紙飛行機

#9 山の上の不思議な郵便局

こんにちは!
毎週月曜日開館の【Vivid Books】へようこそ!

今日は高校生のころに読んだことのある、ヒューマニスティックでファンタジックな一冊をご紹介します。

目次
1.今週の一冊
2.内容
3.学び・気づき
4.さいごに

1.今週の一冊

タイトル:幻想郵便局
作者:堀川アサコ
出版:講談社、2013(単行本版は2011)


2.内容

短大を卒業し、就職浪人中の安倍アズサ。特技は「探し物」。

ある日、履歴書の特技欄を見て名指しでアルバイトの求人があったと、就職課の職員から連絡を受けます。

そしてアズサは、田んぼに囲まれた小さな山のてっぺんにある郵便局でアルバイトをすることになったのです。

そこには顔が赤い大男やオネエ言葉を使うおじさん、郵便配達の名人と呼ばれるおじいさんがいました。

ここはただの郵便局ではなく、あの世とこの世をつなぐ大事な役割を持った場所でした。ここには生きている人だけでなく死んでしまった人も訪れます。

アズサは郵便局の土地の起請文探しや、怨霊となって現れる真理子さんを殺した犯人捜しをしていくうちに、事はどんどん大きくなって・・・


というようにストーリーは進んでいきます。

田舎の自然あふれる情景や、アズサが出会う不思議な人々とのやり取りに心癒されながらも、今後の展開がどうなるんだろうとハラハラする感じも味わえる一冊です。


3.学び・気づき

この本には作者の堀川アサコさんの「死んだ人は、消えてしまうのではない」という気持ちが込められているそうです。


人は死んだらどうなるのでしょう。

天国に行く、地獄に行く、他の生き物に生まれ変わる、なんて言われています。でも本当かどうかは誰にも分かりません。知っているのは神様だけでしょう。

自分はいつ死ぬのか、死んだらどうなるのか。

明日は本当に来るのか、幸せになることはできるのか。

人間には到底知りえないことかもしれません。


ですが、知りえないことだからあれこれ空想することができます。

この世に生きている人から死んだ人へ手紙を届ける郵便局があったなら。

とても素敵な空想でした。僕にとっての大事な宗教の一つです。


4.さいごに

実はこの「幻想郵便局」以外にも、生きているって何? 死ぬって何? を問う堀川さんの作品は「幻想シリーズ」として何作か続きます。

とても読みやすい文体ですし、ファンタジックな要素もあるので、高校生でも十分読めると思います。読書苦手な人の入門にも。

もうすぐ10連休ですね。

せっかくですから外に出て遊ぶのもいいでしょう。

1日くらいゆっくりと本を読んで過ごすのもいいでしょう。


次の定期投稿は月曜日【Vivid Books#10】です。
それではまた。


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