見出し画像

「整体院」の営業を受けてみた

たまたま「30分無料体験」のチラシをもらい、新規オープンの
整体院に行ってみたので営業的に分析してみました。



【事前情報】

・要電話予約
・プレオープンのキャンペーンで30分無料
・「反り腰」で起床時に痛い(これはリアルな悩みです笑)

【全体の流れ】

①問診票記入
②対面ヒアリング
③施術体験
④終了


それでは順番に解説しましょう。
〇:良かったところ
×:悪かったところ

①問診票記入
・希望が「対処療法」か「根本解決」の希望あり
 〇これ自体が「1回だけじゃ全部治りませんよ」という「教育」に
  なっており、「継続して通う意思」の度合いが測れるので
  アプローチの仕方に役立つので良いですね。
・他の整体院、整骨院行ったことあるかの選択あり
 〇過去の解決行動を知るのはとても重要です。
  「あり」の場合は解決できなかった事が多いので、そこをヒアリング
  することで「自社だったらできます」に繋がります。
  
②問診表を使ってのヒアリング
・元気いっぱいの挨拶
 ×必ずしも最初から元気一杯である必要はないと思います
  相手の声の大きさ、表情に合わせる「ペーシング」「ミラーリング」
  から入って、タイプを見きわめてから徐々に元気になっていくのが
  おすすめ。
・最初の「ヒアリング」時は施術台の下にひざまずく
 次の「解説」で施術台に座り同じ方向を向いて座る
 〇最初はお客様扱いで自分は目線より下に。
  解説で横に座り、同じ方向を向くのは「同志感」がアップ
  合間合間に立つと「先生感」が出るので更に良いかも。
・痛みの「原因」「対処法」解説
 〇「現代の生活ではしょうがないんですよ」と言われると
  「自分は悪くない」と思うので安心感が出て、信頼感に繋がる
・プロとしての視点
 ×「ヘルニアの可能性もあります」のアドバイス
  ちょっと恐怖トーク過ぎた印象。
  恐怖→信頼感が下がりました。
  人は都合の悪いことを聞くのは嫌ですね笑
  ただ、「あなたを心配してるから」感が演出できれば良かったかも。
・背骨の模型や図を使っての解説
 〇言葉だけでなく、「視覚」を使うのは良いイメージしやすいです。
・解決策の提案
 ・ここが今回の一番残念ポイントでした
 ×「治った瞬間」がゴールになっており、
  「その先の未来」ベネフィットが描けない
  治ったら
   ①どうなるか
   ②その影響は仕事に生活にどんな影響を与えるか
   ③それがずっと続くとどう感じるか
   ④そんなあなたを見て○○さんはどう思うか
   ⑤その時あなたはどう感じるんですか?(感情)
  まで自分の口から言ってもらい、最後は「感情」を言ってもらう。
  そうすることで患者の脳内にはドーパミンが出て、行動力(購入)に
  繋がります。
  やはり重要なのは「イメージ」させるかです。
  参考記事:商品を売る方法

③施術
・施術しながら「期間」と「費用」を説明
 〇素人は「1回で治る?」と思っているので「期間」の説明は重要です
  「3歩進んで2歩下がる」という表現は分かりやすかった。
・頻度の説明
 〇「毎日来てください」→「無理であれば2,3日」→「最低でも週1」
  この表現はアンカリングができていて良かったですね。
  (「毎日」が基準(アンカー)になり、
   「週1」(本命)が楽に聞こえる話法)
  「ドア・イン・ザ・フェイス」とも言われます。
  参考記事:「アンカリング」

④終了
・優待券をお渡し
・「(1回じゃ治らないので)次いつこれますか?」
 ×ここは非常に残念でした
  「しっかり治したいか」「次も通いたいか」などの意思確認や
  テストクロージングができていないのに加え、感想も聞いていないのに
  いきなりクロージングされた印象です。
  せめて「もし次来るとしたら、平日、土日、時間帯はどうですか?」
  など温度感を測った方が良いでしょうね。
  「治したい」「通いたい」などのポジティブ・ワードが出てきたら
  すかさず「それは、なぜそう思ったのですか?」と相手本人の口から
  言ってもらいましょう。

参考記事:人は「なぜ」に動かされる:ゴールデン・サークル理論


【最後に】

やはり人は「感情」が動かないと購入しないと改めて思いました。
今回も治療のゴールが「治った」という事実だけだったので
「嬉しい」としても非常に低いレベルでの話です。

では、どうすればその嬉しさを大きくすることができるのか。
それは「治った先の明るい未来=ベネフィット」を本人に言ってもらうこと。 そして営業側が「影響と時間軸」の幅を広げる手伝いをすること。
他のテクニックよりも、まずはこれだけでも営業は変わると思います。


いいなと思ったら応援しよう!