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【感想】Apple TV+ドラマ『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』第1〜2話
モナーク レガシー・オブ・モンスターズ(11/17):第1・2話。ギャレゴジと直結する海外ドラマ版ゴジラ。『TOKYO VICE』に続きがっつり東京ロケ!新宿と蒲田の位置関係w現代パートはミステリーで過去パートはSFホラー。第2話ラストは平成ガメラも彷彿。そして生島ヒロシw https://t.co/GrheBp5nSG
— 林昌弘,Masahiro Hayashi (@masahiro884) November 17, 2023
まだまだ映画館を賑わせている『ゴジラ-1.0』
偶然なのか狙ったのかその公開から2週間後にApple TV+でレジェンダリー版ゴジラの新作が始まった。
いわゆるモンスター・ヴァースの1本。
今回は映画ではなく実写ドラマ。
2年前は東宝とレジェンダリーの契約終了の噂も報道されていたが、そこは何とかクリアされた模様。良かった。
『GODZILLA ゴジラ』(2014)から『ゴジラvsコング』までモンスターバースの4作品を手がけたプロデューサーのアレックス・ガルシア氏、そして『シン・ゴジラ』(2016)監督の樋口真嗣氏は、以前から東宝とレジェンダリーの契約が『ゴジラvsコング』をもって終了することを明かしてきた。2021年4月、米The Hollywood Reporterも「東宝がレジェンダリーとのパートナーシップを継続するかは分からない。東宝も独自のゴジラ・シネマティック・ユニバースを検討しているのだ」と報じている。ならば争点は、ゴジラの再登場が叶うかどうか、ということになろう。
ただし『ゴジラVSコング』のアダム・ウィンガード監督の希望とは裏腹に『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』は今のところ人間ドラマが軸になっていきそうな雰囲気。
米Entertainment Weeklyにて、ウィンガード監督は「もしモンスターバースの新作映画が作られるのなら、初めての徹底的な怪獣映画にすべき」と語った。「人間の出番は30%くらいで、あとは怪獣。“この手の映画はこういうもの”という常識をひっくり返してほしい」
個人的には映画ではなくテレビドラマ(テレビシリーズ)であるからには演出以上に脚本で魅せてほしいのでこの方向性には大賛成。
たかが2時間の映画で人物背景を掘り下げるのはやはり限界がある。
だからこそ映画は演出の快楽でテレビドラマは脚本の快楽であるべきだ。
もちろんNetflixアニメの『GAMERA -Rebirth-』みたいに毎話違う怪獣が出てきてゴジラと戦うという案もあるにはあるが…近年のピークTV時代を経た今の海外ドラマ市場で戦うには厳しいと思われる。
さて、そんなわけで(?)再生ボタンを押すと髑髏島のアバンタイトルを挟んで物語は羽田空港からスタート。
…ってこれ完全に東京ロケ!?
ハリウッド作品にありがちな日中韓ごちゃ混ぜのトンチキ日本じゃない!
『TOKYO VICE』に続き素晴らしい志。
海外の撮影監督が撮った日本の街ってなぜか数割増しで良く見えるんだよなー
羽田空港第1ターミナルがめちゃくちゃカッコいいw
最近ではホン・ギョンピョが撮った『流浪の月』もそうだった。
やっぱり日本人とは違うツボで撮るからなんだろうか?
で、このタクシーが走ってるのは渋谷か?いや新宿か?なんて考えてたら運転手がまさかの生島ヒロシwww
「サンフランシスコに現れたゴジラはCGで作られたフェイク映像」と言い出す陰謀論者w
仮にもTBSラジオで毎朝ニュースを扱ってるのに大丈夫なのでしょうかw
(ちなみに記事中の「平君」は本作にも出演している平岳大のことで、彼の所属事務所は生島企画室)
劇中の2015年の東京(シン・ゴジラの1年前の設定なのがニクい)は避難施設や迎撃ミサイルといったゴジラ対策が整えられている。
見慣れた東京の街中に貼られたゴジラ避難経路の標識は意外や意外とても新鮮。
Do you know where your nearest Godzilla Evacuation Shelter is? pic.twitter.com/ip1iKjgCck
— Apple TV (@AppleTV) November 16, 2023
このシーンとか最高でしたね。
シェルターは新宿三丁目駅!
ちなみに東京のシーンでは他に蒲田や神田も。
この辺の店は私も好きですw
ひっくるめてTokyo扱いというか、新宿から少し歩いたら蒲田とかっていうザルな位置関係はまぁご愛嬌か。
ちなみに第1・2話を演出したマット・シャックマンは『シン・ゴジラ』が好きだそうで(日本人以外にもあの面白さが伝わるのか!)なるほど適任という気がする。
では、シャックマンが最も愛するゴジラ映画は? そう尋ねると、「正直に言うと『シン・ゴジラ』(2016)です」と答え、「デザインやストーリーが素晴らしく、政治的な複雑さも良くて、圧倒されました。とてもスマートな映画だと思います」と熱弁。
「正直に言うと」って何か恥ずかしいことみたいにw
ちなみにこのマット・シャックマンは『ファーゴ』『ゲーム・オブ・スローンズ』『ザ・ボーイズ』『サクセッション』なんかを各1〜2話だけ登板した後に『ワンダヴィジョン』を全話監督して現在は映画『ファンタスティック・フォー』の監督としてMCU凱旋が決まっているめちゃくちゃ力量あるお方。
さて、話をストーリー方面に戻すと、少なくとも第2話時点では怪獣バトルは全然出てこなくてミステリー仕立て。
NetflixとBBCの『Giri/Haji』で主演を務めて海外ドラマ経験が頼もしい平岳大演じる科学者(?)の謎を追っていくのが現代パート。
1950年代を舞台にした過去パート(第2話で1959年から1952年にさらに遡る)はモナーク設立の謎を描いていくっぽい。
過去パートはSFホラー要素もあって、出てくるモンスターの造形は結構グロテスク。
MUTOみたいな路線なのかな。
怪獣バトルは切り札として温存しておいて、テレビシリーズに向いているミステリーをじっくりやってくれたら嬉しい。
そういえば第2話ラストのモンスターが空を飛ぶのを下から捉えた構図は『ガメラ 大怪獣空中決戦』を思い出したり。
※0:32頃
まぁラドンのオマージュでもあるか。
確かにモンスター・ヴァースの過去作でもモナークってのは研究機関らしいが実際問題よく分からない組織ではあった。
そこに時間を割きづらい映画ではなくテレビシリーズで補完してくるのは上手い戦略。
今のところ第2話の誘拐とか家に押しかけての脅迫とか割と手段を選ばないヤバい集団になってるけどw
ちなみに伊集院光が言うところの「渡辺謙の娘のお父さん」が演じていた芹沢博士は今のところ出てこなさそうである。