再現性と汎用性
【ラジオ体操268日目】
こんにちは。
備えあれば憂いなしという言葉があるけれど、どれだけ備えても不安から解放されることがないので、備えることをやめてしまおうかと思っているコマリストです。
今日は『先見の明、危機をチャンスに変える習慣』というテーマで書いていきたいと思います。
今月から全国的に”例の宣言”が解除されて、外出しやすくなったという方も多いと思います。
プライベートはもちろんですが、1年半かけて変化した仕事のスタイルが、完全に元通りになることは考えにくいですよね。
これからしばらくの間は、「何を」元に戻し、「何を」戻さないのかという選択を常に強いられる状況が続いていくと思います。
出張が多かった会社で出張がなくなり、取引先との会話は画面越し。”こんな世の中だから”という言い訳が正義であるかのように通用した1年半。
けれど、この言い訳はいよいよ通用しなくなります。
元に戻ることを切望していたはずだったのに、いざ元に戻って出張続きの生活がやってくることを考えると、モチベーションが上がらないという人もたくさんいると思います。
今日は、最近お会いした会社の中で、2020年は過去最高益を記録したという2つの会社に共通する”先見の明”についてのお話です。
予言とか、占いとかの怪しい話ではないので、気軽に読んでみて下さい。
先見の明?過去最高益の裏側
今回お会いしたのは、B2C商品をメインに扱う2つの会社の社長さん。
どちらの会社も、例の感染症の影響をモロに受けそうな商品を扱っているのに、2020年は過去最高の売り上げを記録したという共通点を持っています。
実は、この2つの会社の売上が大きく伸びたのは、”例の感染症のおかげ”でもあります。
もちろん、こんな状況になるということを事前に予測して動いていたわけではありませんが、結果的にコロナ禍で、お客さんのウォンツのド真ん中にヒットした。
「B2C商品」「コロナ禍」というキーワードだけで、理解できたという人もいると思います。
そうです。
この2社の売上を引き上げたのはECサイト経由の売上増加。
ただし、この2社に共通していたのは、”コロナが拡大してから取り組んでいない”という点です。
ECサイトは、今から20年以上前の1996年から本格的に始まっています。
当時は楽天市場、Amazon、Yahoo!といった「モール」に商品を出品すれば売れる!と言われ、たくさんの企業が我先にとEC販売に参入していきました。
それから時は流れて、自社商品を自社サイトで販売するのが当たり前という状態にまで変化してきた矢先にコロナウイルスが後押しをしただけ。
つまり、企業が取り組もうとさえしていれば、コロナウイルスが広がる前からEC販売を導入することはできたし、さして新しい取り組みというわけでもなかったんです。
でね、この2社は3~5年前からEC市場での販売に力を入れていて、現在の売り上げの大半が「リピーター」からの購入で支えられているという状況になっていました。
”一度試してもらえれば、必ず満足して頂ける”
2社共に、こんな想いをもって最高の商品づくりを行い、それがリピーターという結果を生んでいたんです。
こんな状態になっているところに、「買い物はインターネットで済ませましょう」みたいな強烈なメッセージを持ったウイルスがやってきた。
新規で購入を検討する人だって、インターネットでの買い物はしたことがある場合がほとんどなので、「口コミ」を見ることが当たり前になっています。
たくさんのリピーターに支えられている会社には、当然たくさんの「良い口コミ」が集まっています。
リピーターが、新規顧客を呼んできてくれるという好循環が生まれて、創業以来最高の売り上げを記録したというわけです。
ちなみにこの2社のうちの1社は創業120年の老舗企業です。この120年の歴史の中で過去最高の売上げだというんだから、その金額はかなりのものです。
2社から学ぶこと
さて、今回の2つの会社のケースについて、単なる成功事例として紹介するだけでは、何の意味もないと思っています。
たまたま上手くいっただけでしょ?
運が良かっただけじゃないか!
はい。
成功事例って、どうしてもこんな見られ方をしてしまうんです。
当の本人たちですら、成功の理由を聞かれると「運が良かった」と答えてしまうくらいですからねw
こんな一言で片づけられてしまって、何の学びもないというのはもったいない。
成功事例を目にする時は、「再現性」と「汎用性」の二つの側面から学びを深めて、自分自身が使える状態まで落とし込む必要があると思うんです。
2社に共通しているのはECサイトを活用した販売に力を入れていたということです。
では、なぜこの2社はECサイトでの販売に力を入れることになったのか?
これには、大局を捉えるマクロの視点と、目の前のお客さんの変化を捉えるミクロの視点が大きく関わっています。
両社共に、「国内人口の減少」「観光客の増加」「地域人口の流出」「スマホ普及率の増加」・・などといった社会的な変化(マクロの視点)を敏感に捉えていました。
その上で、中長期の戦略の方向性を見直していたんです。
これ、当たり前のように感じるかもしれませんが、多くの会社がやっていません。
短期の戦略見直しは、やっているんです。けれど、大きな流れの変化を捉えて中長期の戦略を見直すというのは、行っていないことが多い。
なんせ、中長期の戦略だから、10年単位とかの戦略を掲げている場合が多くて、節目の年が来ないと手を付けないんです。
#そもそも中長期計画が無いというのも多い
会社の文化として、新たな流れや変化が起きた時には、船の進む先を見直すというのが習慣化していた。
そして、この方向性が短期戦略に落とし込まれるわけですが、その際には目の前にいるお客さんの声(ミクロの視点)を吸い上げる仕組みを活用して、自社の想いではなく、お客さんの想いに応えるように落とし込んでいました。
このミクロの視点とマクロの視点を戦略に取り入れる仕組みをもっていたというのが、この2社に共通していた企業文化であり、今回の世界的な危機をチャンスに変えた習慣だと思います。
ちなみに、もう一つこの2社に共通しているのは、
「商品の品質が圧倒的である」ということ。
それぞれの業界の中で、国内最高品質を称える賞を獲得していて、自他ともに認める国内最高品質を誇っていたんです。
これがあるから、他社の製品と比べて価格は「高額」。
それでも売れる。
価格以上の価値があるとお客さんに認められているから。
以上を整理すると、今回の2社の成功は「運が良かった」の一言で片づけられるものではありません。
大きな変化を捉え、小さな変化を見逃さず、生産者として最高の仕事をすることが、成功を手にするための必要条件だということが学べると思います。
私は、今回の学びを、自分自身に落とし込んで、最高の結果を自らの力で手にしようと決めました。
そして、その時に誰かから成功の理由を聞かれたら言ってやるんです。
”運が良かった”と。
じゃ、またね!
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?