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こんな僕でも世界一周できた

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世界一周していた旅行記(2005〜2007)をまとめたものです。現在の世界情勢と合っていない場合もありますが、ご了承ください。 こんな僕でも世界一周できた Kindle版 ht…
運営しているクリエイター

#エッセイ

はじめに

僕は今まで世界92カ国を周遊してきました。 映画が撮りたくて撮影スタジオで働き、その経験を生かして世界各地の世界遺産や風景を撮影。それを知り合いのディレクターに販売して旅の資金にしていました。そして、今はwebクリエイターとして働いて、それなりにスマートな人生を歩んでいる気がします。 だけど、今までの人生を振り返ってみると、実に恥の多い人生でした。 滑舌が悪くて英語どころか日本語もままならず、初対面の人に自分の名前を何回も繰り返すことになるし、世界中に友達を作ろうと考え

タイ

微笑みの国、タイ。といっても、知らない奴がニヤニヤして近づいてきたら、だいたいまともな奴じゃない。僕も普段からニヤニヤしているのであまりまともじゃない。 タイには多くのバックパッカーが来て、ここからあっちこっちに行こうとします。僕も初めての海外ひとり旅はタイで、最初は露店でリンゴを買うのにも手間取っていました。「Could you buy the apple?」とがんばってみるが、直訳すると「あなたはりんごを買ってもらえますか?」なので、ニヤニヤして何言ってんだお前みたいに

ラオス

ラオスでまた妹と合流したので、少しだけ一緒に周ります。ツインの部屋で、今までの行った国や会った人の話を妹と「あーだ、こーだ」と盛り上がり、何気なく引き出しを開けると、使用済みのコンドームがあります。もうひとつの引き出しを開けてみると、使用前のコンドーム。こういう時、兄と妹はどういう対応をとっていいのか、わかりかねます。知ってる人がいたら教えてください。 妹が「日本に戻ったら何が食べたい?」と言うので、かなり考え「大戸屋 (定食) か五右衛門 (パスタ) かな」と答えたら「そ

ベトナム

ホーチミンに到着。バスを降りて安宿を探していると地元のおばちゃんから熱いラブコールを受け、そのおばちゃん一家に泊まることにしました。ここでは無許可で部屋を貸している地元民も多いのですが、他の安宿よりも安いし、僕らのような金銭困難者にも助かります。需要と供給がいいバランスで動いています。居候的な感じでベトナム生活がスタートします。 お世話になっているおじちゃん、おばちゃんは全く英語を話しません。けれど、いつもニコニコしていて気持ちがいいです。起きたら部屋の片隅に石鹸ぐらいのゴ

インド

インド人。一言で言うと、うざいです。観光客を相手に商売しているインド人の90%は嘘をつき、日本語を話せるものなら200%。同じ輩が2回騙してきます。こっちの学習能力なめるな。 たぶん、お金を持っている者からは少しでもいただかないと、悪い気がしているのだと思います。物乞いなんかは「おまえからお金をもらってやる代わりに、おまえも救われるんだぞ!」ぐらいの感覚できます。こちらもおまえから救われるつもりはない。 ジャイサルメールという街で砂漠のツアーに行ったことがありました。周り

パキスタン

インドの首都デリーのネットカフェで隣に座っていた日本人に「隣の国、パキスタンはいいらしいですよ。特にフンザ」と聞きました。なるほど。そのまま、ネットでフンザの情報を調べてみるとパキスタン北部にある山奥らしく「風の谷のナウシカ」の舞台モデルになったらしいです。今ならデリーで、パキスタンのビザも無料でとれらしい。この気候も人も暑苦しいインドを離れて涼しいフンザに行くのはなかなか悪くない。というか、インドを離れるならどこでもいいです(それぐらいインドにやられていました)。 5日後

中国

チベットのラサからバスで4泊5日かけて、中国の成都に向かいました。これは今までの旅移動で、ワースト3ぐらいにきつかったです。体力的にも精神的にも。今ならラサから中国各地には鉄道が通っていますが、当時は移動手段が飛行機かバス。飛行機が2万円ぐらいで、バスが5千円ほど。迷わずにバスを選んだ自分を殺してやりたいです。 まず、バスに乗り込んだ時点でとても臭いです。干物でも食っているのかと思ったけど、ただただ臭い。その臭いの中で換気もせずにタバコを吸ったり、ひまわりの種なんかを食ベて

