これを書いているのが、2022年7月9日(土)。昨日、2022年7月8日(金)、安倍晋三元首相が、凶弾に倒れ死亡した。
安倍元首相を支持していたわけではないが、令和の日本でこのような事件が起こったことに驚愕し、昨日来、何も手が付かないでいる。
本号の特集「これでいいのか」という言葉が、まさに去来する。
先月は、忙しかった。読書もほとんどできていない。noteに感想を書くこともあり、改めて本号を手に取る。
今、手に取って良かった。心に響く言葉が多数見つかった。
総リード「これでいいのか」
唐宋八大家の一人、蘇老泉の「管仲論」にあるという言葉から始める。
非常に重たい言葉である。
著者も言うように「人間の世界で起こることの実相を衝いた深く鋭い言葉」である。
表面的な事象や現象に惑わされず、自分のなすべきことを行い、あるべき姿を目指していきたい。
また吉田松陰の言葉が紹介される。
バブル崩壊から始まる日本の低迷をまさに言い当てる一言である。
最近読んだ、野口悠紀雄氏の『平成はなぜ失敗したのか 「失われた30年」の分析』にある言葉を思い出す。
「これでいいのか」という言葉が出てくること。必ずしも悪いことではない。
それが「このままではいけない」となり、行動に繋げる。そんな気持ちにさせられる。
対談 日本甦らせる道
田口佳史氏と芳村思風氏の対談記事。副題にある「後から来る者のために伝えたい人生論」という言葉がしっくりとくる対談である。
2人は、互いにこう言う。
そして、芳村氏は、こういう。
それに応じて田口氏は、石田梅岩が説いたという人生を歩んでいく上でとても大切なこととして、「正直」と「倹約」の二つを説いたという。
続いて、芳村氏は、「人間の境涯」について話をしているが、そのパートが一番心に響いた。
この、社会は、利己と利他のバランスによって成り立っているという考え方に共感する。
そして、こう締める
それを受け手の田口氏は、こう応じる。
人間、不完全であり矛盾に満ちているがゆえに、他者との調和が必要であり、バランス、中庸が必要である。また不完全であるがゆえに、シンプルに根本重視で生きていく。そんなことを考えさせられた。
国語を忘れた民族は滅びる
数学者の藤原正彦氏に対するインタビュー記事である。
タイトル通り、国語教育の重要性を説く。
確かにその通りだと思う。
特に興味深かったのは、以下の2点。
一つは、「論理と情緒」について。
もう一つは、「読書ゼミ」ついて
読書を通じて、日本の素晴らしさに目覚めていく学生たち。私も参加してみたいという気になる。
河合栄治郎という戦前の経済学者の「本は絶対に借りるな、図書館からも友人からも借りるな。必ず買って本棚に置いて何度でも読め。そうしないと血肉にならない」という言葉を紹介する。
これは、本当、名言だと思う。線を引きながら、書き込みながら読む。そうしないとなかなか身につかない。
致知。購読しているが、こうして書く習慣が無いと、忙しいときは、読まずに1か月過ぎてしまう。これはもったいないと改めて考えさせられた本号であった。