認知症は悪じゃない。母が認知症になったおかげで、人間の本質に触れることができ、家族関係は大きく好転
(2024年2月7日の記事です)
井手口です。
いつもお引き立てを賜り誠にありがとうございます。
福岡出張で、ご来訪くださった皆々様、各地よりありがとうございました。
リピーター様のご体調は皆さま、軒並み良好で、アシタスタイルを継続する重要性を掴んで頂けたようで嬉しかったです。
今回の会場は、キャナルシティ内。
明るくてきれいで、使い勝手もよく、お客様からもご好評でしたので、次回の出張もココにしたいなと思います!
弊社の出張は、運ぶ荷物が多いなど、制約がある中での会場探しが大変なのですが、海老原マネージャーが骨を折ってくれましたよ。あきちゃん、グッジョブ!
さてさて。
福岡出張後の井手口恒例行事、実家の長崎へ里帰り。
年寄りと障害者を抱えているため、ケアとサポートが欠かせませんが、本日は、母の認知症、その後のご報告です。
デイサービスの状況などを把握すべくケアマネ・森さんと接見。森さんは4年前から母の担当ですが、森さん曰く「認知症の進行も見られないし、今後もこのまま大きく体調が変わらないでいられるといいですよね。半年前から利用を始めた施設でも最近は笑顔が出るようになりましたよ」と施設からの報告写真も見せてくれました。
会話が成立するだけでなく、冗談を交えたり、ツッコミを入れたりボケたりするから「お母さん、頭の回転が速いですよね!」とも。
まぁ、大丈夫みたいです。
母は、自分が認知症である自覚があり「娘へ心配を掛けないようにしよう」といった気働きを感じます。
週に2回、授産施設へ通所する弟のお弁当を「自分が作らないと!」な責任感で作っていますが、焦げていないキレイな黄色をした甘い卵焼きを目の前に
昔の母のお料理を思い出して、ちょっと感動してしまった私です。(前回の帰省時に見た卵焼きは焦がしてたから!)
とはいえ、トイレやお風呂場など他人に見られていないところでは易怒性が高まるようで、隠れてブツブツと愚痴を言っているようですが、そのくらい、ぜんぜん問題なし!
真面目にいい子をやってきた母が生きてきた時間の中では、我慢を強いられることばかりで、ストレスの捌け口もなく、愚痴を聞いてくれる人もいなくて、限界まで貯め込んできたのだから。
気に入らないことがあれば、吐き出せばいいし、泣きたかったら泣けばいい。それを母にも伝えます。
「私が聞くけん。もう大人になったけんね。言いたかことのあれば何でも言えば良か。ぜんぶ吐き出さんね!何度でも吐き出さんね!気が済むまで吐き出さんね!」って。
母は過去に苦悩したことを何度も繰り返し話し、その度にボロボロを涙を流し「同じ話ばかり何回も話してごめんね」といいます。実際に会う度に、電話で話す度に、おんなじことの繰り返しです。かれこれ、何年やってるんだろう?それでも母が、愚痴を吐き、涙を流して一瞬でもスッキリするなら、それでいいじゃないかと思うのです。
悩んで悩んで毎日眠れずに何十年も抱えて溜め込んだ感情は、そんなに簡単には解消しないでしょう。とことん付き合う覚悟です。
母の髪の毛がずいぶん伸びていたので、「お母さん、髪、切ろうか?」と提案したら、快くOKしたので、前髪を揃えて短く切り、後ろ髪もまとめやすい長さにしたら、あら可愛い!
出来上がりを「お父さんに見せてきたら?」と促したら、父から「あらー!若うなったね!よかよ、似合う似合う!」と褒められ、兄や弟にも見せて「お母さん可愛いかよ!」を連呼されてご満悦の様子でした。母の写真を撮って妹家族のところへLINEしたら、姪っ子からは「連れ去りたくなる可愛さ!」とコメントが届きました。
母の写真を撮ると一目瞭然ですが、人って、自分の身体の中にちゃんと自分が住んでいると、いい顔になるんですね。
顔の表情って、認知症の母に限ったことでなく、誰にでも言えることで、様々なメディアが存在する中で様々な人の表情をお見かけしますが「広角上がっているけれど笑っていない人」とか「笑顔を作っていても目が笑っていない人」とかいらっしゃいますから、「心底笑う」ってめちゃくちゃ大事だな!と思います。
そんなこんなで、うちの家族は、私が想像していた以上に幸せそうで、毎日ゲラゲラ笑って暮らしていましたよ。それぞれが、相手に対してあまり期待をしなくなったからか、以前みたいに父と兄が腹を立てたり、イライラする場面が、ずいぶん減った気がします。
認知症は悪じゃない。
認知症は、ギフトなんだな。
認知症になったおかげで、人間の本質に触れることが出来て、うちの家族関係は大きく好転しました。
母が「死にたい…」と小さくつぶやいたあの時を、見逃さないでよかった。行動して良かった。
あの日、あの時、家族みんなそれぞれが、考え、選択したすべての行動が、今日に繋がっている。
弟のこと、父のこと、兄のこと、他にも報告したいコトは山のようにたくさんありますが、今日はここまで。
最後までお読みくださりありがとうございました。
それではまた!
足と歩行の未来開発ラボ:アシタスタイル
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