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AIに任すには、もったいないこと。

最近は、取材も多くなってきたのでちょっと業務効率化を目論んでChatGPTでテープ起こしを試してみました。

…なんだけど、これがまぁ僕の仕事のスタイルには向かない。
テープ起こししながら、どういう意図で話していたのかを反芻したり、取材時の空気を思い出したり、テープ起こししながら全体の構成を考えたり。

インタビュー中に話している内容って、実際はすごくカオスなもので、そんなに上手に話せているものばかりではない。そういったものを何度も聞くうちに、ようやく自分の中でも腑に落ちたり、意味がつながったりすることはたくさんあります。

普段の会話というのがどれだけ適当なものなのか、反省しながら、何度も噛み締めながらまとめていくわけで、「ほーら、あっという間にテープ起こしが完成しましたよ」でOKなわけでもない。
実は、理路整然と前の言葉と次の言葉がきちんとつながって話せているケースなんてほとんどないんですよね。やればやるほど、それが分かるし、だからこそ、少しずつズレが生じたりしていくことも良くわかる。
それをできる限り整えたり、捏造にならないように言い換えたり。

結局、AIが起こしたテキストも、これどんな感じで言ってたっけか?と該当箇所を聞き直したり、大胆に全体の構成を変えながら整えたりしているうちに、結局のところテープを聴きながら起こすのと大差ない、むしろ時間がかかってるんじゃないかというくらいの感じに。

テキストに起こしながらインタビューの音声を聞くのは、めちゃくちゃめんどくさくもあるけど、同時に楽しい時間でもあるので、これは効率化できないし、しないほうが自分のためだなと。

プロンプト次第では、完成まで簡単にできるのかもしれませんし、いずれはなんならその方がクオリティも高くなるかもしれない。

でも、僕は業務を効率化したいわけでなく、仕事や作業を通して世界というのはどういうもんなのか、その秘密を知りたいわけなので、こんなにめんどくさくて楽しいことを手放すのは、なんだか損な気持ちすらあります。

結局そうやって、ちょっとめんどくささも込みで、手触りみたいなものを得ていくしか、世界のかたちなんて掴めんものだよなと。
効率化とかAIとか、実は仕事とはなんの関係ないんじゃないかと思ったりしました。
犬は吠えるが、効率化は進む。

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泉水マサチェリー
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