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【感想】Netflixドラマ『イントゥ・ザ・ナイト』シーズン2
イントゥ・ザ・ナイト:S2完走。太陽光を浴びたら即死という世界が舞台のベルギーNetflixドラマ。主要キャラでも容赦なく殺す緊張感ある脚本は健在。サバイバル群像劇にミリタリー要素が合流し、◯◯映画に外れ無しと言われるあの乗り物が!あと第3話の撮影良かったなぁ。 https://t.co/4qbQd8UbJa
— 林昌弘,Masahiro Hayashi (@masahiro884) September 11, 2021
『イントゥ・ザ・ナイト』はベルギー製のNetflixドラマ。
Netflixにとっては初のベルギー製作オリジナル作品らしい。
シーズン1は2020年5月1日、シーズン2は2021年9月8日に配信。
ちなみにYOASOBIのヒット曲『夜に駆ける』の英語バージョンとは無関係w
この楽曲の出現によって「イントゥ・ザ・ナイト」という言葉の日本カルチャー界隈での勢力図が一気に塗り替えられてしまったw
(僕も曲自体は好きなんですけどね)
設定はとてもシンプルで「太陽光を浴びると即死するようになった世界」が舞台のSFスリラー。
シーズン1はこの太陽光の性質が変わった瞬間から。
夜のブリュッセル空港で1人の男が飛行機をハイジャックして「今すぐ離陸しろ!太陽を避けて西へ向かえ!」という「え?何言ってんの?思想を持ったテロリストってわけでもなさそうだし…」なところから物語が始まる。
この設定が鉄壁のタイムリミットを作り出しているのが本作のミソ。
どんな技術を使っても日の出と日没の時間はコントロールできないため時間稼ぎという手段が通用しない。
なにせ地上には隠れる場所さえ無いのだから。
シーズン1はとにかく飛行機に乗って太陽から逃げ続けて地球上を転々としていく密室サスペンス&サバイバル群像劇になっていた。
イントゥ・ザ・ナイト:ベルギーのNetflixドラマ。太陽光を浴びると死亡という状況下で飛行機が舞台の密室サスペンス。なかなかの佳作!巧みに伏線を張りながら次々と事件が起きて緊張感は持続。サバイバルものらしく政治ドラマ要素も。40分×6話というサイズもダレなくて良い。https://t.co/4qbQd8UbJa
— 林昌弘,Masahiro Hayashi (@masahiro884) May 2, 2020
ジャンルは異なるがテイストはゾンビ映画に近い。
ツカミの困難を乗り越えた生存者たちがサバイバルしていく。
誰を生かすのか?
誰を殺すのか?
何を優先するのか?
全員を生かすためには少数の犠牲は仕方ないのか?
要は極限状態での社会・政治の話になっていく。
エピソードやシーズンを重ねていくドラマ作品ではゾンビの恐怖や太陽光の危険性で引っ張り続けるのは難しいため必然的にこういったストーリーになっていくことが多いように思う。
なので本作もシーズン2に対して「太陽光を浴びたら即死という設定がシーズン1より活かされていない」という指摘はあろうかと思うが、まぁそれはこの手のジャンルにとって不可避な課題である。
逆に言えばそれを乗り越えられた作品が歴史に名を残す傑作になるのかもしれない。
本作がそれに値するかというと…そこまでは到達していないというのが僕の肌感覚。
本作の特筆すべき点は主要キャラでも容赦なく殺す脚本。
ネタバレ回避のため誰が死ぬかは伏せるが「まぁこの人は主要キャラっぽいし最終シーズンまで生き延びそうだよね」という視聴者の穿った見方をどんどん裏切ってくる。
緊張感はずっと持続。
今シーズンも第2話の展開は痺れたなぁ…
それが最終話の伏線に化ける展開もまた痺れる。
シーズン2は前シーズンのラストからの続きでミリタリー要素が加わっている。
今回は飛行機で移動する場面は少なく、基地の中での軍人vs.乗客という構図の政治バトルに。
後半はさらに軍事色が濃くなってくる。
シーズン2ではロシアという仮想敵国が設定されているが、第4話のジア登場シーンを使って説明されるように様々な国籍のキャラクターがいる国際色豊かな作品になっている点も興味深い。
ツイートで一応伏せた格言は「潜水艦映画にハズレなし」
いやー、潜水艦が初めて出てきた場面はテンション上がったw
これがまた画がアガるように作られているんですよね。
飛行機以外に太陽光を避けて進める乗り物にはこれがあったか。
個人的にシーズン2で好きだったのは第3話。
出発前に基地内で色んな人が会話するワンカットシークエンスや空港まで猛スピードで飛ばすドイツ車の撮り方がとても良かった。
調べたらカミーユ・ドゥラマーレという方がシリーズ初監督を務めた回だった。
ツイートでは撮影を褒めたけれど編集技師出身の人だった模様。
「お、何かこれまでのエピソードとは演出が違うぞ?」という感覚は合っていたけれど分析は的外れという形に。恥ずかしいw
(いや、ワンカットのシークエンスだから撮影だけでなく編集の妙技という見方も…まぁ無理がありますねw)
不満点を挙げるとすれば、各話のタイトルが登場人物の名前になっており冒頭で地球がこうなる前にどんな暮らしをしていたかが少しだけ描かれるのだが、これが正直あまり上手く機能していると思えないこと。
海外ドラマのクラシック作品『LOST』みたいな感じを狙っているのだろうか?
シーズン1で乗客たちのバックボーンが明らかになっているため追加情報になっていないように感じてしまった。
「この人は今はああいう風に振る舞ってるけど実は…」みたいなのがあれば有効だと思うんだけども。
まぁその辺りはシーズン3で回収されるのかもしれない。
グローバルでどれくらいヒットしているか不明だけど何とかシーズン継続してほしいなぁ。
『イントゥ・ザ・ナイト』はNetflixで配信中。
1話30〜40分の全12話(6話×2シーズン)なので見やすいです。