ミカン売りのおじさん
【ラジオ体操251日目】
こんばんは。
方言で話しかけられると、何となく親近感を抱いてしまうので、何でも購入してしまいそうになるコマリストです。
今日は『言葉が作る本物の空間』というテーマで書いていきたいと思います。
本格中華のお店
本場インドカレーのお店
外国人神父
これらに共通するものはなんだと思いますか?
はい。簡単ですね。
本物(に見える)の店員やスタッフが対応しているという点です。
見た目はもちろん、使う言葉やイントネーションが、本物感を演出しています。
結果、本物かどうかは置いておいて、何となく本物の雰囲気を感じることができますよね。
そして、その雰囲気が、実物以上の味や臨場感を引き出す。
今日は、使う言葉や店員の雰囲気が商品やサービスの質、セールスの結果に与える影響についてのお話です。
ま、今日ミカンを売ってた熊本のおじちゃんがステキだったっていうだけの話なので、気楽に読んでみて下さいね。
熊本弁とミカン
今日の午後のこと、車で走っているとミカンの露店を見つけました。
500円!
と大きく書かれた看板と、棚に並んでいる1袋2kgはありそうな商品に惹かれて思わず立ち寄りました。
店の前に行ってみると、露店主のおじちゃんが大きな声で出迎えてくれました。
おじちゃん
「いらっしゃい!ごめんな。ウチのミカンは甘すぎるんよ」
そんな出迎え方ある?
という驚きと、あまりに気さくなおじちゃんに、こちらも笑顔で答えてしまいました。
コマ
「甘い分には全く困りませんよw」
おじちゃん
「ばってん、食うてみんとわからんじゃろ?ほれ、これ食うてみ!」
そう言って、丸々1つのミカンに切り込みを入れて渡されました。
一口食べてみると、『まぁまぁ、甘いかな』っていうくらいのミカンでした。
私が言葉を発する前に、おじちゃんから畳み掛けるように言葉が飛んできます。
おじちゃん
「な?甘いじゃろ!自信があるけぇ、丸ごと1個食うてからしか売らんようにしとるばい!」
コマ
「そうですね。すごく甘かったです。けどミカンのシーズンにしては少し早くないですか?」
おじちゃん
「熊本は、今が1番美味いんじゃ。お兄ちゃん、ウチ初めてじゃろ?ここで売るのは今年で3年目ばい。」
コマ
「そうなんですね。じゃ、買います。いくらですか?」
おじちゃん
「500円ってのは1番小さいやつじゃけ、今食うてもろたんはこのサイズ。これが1,000円、これが1,500円、そんでこれが2,000円な」
コマ
「じゃ、この1,500円のにします。」
おじちゃん
「そいつ、1,000円でええよ。」
コマ
「良いんですか?じゃあお願いします。」
う〜ん。
商売が上手い!
量も品質もスーパーなら1,000円では買えない商品なので、買い物としての満足度は非常に高いものになりました。
それ以上に、おじちゃんから学ばされたものが大きすぎて、最高の買い物だったんです。
おじちゃんのすごいところ
どこから褒めていいのやら、素晴らしいところがありすぎるこのおじちゃん。
とはいえ、1番良いと思ったのは、『熊本弁』でした。
おじちゃんが使っている熊本弁が正しいものかは私には分かりません。
上に書いたおじちゃんの言葉も間違ってる部分があるかもしれません。
#違ってたらごめんね
ただね、熊本弁は知らないけれど、熊本県が温かいということや、ミカンの名産地であることは知っているんです。
そんな私に対して、終始熊本弁で話し、「熊本県」と書かれた法被を身に纏っているおじちゃん。
もう、これだけでミカンが美味しそうな気がしてくるじゃないですか。
そうなんです。使う言葉が、身に纏う服が、雰囲気が本物感を演出しているんです。
スタートラインが他の商品とは違うというのが分かるでしょうか。
その他にも、おじちゃんが使っているテクニックは沢山あります。
リスクリバーサル
フットインザドア
ゴルディロックス効果
などなど
セールスやマーケティングを学んで、これらを使っているとしたら何だか嫌ですがw
恐らく、長年に亘る商売の経験から生み出されたものなんでしょうね。
#そうだと信じたい
おじちゃんの凄さと気づいたテクニックを全部説明していたら、終わりそうにないので今回はやめておきます。
ただ、あの熊本弁のように、使う言葉で空間を作り、セールスを有利に進めたり、価値を高めたりしているものは結構沢山ありますよね。
教会の神父さんも、「ワザと片言の日本語で話すように依頼されている」と言っていたくらいですから。
#神父さんに聞いた話です
甘んじて受け入れた方が、気分よく過ごせるので気にしないというのもありです。
ただ、こういったテクニックを詐欺に使う人もいるので、あまりにもあからさまなものは疑ってかかることも知っておいて欲しいんです。
といっても、単なる熊本のおっちゃんを、こんな視点で視ている私みたいな人間になるのはオススメしないですけどね(笑)
#人間不信の塊
じゃ、またね!