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【感想】Nintendo Switch『SCHiM - スキム -』
例によって(?)任天堂のインディーワールドで見つけたこのゲーム。
影から影へと飛び移りながらスキムのルートを探すのが、本作の醍醐味のひとつです。
要は子供の頃にみんなやったことある影踏み遊びみたいなことか?
でもそのアイデアだけでゲーム1本持つのか…?
この心配は半分当たって半分外れた。
アクション×パズルとでも呼ぶべきか、影から影へと飛び移るのは確かに楽しいのだが後半になると単調に陥るのは否めない。
ギミックの幅を持たせようとする意志は伝わってくるのだが、いかんせんそもそもが一点突破のアイデアなので。
ステージのバリエーションもそこまであるわけではない。
コンプリート要素はあるにはあるけれど。
では駄作なのか?というと決してそんなことはない。
まず本作のゲーム性を支えるのが影から影にジャンプする操作の気持ち良さ。
影に飛び込んだときの音(ちょっと水に近い音質になっている)が心地よいから単に影から影へと飛び移るだけで楽しい。
上で「単調」と書いてしまったが、昼と夜で影の長さや出方が変わるし場所も多岐に渡る。
あくまで「さすがに後半に差し掛かると」って話なので悪しからず。
そして本作のもう一つの面白さが独特かつ大胆なストーリーテリング。
まず台詞は一切無い。
しかしストーリーはしっかり存在する。
あらゆる物の影に潜んでいるスキム。子供の頃から見守ってきた青年の影から思いもよらず離れてしまい、あとを追いかけていきます。青年は仕事や買い物、散歩、そして引っ越しなどいろいろな場所を移動するのですが、その移動先がそれぞれステージになっています。
ミニマムな情報提示からストーリーを想像して読み解いていくのが楽しい。
基本的には日常の風景で、何か事件が起きるというよりは人生のワンシーンを切り取ったような物語。
(終盤にクライマックス的な事件は用意されているのだけど)
自分にはあまり上手くいってない人生が少し好転するまでの物語に見えた。
スキムが“逆・貧乏神”というかw
「貧乏神」というワードはちょうど観たばかりの映画『化け猫あんずちゃん』やFNS27時間テレビでのキンタロー。の実写版キングボンビーに影響されているかもw
閑話休題
三宅隆太先生が「物語の本質は『行って、帰る』の1種類だけ」と言っていたけど本作もまさにそれ。
むしろゲーム好きよりも映画好きの方が本作にハマるかもしれない。
そして何より本作の魅力は絵と音楽(BGM・劇伴)
ほとんどアート作品のような味わい。
特に音楽はマジで良曲だらけ。
あれを聴いてるだけで気持ちいいからずっとプレイしていられる。
サントラ配信されてた!
改めて聴いても最高。
当面はこれ聴きながら仕事しよう。