【読書感想文】一気に完走!〜 《嵐にも負けず》ワニ町シリーズ第7作
届いてその日に2周目まで完走!
だって止められないんだから。
主人公はアメリカCIAの腕利き秘密工作員、特に暗殺任務に長けたフォーチュン。
中東での武器商人相手のミッションで少々やり過ぎて緊急召還され、長官の姪の身分を騙って最近亡くなった大叔母の遺産整理という名目でルイジアナ州のニューオーリンズ近郊の(架空の)小さな町シンフルに隠れる事に。
彼女の首には武器商人から【死体なら$1,000,000、生きて連れてきたら$10,000,000】という賞金がかけられ、どうやらCIA内部に密通者もいる模様。
命令を守るしかないフォーチュンをシンフルで出迎えたのは、その町を陰で仕切る婦人会のメンバーであるアイダ・ベルとガーティだった。
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と始まる第1作から(ちゃんと読んで復習しておいたよ)、今回の第7作まで作品中の時系列はひと月ちょっとしか経ってない。
にも関わらず、事件が起こりまくり、フォーチュン、アイダ・ベル、ガーティの【チーム・スワンプ・スリー】が法執行機関である町の保安官事務所はもちろんFBI、ATF(連邦政府アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)の目を掻い潜り、ニューオーリンズマフィアとある時は手を組んで《潜伏するにはもってこいの小さい静かな南部の町》の平和のために奔走する。
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アイダ・ベルとガーティの正体も第一作で明かされる大きなカギなので「読んでみてね」だし、フォーチュンがシンフルで出会う人々、シンフルの独特な法律、美味しそうな南部料理、バイユー(ルイジアナ州の湿地帯)での暮らしなどを通して自分自身と向き合い成長していく過程を横から眺めている感覚も良くて、やっぱり「読んでみてね」だ。
ただ、そのBGMになるのは自分が爆笑する声だ。
あるいは呼吸困難になって腰砕けになるか、だ。
絶対に電車や公共の場で読んではいけない。
大切なのでもう一度言います。
絶対に絶対に電車や公共の場で読んではいけない!
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今作では偽札・ハリケーン・殺人事件が一日のうちに町を襲う。(ネタバレはしたくないが帯に明記されてるので書いてもいいと思う)。
アメリカでは銃規制すべきだと思ってるが、まあこの作品はフィクションという事で。
この第7作だけでも120%面白いけど、第1作から読むと500%増しましになるはず。
第8作の発刊をもう待ち焦がれています。
翻訳の島村浩子さま、よろしくお願いします。
創元推理文庫のみなさま、どうかどうかよろしくお願いします。
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翻訳もの(文庫本も)は、本国でシリーズが続いていても突然日本では発売が止まったりするし、何よりどこの書店にも確実に並ぶとは限らない。
だからこそ、出版社と翻訳家と売上げに左右される危険性を孕むシリーズもの。
どうか【ワニ町シリーズ】は本国の最終刊まで伴走してもらいたい。
あなたもぜひっ!
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ではまた。