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【読書メモ】2020年6月30日にまたここで会おう

瀧本哲史さんの著書は、自分がぼんやり頭で理解している曖昧さや、もやもやとした感情を一気に振り払うような切れ味があります。
瀧本さんの別の著書を読んだのが20代前半。ちょうど大学を卒業して、働き始める頃でした。
それから約10年が経ちました。今回改めてこの本を読んで、自分がいかにして仕事と向き合うか、働いていくか、いかに自分で道を切り拓いていくのかを振り返る良い機会になりました。

とにかく、自分で考えて、自分で決める。そして、行動に移すことを続けていきたいと思います。


この本は、2012年の6月30日に滝本哲史さんが東大で講演した時の講義録となってます。当時の発言(著書)の中から、心に留まった箇所をいくつか引用します。(各引用の末尾の数字は掲載ページ)

自燈明(じとうみょう)
自ら明かりを燈せ。つまり、他の誰かがつけてくれて明かりに従って進むのではなく、自らが明かりになれ。 13
意見をばら撒くことには世の中を変える力があるんじゃないか 16
自分で考えてない人は、人じゃない 18
しっかり自分の頭で考えられない人間は「コモディティ」として買い叩かれるだけ 19
アラン・ブルーム
「教養の役割とは、他の見方・考え方があり得ることを示すことである」 30
「どこかに絶対的に正しい答えがあるんじゃないか」と考えること自体をやめること。バイブルとカリスマの否定というのが僕の基本的な世界観 33
「言葉」によって正しい認識にいたり、「言葉」を磨くことでその認識の確度を上げていく。そして「言葉」を使って相手の行動を変えていくことで、仲間を増やし、世の中のルールや空気を変えていくことが可能なんです。 43
パラダイムシフトとは世代交代だということ 66
最初は少数派ですが、何十年も経って世代が交代さえすれば、必ずパラダイムシフトは起こせる
世の中が変わるかどうかっていうのは、若者である皆さんとみなさんに続く世代が、これからどういう選択をするか、どういう「学派」をつくっていくか、で決まる 68
トップダウン的な「支配関係の時代」から「相互依存の時代」に、完全に変化してきている 80
交渉とは、「自分の都合」ではなく、「相手の利害」を分析する、そのためには、「話す」のではなく「聞く」、そして、非合理な相手は「猿」だと思って、研究する 118
「群雄」の中でリーダーシップを発揮している小さなリーダーにこそ、注目すべき 125
社会変革というのは、ひとりの大きなカリスマをぶち上げるよりも、小さいリーダーをあちこちにたくさんつくって、その中で勝ち残った人が社会で重要な役割を果たしていくというモデルのほうが、僕は、はるかに健全だと思っています 125
とにかく自分が正しいと思うことを試してみて、自分のまわりに正しそうなことをやってる人がいたら、それに合意したり、支援する。 129
仲間を探したり増やしていくときにけっこう重要なのは、「自分と違う属性の人間を集める」こと 131
多様性を認めて、自分と違う価値観に対して寛容な社会のほうが、イノベーションが起きやすいということ 131
たぶん今、この国にも必要なのは、そういった「ファイトクラブ戦略」なんですよ。いろんな人がちょこっとずつ、あちこちで変化を起こすと、いつの間にか世の中が大きく変わる 140
「意見は違うけれど、ある目的のための行動には協力する」という考え方が必要なんです。
みんなの立場はそれぞれ違うから、全員を1つの意見に統一するのはむずかしい。でも、ある一つの重要事項に関しては、みんなが組むことで世の中を変えていくーーそういったマインドの仕組みが必要不可欠 144
すごくニッチな賢い人たちとやりとりするのに、一番いいツールだから
賢い人と、賢い話をするのに、ツイッターは向いてる 156
その人が過去に生きてきた人生とか、挫折とか、成功とか、そういうものは盗めない 179
「その人にしかないユニークさ」というのご、一番盗めないと思います。 180


著書中の講義の終わりには質疑応答があり、30歳になる方の質問で「今回の話は、主に10代・20代向けのメッセージだが、30代以上に向けた思いはあるか」という場面があります。

氏は「30くらいになったら自分の人生のチップをどのへんに置けばいいか、見えているはず。おくべきチップが見えてる人は、「大人」として、自分より若い人たちをバックアップしてあげてください。」と答えます。


また、この講演から8年後の2020年6月30日にまた集まって、自分にそれぞれが課す「宿題」を行動に移しましょう。そして、【do your homework】の答え合わせをしましょうと呼びかけます。

2019年に、病のために47歳で滝本哲史さんは亡くなりますが、2020年6月30日には多くの方が再び集う日になったと聞きます。

次の8年後は、また社会がどうなってるか、自分の「宿題」は何なのか。心に留めて、行動できる「大人」でありたいと思います。


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【追記】

著書の本文は、出版元の星海社新書さんが公式noteにまとめています。よければこちらもご参照ください。

全文公開 『2020年6月30日にまたここで会おう』 第一檄「人のふりした猿にはなるな」

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