モンゴル

北京から、国際列車に揺られ30時間。モンゴルの首都ウランバートルに到着しました。馬にまたがった遊牧民が馬頭琴を持っているイメージでしたが、実際はハマーに乗ったモンゴル人が思いっきり洋楽を聞いていました。別にいいんだけど、こっちのイメージも少しぐらいは大事にしてほしいです。日本に来たら芸者が見れると、勝手に思っている外国人の気持ちが分かりました。 タクシーで、安宿まで向かいます。なぜか運転手は日本語がペラペラでした。理由を聞くと、大学で英語か日本語を勉強するらしく、どちらかを

ロシア

モンゴルのウランバートルからロシアのモスクワまで、シベリア鉄道で4泊5日乗っていました。走行距離が6300kmでだいたい地球の半径をひたすら走っています。なので、ロシアには行ってきたというより通ってきたという感じに近いです。 僕が取得したビザは「通過ビザ」で、ウランバートルからモスクワまで途中下車も許されず、モスクワに着いた次の日までに、ロシアを出国しなければいけないノーウェルカムなビザでした。そんなビザを取得するのも割と面倒です。 モンゴルにあるロシア大使館のビザ受付は

ハンガリー

ハンガリーの首都ブタペスト。宿泊していた安宿で韓国人と仲良くなり、僕を含めた日本人2人と韓国人2人で、公平にみんな英語で会話をしていました。日本人に「ホント?」「今日はどこに行ったの?」「君の肌は黒いね」と、日本人に英語で会話するのがこんなに恥ずかしいとは思わなかったし、最終的に「Yes」しか言わなくなりました。 『朝、バスをキセルしたら、おばさんに捕まる。知らなかったと言っても通じなかったが、バスが急ブレーキをかけて、おばさんがすっころんだところを助けたら、逃がしてくれた

ボスニア・ヘルツェゴビナ

早朝、ボスニアのサラエボにバスで到着。バス停で「宿でも探さないと」と一服していたら、金髪のおばさんが「日本人?」と声をかけてきました。名前はイヴァナ。イヴァナは「宿、探してるの?」「私の宿は安くて、ここから近いし来たら?」「おなか、すいてるでしょ?」と、次から次へと質問を投げかけ、僕のほうから質問すると、だいたいが「オーケー、オーケー」と言ってくきます。 うん、あやしい。あやしいけど、ここらへんの宿の相場の半額ぐらいで泊まれるので、ついつい付いて行きます。イヴァナの積極的す

ブルガリア

夜行バスで、サラエボからブルガリアの首都ソフィアに到着しました。安宿を探そうとしましたが、全身にものすごいかゆみが襲ってきて、歩けなくなります。一度、皮膚をかいてしまうと、もうかゆさが止まりません。言葉にすると「かゆい!かゆい!かゆい!かいー!」と、虫除けのCMみたいになりますが、当時はかなり必死でした。かゆみ止めもないのでタイガーバームを塗りまくり、スースーさせて、とりあえずごまかします。 安宿に着いて「これはヘンな虫が僕の服についてるに違いない」と思い、シャワーでいつも

トルコ

トルコの首都イスタンブールでは、日本人宿に宿泊。イスタンブールの市内観光は、2〜3日もすれば飽きて、そのあとは漫画や本やガイドブックを見たり、ネットをやったり、市内に流れてくるコーランを聞いたりして、ダラダラと贅沢な時間を過ごしていました。 そんな贅沢な時間に耐えられなくなった頃、宿の人達でご飯を作ることにしました。近くの川で釣りをしているおじさんから魚を売ってもらい、醤油を買うのに2時間ほど市内を散策してキッコーマンをゲットして、鍋で米を炊いたりと、なかなか楽しい時間を過

シリア

いろいろな国を周って文明や文化の違いはあれど、基本的にみんな感じることは一緒だとよく思いました。どこの国の人もおもしろかったら笑うし、悲しかったら涙が出て、お腹が空いたらおいしいものが食べたくなります。 ただ、海外にいると露骨な差別を受ける事がたまにあります。だいたいが発展途上国の国で「外人料金」という、現地人の決めた訳のわからない料金を請求されたりボッてきます。あちらの言い分は「うちらは貧乏人、あんたらは金持ち。だからお金もらう」という事を、真顔で言ってきます。 最初は