
「意味あるの?」って台詞の意味。
こんにちは。地元の散髪屋さんと映画とか歴史とかの話で盛り上がってしまいます。お互い好きな内容なので、聞き耳の広げ方がすごい。
悪夢のような質問。
レゴ®シリアスプレイ®の真髄は「心理的安全性」だと思っています。この安全性を担保しているのが「コンストラクショニズム」と「フロー」というふたつの理論です。これらの理論によって「作りながら考え」、「全員が同一の環境」を持ち、「スキル間の差」を埋めていくことが可能だと考えています。
もうひとつ、コミュニケーションにはとてつもなく大きい課題があります。それが心理的安全性の場での「意味あるの?」問題です。人はどうしても自分の固定観念から物事を見てしまいますし、この悪夢のような質問は人のアイデアを生み出す観点の芽を根元から折ってしまう危険性がありますね。
レゴ作品、レゴブロックに対して「意味」を問う。
しかしながら、レゴ®シリアスプレイ®では積極的にこの質問を多用します。ただしそれは「個人」に向けるのではなく、そして「個人の意見」に対してでもありません。「意味」を問うていくのはあくまでも「レゴ作品」に対してのもの。作品同士で対話をするレゴの醍醐味と呼べるのかもしれません。
例えば「技術者としての自分とデジタルトランスフォーメーション(DX)との関係を作る」という問いに対し、ある作成者がこんな作品を作って説明をしていったとします。作成者はブロックのひとつひとつに意味付けを行い、そして丁寧に指差しをしながらこの作品の説明をしていくことになります。

「何か意味がありますか?」が作成者への変化を促す。
もしここで、この作品の一番下にあるオレンジ色のプレートについて触れることがなかった場合、他の参加者は間違いなく「このオレンジのプレートには何か意味がありますか?」と問うと思います。作成者にはここでひとつめの変化が生まれます。それはこのブロックについての説明の場の生成です。
ふたつめの気づきとして「なぜこのプレートを付けたのだろう」「このプレートはどうしてこんなところについているのだろう」という学習の機会を得るわけです。みっつめとして実際に指を指しながら説明をする。色、位置、形状、周りのブロックとの関係性。ここに新たな「言葉」が生まれてきます。

「意味あるの?」による「合意」への探求。
既に答えがわかっているのなら意味があるかないかなんて問う必要がないです。分からないからこそ意味を問うのだと思います。それでも「意味あるの?」と問いたいのではあれば、レゴ®シリアスプレイ®のワークショップを実施してもいいのかもですね。そこには「意味あるの?」が溢れています。
そして「意味あるの?」が溢れても問題ない心理的安全性の環境を作り出すのもファシリテーターの仕事なのかなと感じてもいます。参加者同士がレゴ作品を通じて意味を確かめあい、妥協や同意ではない「合意」を探求することができたなら、そこには必ず「意味がある」のだと思いたいものです。
最後に。
レゴ®シリアスプレイ®は聞き耳も広げますが、口角も上げていきますね。ポジティブな「意味あるの?」が溢れる世界は楽しいはず。
