樽で助かった爺ちゃんの話。
とっくに亡くなってしまった父方の祖父の話。
戦時中は、全く泳げないのにも関わらず何故か海軍に抜擢されたらしい。詳しい経緯はよく分からない。爺ちゃんには、こういう落語めいた逸話が多い。
泳げないということで、当時は時代もあったのか、それはまあ同じ軍艦の人たちにもバカにされたらしい。
なんにしても、爺ちゃん自身もなぜ抜擢されたのか良く分からなかってであろう。
カナヅチにとって、ずっと海上にいるのは怖かったらしく、いつも空いた木製の樽を用意していたらしい。それもすごくバカにされていた。怖かったものは仕方ない。
結果、出撃した際に軍艦は攻撃されて、見事沈没してしまった。
結果、船で1人だけ樽に捕まって助かったのが爺ちゃんだけだった。樽に捕まってしばらく漂流して味方の船に拾ってもらったらしい。
ものすごく飄々としていてマイペースだった爺ちゃんは別にこの逸話を何かの教訓として話すわけでもなく、彼にとって普通の戦争体験として語ってくれた。
自分も周りになんと言われようと助かるための樽を用意して生きようと、そう思います。
これを「転ばぬ先の杖」というのだろう。ことわざは偉大だ。
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