線路は続くが終電がない#1
電車が目の前で発車する。目的地と出発地を間違えて検索していたらしい。
主役になれなかった飲み会の帰り。
もうすぐ25歳になろうかという社外人3年目にして、終電を逃して途方に暮れていた。
俺の最寄りとこの名古屋駅では、2分違いで電車がなくなる。
階段を上がってホームに登った時に停車していた電車を見て、すぐ乗り込めると嬉しさすら感じていた。車掌と目があったがそこに同情の光はなく電車は空気を吐き出して戸を閉じた。
ホームにいても仕方ないので、改札を出ようとした。タッチした瞬間