【初心者向け】パーソナルトレーナーがご案内するボディメイクコンテストの世界
みなさんはボディビルダーになってコンテストに出場してみようなんて思ったことありますか?
正直私は夢にも思ったことはありませんでした。
トレーナーを志すまでは。
お読みいただいてありがとうございます。
パーソナルトレーナーの伊藤真暉です。
肉体美を競うコンテストといえば、ムキムキの筋肉を身につけた超人たちの祭典、といったイメージがありませんか?
極限まで肉体を鍛え抜いたボディビルダー達の戦いであって、私のような一般人とは縁のない特殊な世界だと思っていました。
ところが近年、老若男女どんな人でも楽しく日々のトレーニングの成果を発表できるコンテストが、つぎつぎと開催されているようなのです。
もちろんプロ級の選手がしのぎを削るコンテストもありますが、初心者向けや、年齢別や体格別にクラスを分けて、幅広い方々が自由に参加できるように配慮がなされたコンテストも多くなってきているようです。
となれば、トレーナーを志す自分が知らないわけにはいきません。
きついトレーニングや、つらい食事制限をお客様に強くお勧めしなければならない職分ですから。
自分自身が目標を決め、それに向かっていく経験を積むことによって、本当の意味でお客様に寄り添い続けることができるのではないでしょうか。
そこでこのコラムでは、近年とてもさかんに開催されているボディメイクコンテストについて調べてみました。
たくさんあるコンテストを、それぞれの特徴によってカテゴリー分けをして、まずは知るというスタートラインに立ってみたいと思います。
もしもみなさんも興味がおありでしたら、自分が出場してみたいコンテストが見つかるかもしれませんよ。
■コンテストのカテゴリー
1:ボディビル系
身体全体の筋肉を大きく鍛え抜き、体脂肪を極限までそぎ落とします。
彫刻のような鋭い陰影を追及し、筋肉の存在感を圧倒的な迫力で表現する競技です。
このジャンルはある程度トレーニング経験豊富な上級者向けという印象があります。
【主なコンテスト・主催団体】
○JBBF 日本ボディビル・フィットネス連盟
○NBBF 日本ナチュラルボディビル連盟
○IFBB 国際ボディビルダーズ連盟
○NABBA 全米アマチュアボディビル協会
★これらの団体はボディビルコンテストだけではなく、下記のフィジーク系、ボディメイク系などのコンテストも合わせて主催しています。
2:フィジーク系
ボディビルのように身体全体の筋肉を大きく鍛え上げるのではなくて、比較的スマートな肉体美を競うものです。
「夏のビーチで格好良く見える身体」が基本的な考え方となりますので、男性はサーフパンツ、女性はビキニを身につけ、笑顔や所作のさわやかさなども大切な評価ポイントとなります。
伝統的なボディビル大会よりは比較的新しく立ち上がったカテゴリーで、経験豊富な競技者だけでなく、一般的なトレーニング愛好者や初心者でも参加しやすい大会も開催されています。
【主なコンテスト・主催団体】
○FWJ フィットネスワールドジャパン
○MUSCLE GATE マッスルゲート
★これらの団体もフィジーク系だけではなく、ボディビル系、ボディメイク系、モデル系などのコンテストも合わせて主催しています。
3:ボディメイク系
ボディビルやフィジークが「競技者が表現する肉体美」だとするならば、ボディメイク系は「一般人が日ごろの努力の成果を見せる健康美の発表会」といった趣向に近いのではないでしょうか。
近年次々と新しい団体がバラエティ豊かなコンテストを創立し、老若男女あらゆる人たちが親しめるように創意工夫を凝らしてくれています。
健康な身体づくりに目覚めたら、このボディメイク系コンテストを一つの目標としてみるのも良いかもしれません。
【主なコンテスト・主催団体】
○BBJ ベストボディジャパン
○SSA サマースタイルアワード
○SBC スーパーボディコンテスト
4:フィットネス系
躍動的に活躍しているフィットネストレーナーがジムを飛び出しステージに立つ、といった感じでしょうか。
その明るくて躍動的な美しさを表現するコンテストですが、ボディメイク系やモデル系の要素も併せ持つ自由な趣向があるようです。
中にはあまり筋肉をつけるのではなく、女性らしいボディラインに特化したコンテストもあります。
【主なコンテスト・主催団体】
