【感想】TBS金曜ドラマ『100万回言えばよかった』第1話
自分が安達奈緒子という脚本家を認識したのは2017年の『コード・ブルー』シーズン3。
ただ、当時は軽い炎上というか「思ってたのと違う!」とファンに叩かれていた。
今から振り返ればシーズン2までの脚本を手がけてきたシリーズ生みの親である林宏司が降板した人気作の7年ぶり続編って完全に火中の栗を拾わされた状況なわけで、書いた脚本は完璧だったとは言わないまでも若干不運だったのだと思う。
ところがその翌年の2018年から突如覚醒してあれよあれよと朝ドラの脚本を手がけるのだから人生わからないものである。
そんな安達奈緒子がオリジナル脚本で挑むTBS金曜ドラマの新作。
自分は事前の番宣で設定の大枠を把握してしまっていたのだが、オープニングシークエンスは何も知らない状態で観たかった!w
違和感を少しずつ覚えて「???…!?」となりたかったなぁ。
自分の情報摂取の仕方の問題で作品は一切悪くないのですが。
料理と記憶の物語
さて、そんな飛び道具的な設定の(ネタバレ回避のため一応伏せておきます)本作でキーアイテムとなるのが料理。
味覚によって記憶が蘇り、ドラマが動いていく。
第1話はハンバーグとプリン。
(とはいえ「馬鹿の一つ覚え」という台詞が繰り返し出てきたし、グルメドラマではないので毎話色んな料理が出てくるわけではなさそう?)
実は個人的にこの手の話にとても弱いw
まずは近年この手の番組屈指の名作『かまいたちの知らんけど』の濱家イズミヤ挨拶回。
ポテト食って思わず涙がこぼれるシーンは本当に名場面。
さらに放送翌日1/14(土)にテレ朝で放送された特番『やぶからディッシュ』
南キャン山ちゃんが学生時代に食べていたオムライスを約20年ぶりに食べて芸人になると決めた当時を思い出す。
とても良かった。
さらにさらに放送前日の1/12(木)からNetflixで配信が始まった是枝裕和監督のドラマ『舞妓さんちのまかないさん』
こちらは名実ともに料理ドラマ。
主人公の作った美味しい料理が時に人の記憶を刺激しながらみんなを幸せにしていく。
さすが是枝監督としか言いようがない素晴らしい作品でした。
話を『100万回言えばよかった』に戻すと、ハンバーグを食べるシーン本当に良かったなぁ…しみじみ。
料理×会話劇という手法はまさに『きのう何食べた?』
あの作品で培われた技術が今回のオリジナル脚本でも如何なく発揮されている。
ただ、それだけだと「原作付き作品から吸収したものを再生産してるだけ」という盗作じみた香りがしてしまうが、本作はそんなことはなくてミステリー要素を加えている。
安達奈緒子の新境地。
ミステリー要素
何やら殺人事件が起きているらしい。
これがドラマ全体を貫くストーリー上の軸になるのかな?
ちなみに被害者役は『ラヴィット!』で情報解禁して一部で話題になっていた近藤千尋w
いきなり遺体で登場www
映画『ゴースト/ニューヨークの幻』を想起した人も多かったようだ。
ただ、個人的には本作は今のところサスペンスではなくてミステリーなので、Amazonオリジナルドラマの『アップロード 〜デジタルなあの世へようこそ〜』を思い浮かべた。
直木(佐藤健)が死んだ理由も現時点では伏せられているし。
ラストを見る限りあの殺人事件に何らかの形で関わっているということか。
さすがにSF要素は無さそうですけどね。
トレースの演技
最後に、井上真央の中学生時代を演じた新井美羽の見事なトレースっぷりに触れておかないわけにはいかない。
先週の『ブラッシュアップライフ』でも子役の永尾柚乃を絶賛したので2週連続で似たような話をしているがw
いや、でもマジで井上真央の中学生時代だったよあれは。
昨年『ゴシップ #彼女が知りたい本当の○○』で黒木華を見事にトレースしてみせた山田美紅羽に続く名演。
しかも黒木華のケースと異なるのは、私も含めて『キッズ・ウォー』で本物の井上真央の子役時代を見てきた視聴者がいること。
そのハードルを超えるのは並大抵のことじゃない。
夏休みに観てた。懐かしいなぁ。
ちなみにこれで若干霞んでしまったが、終盤に佐藤健を文字通り“憑依”させた松山ケンイチの演技も素晴らしかった。
おまけ
何という偶然w
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