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島嶼化した日本人 その6 笑うクロザル

アフガンがタリバンに支配されることになり、また20年前の状況に戻りました。国内では相変わらず抗争が続き、そのうちまた別の軍閥が主導権を握ることになるでしょう。
今度も人々は難民となって広い大陸をあちこちと彷徨をすることになりますが、そんな歴史を何千年も繰り返しながら、これからも紛争を続けていくことでしょう。

一方の日本のような島の住民は、隣人と問題を起こしても、大陸の難民のように避難場所を求めて移動することはできません。
ですから島の文化は争いを起こさない方向に進化したようで、まずはお互いに親密さを表す挨拶言葉が発達しました。

出稼ぎに行った二世が、「いつもお世話になってます。」と挨拶されて、「オレいつ世話したっけ ?」。
また、「お疲れさまでした」と言われて「オレ疲れてねえよー」と答えたそうです。
「お早うございます」を外国では「良い朝」と言いますが、日本のおはようは「早くから精が出ますね」という世辞だそうです。
ポルトガル語にはない敬語、丁寧語、謙譲語が日本語には多くあり、拙宅 弊社 愚息、何もありませんが、珍しくありませんが、などと下手に出でます。

インドネシアのスラウェシ島 (旧名セレベス) にはクロザルがいます。
ニヤリと笑う珍しい猿ですが、スラウェシ島には大型肉食獣がおらず、果実がなる木も多く食糧に恵まれている島で、競合するようなオランウータンなどのライバルもいない平和な島です。

普通の猿に鏡を見せると牙をむいて怒りますが、クロザルに見せると口をパクパクさせて「よろしくね」と笑って挨拶をするそうです。
無駄な争いを未然に防ぐこのクロザルの笑いは日本人と似ていますが、二つの群れが出会っても激しい喧嘩にはならないそうです。

【今日の名言】
★人は怒ると目を大きくし、喜ぶと細くする。

★ハッタリは目下の者にしか効かない。

★すぐに約束する者は、すぐに忘れる。

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田附正甫 from ブラジル「地球の裏側から見た日本」
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