○FITNESS STAR フィットネススター
○FITNESS ANGELフィットネスエンジェル
5:モデル系
スポーティな健康美からさらに世界を広げ、アーティスティックであったりファッショナブルであったり、様々な魅力を発掘するこのモデル系。
必ずしも仕上がった肉体を露出するだけではなく、ダンスのような優雅な動きが求められたり、ウエアの着姿の素晴らしさが評価されたりもします。
上記でご紹介したボディメイク系やフィットネス系コンテストの一部門として活発になったものもあれば、ミスユニバースのような伝統的なミスコンテストも広い意味ではこのカテゴリーに含まれるでしょう。
【主なコンテスト・主催団体】
○BBJ ベストボディジャパン
○SSA サマースタイルアワード
○SBC スーパーボディコンテスト
○NABBA 全米アマチュアボディビル協会
○FITNESS STAR フィットネススター
○FITNESS ANGELフィットネスエンジェル
○ミスユニバースジャパン
6:その他
トレーニングの一種目を競技へと高め、記録へのチャレンジを追求する方向性もあります。
競技を通じて身体作りを行い、勝てる身体、記録へチャレンジし続ける身体を求めて行きます。
シンプルゆえに奥が深いのだと思います。
【主なコンテスト・主催団体】
○全日本ベンチプレス選手権大会
○全日本パワーリフティング選手権大会
■初めて出るならどのコンテスト?
調べてみるとこんなにもたくさんのコンテストがあって驚きました。
それぞれの団体が独自のポリシーやコンセプトをもって開催しておりますので、同じ肉体美を競うコンテストでもずいぶん趣向が違うものだとわかります。
ザックリとした印象ですが、ボディビル系やフィジーク系には長い歴史と権威のあるコンテストが多く、ボディメイク系やフィットネス系・モデル系には比較的新しく自由な発想でより多くの一般の方々へ門戸が開かれているようです。
もし私が出場してみるとするならば、ボディメイク系でしょうか。
さすがに現状から一気にボディビルの舞台へ、というのはキツイと思いました。
ボディメイク系のコンテストでは極端な筋肉の量よりは、バランスよく鍛えられたスマートで健康的な美しさを評価されます。
一般的な体型からでも頑張れば参加できそうですし、目標にしやすいように思います。
また自分がこのボディメイク系のステージを経験しておけば、将来のお客様にもその体験を共有し、目標としてご提案できるのではないかと考えました。
■2大ボディメイク系コンテスト
コンセプトがわかりやすく打ち出されていて、情報量も規模も大きい二つのボディメイク系コンテストを2つピックアップして、もう少し詳しくご紹介しましょう。
(以下の情報は2022年2月時点でのリサーチによるものです。
頻繁に変化しますので、詳しくは公式WEBサイトなどでご確認ください。)
【ベストボディジャパン(BBJ)】
●コンセプト
世界初。年齢別のミスター&ミスコンテスト。
全ての人が笑顔にあふれ、心身ともに健康な生活を送れるように。
日々のトレーニングの目標として。 人生の目標として。
外見と共に内面も重視。 「知性・品格・誠実さ」も審査する。
●開催場所・大会の数
北海道から沖縄まで約40箇所にものぼる主要都市で開催されています。
毎年4月頃から始まり、11月でファイナルを迎えます。
その間、毎月3~5回ほどの頻度でさまざまな地域で開催されますので、ご都合の良い時期と開催地域を自由に選んでチャレンジすることができます。
●クラス
男性 フレッシャーズクラス 18歳~29歳
ミドルクラス 30歳~39歳
マスターズクラス 40歳~49歳
ゴールドクラス 50歳~59歳
レジェンドクラス 60歳~年齢無制限
女性 ガールズクラス 18歳~29歳
レディースクラス 30歳~39歳
ウーマンズクラス 40歳~49歳
クイーンクラス 50歳~59歳
プラチナクラス 60歳~年齢無制限
●部門
ベストボディジャパン部門
モデルジャパン部門
マッスルモデル&フィットネスモデル部門
●ジャンル別&職業別大会
カレッジ部門
プロスポーツ部門
インストラクター部門
パーソナルトレーナー部門
グラマー部門
ドクター部門
看護師部門
公務員部門
弁護士部門
警察官部門
自衛隊部門
消防士部門
YouTuber部門
【サマースタイルアワード(SSA)】
●コンセプト
