を解くには『決め』が必要だが、その場合は正しく決めようとするのではなく、正しいと納得して決めることが大事」
ということになります。
最後に、決めに対して私が工夫していることを紹介して話を締めたいと思います。。
納得して決めるために、私は6通りの決め方を工夫しています。
1. 可能性や確率をもとに決める
2. 客観的な正当性をもとに決める
3. 欲求や要望、ありたい姿や目指したい方向性をもとに決める
4. 目指さなければならない姿や方向性をもとに決める
5. 選択要素を後に他の要素に切り替えた際の影響の大きさ、切り替えやすさや調整の難しさなどをもとに決める
6. 状況の追跡のしやすさや、評価や判断の下しやすさなどをもとに決める
このうち、5と6はテクニックに着目している点で、1から4とは決め方の質が異なります。私は、1から4を「結果志向の決め方」、5と6を「管理志向の決め方」と呼んで区別しています。
いずれにせよ、自分なりの決め方(=決めるパターン)を持つことで迷いは軽減し、決めることに納得感が生まれます。そのためには、「決め」を意識しつつ経験を積むことが大切です。
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