【渋谷戦】ステップアップする富山と一つの懸念 -第22節-
第22節。富山vs渋谷の対戦。
GAME1は78-91で渋谷が勝利したが、GAME2は89-76で富山が取り返した。
今節は渋谷はライアン・ケリーがDNP、富山はジュリアン・マブンガがDNPとなり、お互いに外国籍インサイド2枚で戦うこととなった。
2枚のインサイドの起用法は両チームともほぼフル出場させるというものであり、故にこの2日間はどれだけ日本人選手が攻守で貢献し、インサイドの負担を補えるかが重要になった。
今回の記事では2試合の各クォーターの流れについて解説し、最後に今節のまとめを述べていく。
GAME1
1Q 25-25 : 内容は良かったがリードを作れず
富山の第1Qは非常に良い内容だった。
スミスとBJへのダブルチームに対しては無理に付き合わず、それによって空いた日本人選手へパスを回すスマートな対処で加点。
晴山・小野・上澤らがこれに応え、3人とも1Qで3Pを成功。
インサイドに負担が偏らないチームオフェンスで25得点、8アシスト、FG66.7%を記録。
これにより、富山は一時25-18と7点リードしたが、渋谷も56.3%と決して低くないFGに加え、3本のオフェンスリバウンドと7本のフリースロー獲得で追いすがる。
富山としては良い出来だっただけにリードが欲しい内容だったが1Qは同点で終了した。
2Q 18-27 : チャンスの場面の決定率の差
富山はライブTOがリーグ最多であり、渋谷は相手にTOをさせる回数がリーグ最多である。
過去の対戦を振り返っても富山は対渋谷戦ではTOがかさみがちである。
そこで富山はボール運びやトップからのエントリー役をPGに固定せず、水戸や晴山やBJ、時にはスミスまでが臨機応変に交代して行った。
これにより、ターンオーバーを前半6本と対渋谷戦としては少ない本数に抑えた。
渋谷もここまで5本を記録しておりここはイーブンかに思えたが、ある要素で差が出た。
それがPoint From Turnoverである。
相手のTO後の得点、チャンスの場面の決定率と言ってもいい要素だ。
この得点が富山8点に対して渋谷は16点。
2Qのラストプレーがこの両者の差を象徴していた。
残り24秒で富山の速攻の場面。
ボールプッシュする水戸から前線のBJにパスが出る瞬間があったがこれを見逃してしまう。
それに気付いていた阿部は水戸からボールを受け取ってからすぐにBJに出したが既にその時タイミングは流れており、これがTOとなった。
そして富山が残してしまった19秒のオフェンスで渋谷はタイムアウトを取り、盛實がスリーポイントをきっちりメイク。
大枠は互角の内容だったが要所の精度の差で富山は9点ビハインドで折り返す事となった。
3Q 22-20 : 流れを掴み損ね、追い上げとはならず
3Qでは宇都の果敢な仕掛けにより、渋谷が開始わずか3分弱で4ファールとなって富山はビッグクォーターのチャンスを作った。
前半富山は渋谷のDFの収縮に対してインサイドアウトで加点していたが、これにはスミスのファールとスタミナを温存する意図がある。
それは数字にも露骨に出ており、前半の富山の被ファール数はたったの5本。フリースローも3本である。
1試合平均20.2被ファール、フリースロー21.6本の富山としてはこれはあまりに少ない。
そしてここからスミスがゴール下で攻撃を開始。
富山は3Qだけで被ファール数9、フリースロー11本を獲得し怒涛の反撃。
…かに思えたが、ここで富山はこのフリースローを6投失敗。
さりげなくフリースローが上手いスミスもここでは2/6と精彩を欠いた。
前半、コートの往復とリバウンドばかりでシュートを打つ機会が少なかった事が裏目に出たのか、彼のフリースローのタッチはいつもより固く、リングに嫌われた。
これによって追撃とはならず、追い上げは2点に留まった。
4Q 13-19 : 今節富山が勝つためには
以降も富山は渋谷と一進一退の内容で粘り強く戦い、途中までは7~9点差を推移するが、ベンドラメが均衡を破る3Pを決めて点差はこの日最大の11点差に。
事実上ここが決定打となった。
大枠の内容では富山と渋谷は互角だった。
しかし、最終的には各所に見られた細かいミスの差が点差に表れた。
マブンガ・ラモス・KJがDNPでなかったならばこういったミスがあっても得点力ゴリ押しで充分応戦はできただろう。
富山はそういうチームだ。
しかし3人がDNPであることに加え、堅いバスケをする渋谷に勝つことを考えた時、富山はこういう細かい部分まで詰めていく必要がある。
そんな課題を突きつけられるようなGAME1だった。
GAME2
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