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最近のマッチングアプリ事情⑤:会話編(前編)

 気が付いたら、デーティングアプリを始めて4か月以上が経過していた。その間ニューヨークの街は開けて来て、私もオンラインに頼らず飲み屋などで知り合いを作る機会が増えていった。だからといってオンラインでの出会いの勢いが衰えているわけではない。今回は、デートでの会話について書きたいと思う。

 皆さんは、デートでまずどんな会話をしますか。私はデートという認識をしているかどうかに関わらず、初対面の人には大体「7歳から今までの人生を10分位で話して」と面接みたいなことを聞く。最近英語圏にいたので忘れていたが、日本にいた時は大体こういうことを聞いていた。それで何となく相手の小学校時代から今までのストーリーを聞くのである。男の人は聞いて欲しがりだと思っているので、大概が延々と話してくれる。それで、相手がどんな人か大体掴む。飲んでいると大抵の話は忘れてしまうので、次回会った時も同じ質問をしたりするのだが。

 それはともかく、今までデートをしてきた中で、ネタとして持ってると会話が弾むな、と思ったトピックがあったのでここに残しておく。

①映画

 鉄板ネタかもしれないが、初対面でも映画の話を振れると会話が弾む(こともある)。私自身、そんなにすごい映画好きという認識はなかったが、他の人と会話をしていくうち、自分は割と映画を観ている方なのかもしれない、と思うようになった。ある時「映画監督は誰が好き?」と聞いたらとても感動されて「今までそんな聞かれ方をしたことがなかった!」と言われた。クリストファー・ノーラン、デイビッド・フィンチャー、マーティン・スコセッシ、クエンティン・タランティーノ、近年アカデミー賞を取りまくってる3人のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ、ギレルモ・デル・トロ、アルフォンソ・キュアロンなどなど、大体相場は決まってるだろう。ちなみに私はウディ・アレンが大好きだが、男ウケはものすごく悪い。だからどうした。一度恵比寿のライブハウスでナンパされた時に「ウディ・アレンが好き」と言ったら「おえぇぇ」という反応をされたことがある。めんどくさい男よけになるよ。

②文学

 映画に比べて、言語の壁が高いが、例えば村上春樹を好きな非日本人はかなりの数いる。また、ほとんどのアメリカ人が読んでいるであろうThe Great Gatsbyも「高校の頃読んだ?」と聞くと割と会話になる。これは村上春樹も翻訳しているので、日本語で読める。が、彼の翻訳は原書より難解なのではと言うくらい難しい訳で、英語で読んだ方がまだ簡単なのではと思わせるので、彼の訳じゃない方が良いかもしれない。私がデートした中では江戸川乱歩を好きな男の子がいて、私も大学生の頃読んでいたので話は合った。ただ、一般的にはフィッツジェラルドか村上春樹を持ち出した方が会話はこじれないで済むかもしれない。また、お互い作家や本自体を知らなくても、「今こんな本読んでるんだ」というのは話題になる。

③文化

 私は文化についての話も好きなので、ナポリ出身のイタリア人とデートした時に、「アメリカ来てからコーヒーは飲む?」など軽い話題から入りつつ、相手から「北と南はフランスとスペインに占領されてた過去があるから訛りが違う。その地方の訛りで喋ったら同じイタリア人でも通じない」「北と南では人が嫌い合っている」などを聞き出したのはものすごく面白かった。私が「今のいわゆるフランス料理の基盤は、カトリーヌドメディチがフランスに嫁いだ時にシェフを引き連れてできたものだと聞いたけど」というと「それは理解できるね。クロックムッシュやクロックマダムのベシャメルソースはイタリアのソースだからね」という話もされた。そういう会話は今までしてこなかったので、ものすごく興味深かった。

後編へ続く!

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