世界初。身長別のスタイルを競う大会 。
トレーニング文化を通して健康意識を高め、自信や目標を持つ事の素晴らしさを伝えたい。
夏が一番似合う男性・女性を決める大会。
健康的でたくましく、スタイルがよく、かっこよさを追求する。
●開催場所・大会の数
東北、関東、中部、関西、九州の主要都市にて開催されています。
4月から初戦が開幕され、12月の決勝大会まで約20会場にて予選大会が開催されますので、ご都合の良い時期と開催地域を自由に選んでチャレンジすることができます。
●部門・クラス
スポーツモデル(ビースティ)部門
男性 18歳以上 ①身長170cm以下 ②170~176cm ③176cm以上
ビキニ(ベティ)部門
女性 18歳以上 身長によるクラス分けなし
フィジーク部門
男性 18歳以上 出場人数が多い場合、身長によるクラス分けあり
スタイリッシュガイ部門
男性 18歳以上 ①身長170cm以下 ②170~176cm ③176cm以上
ビューティーフィットネスモデル部門
女性 18歳以上 short(161cm未満) tall(161cm以上)
ビューティーフィットネスモデル部門+40部門
女性 40歳以上 出場人数が多い場合、身長によるクラス分けあり
ビキニモデル部門
女性 18歳以上 short(161cm未満) tall(161cm以上)
ビキニモデル+40部門
女性 40歳以上 出場人数が多い場合、身長によるクラス分けあり
サーフモデル部門
男性 18歳以上 出場人数が多い場合、身長によるクラス分けあり
ヘラクレス部門
男性 37歳以上 出場人数が多い場合、身長によるクラス分けあり
ヴィクトリア部門
女性 37歳以上 出場人数が多い場合、身長によるクラス分けあり
甲子園部門
男性 18歳までの若年選手
新人類部門
男女共に18歳以上で下記の職業カテゴリーを選択
ダイエットモデル
サラリーマン(男性) 総務・営業・広報など「会社員」であればOK
医療系(女性)医師・看護師・助産師・管理栄養士・歯科衛生師ほか
トレーナー(男女)
親子モデル パパ・ママ・お子様のチーム出場
ペアモデル 男女ペアチーム出場
フィットネスモデル(女性)スポーツブラ・ロングレギンス着用
デニムモデル(男性)デニムジーンズ着用
■まとめ
たくさんのコンテストがあるなかで、とくに規模の大きな二つのコンテストについてご紹介いたしました。
とても細かく多種多様な部門やクラスに分けられ、それぞれすべてにおいて審査基準が設けられていることに私は驚きました。
一見たくさんありすぎて複雑に見えるのですが、二つのコンテストに共通することは、一人でも多くの人にスポットライトを当てたいという主催者の思いではないでしょうか。
極限まで鍛え上げたアスリートだけではなくて、健康で豊かな人生を願う全ての人たちのために輝けるステージを用意したいという愛情のようなものを感じました。
ご紹介した二つのコンテストはとてもよく似ているのですが、お互いにちょっと異なっている特徴を挙げるとすれば以下のとおりだと思います。
【ベストボディジャパン】
年齢によるクラス分けがとても細かいので、同年代と競う楽しさと公平さがある。
外見と共に内面も重視。 「知性・品格・誠実さ」も審査する。
ステージでのパフォーマンスだけでなく、SNS等で発信される人間像も評価対象となる。
【サマースタイルアワード】
身長によるクラス分けによって、体格差による勝敗がないよう配慮されている。
かっこ良さの追求、というわかりやすくシンプルな価値観。
出場者も観客も楽しめるショータイムとしての演出。
賞金が出る。
さまざまなコンテストの特徴や違いがわかってくると、自分の年齢や体格、好みや性格、今現在のコンディションに合わせて出場するコンテストを選べることがわかってきます。
このコラムでご紹介したのはたくさんのカテゴリーのなかでも一部に焦点を当てたものにすぎません。
少しでも興味をお持ちになった方は、各コンテストの公式WEBサイトをご覧になってください。
冒頭でもふれたように、たくさんの観客や審査員の前に立ち、ステージでスポットライトを浴びるなんて、今までの人生で考えた事もありませんでした。
ところが、知れば知るほど主催者たちの熱い想いや、出場された皆さんのひたむきな姿に感動を覚えます。
私もいつか、そのステージに立ってみたいという想いが芽生えました。